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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
大罪魔獣
222/314

予想外のネガティブガール



「なるほど……つまり、神力オンリーの私は役立たずですわね」



「オルちゃん!?」



 考えていたら、予想外のところからネガティブブローを食らった。見るとオルちゃんが、何かを諦めたような顔で地面にへの字を書いているではないか。



「そ、そんなことないって! えっと……そうだ、ユメちゃんは『神封錠』、付けられてなかったよね?」



 このままネガティブ思考に陥ってしまいそうなので、とりあえず話を続けることに。いきなり振られたユメちゃんは「えっ」と戸惑っていたが、私のアイコンタクトに気付いて話に乗ってくる。



「あ、えっとね……初めは付けられてたんだよ。でも、バランダって悪魔が暴れた時に、壊れちゃって……」



 返ってきた答え。それは納得のいくようないかないような、何とも微妙なものだった。



 暴れた時というのは、ユメちゃん以外の人達がバランダによって殺された時ということだろう。確かにバランダの力であれば、大抵のものなら破壊できてしまいそうだ。



 その際にユメちゃんが怪我をしなかったのは不幸中の幸いというべきか。



「バランダ……悪魔と人間のハーフ、か。……そういえばあの子も、神力が効かなかった」



 つい先程相対した悪魔……と人間のハーフ。私と似た生い立ちの彼女であるが、ふとしたことで見てしまったその過去は、私とは正反対だった。



 そこで、思い出す。あの子の強さのインパクトが強くて忘れていたが、彼女もヒロトと同じく神力を無効果したことを。オルちゃんのバリアをすり抜け、体を侵した毒には神力の回復能力が通じることもなく……



「そう……あの時の私ときたら、役立たずどころか足手まといで……」



「オルちゃーん!」



 せっかく話をそらせたかと思ったのだが、またもオルちゃんがネガティブ状態に。毒にやられて役に立てなかったこと、気にしているんだろう。そんなこと、気にしなくていいのに。



「気にしないで。オルちゃんが役立たずなんて、絶対にないから」



 だから、せめてもの言葉をかける。これで気が楽になるかはわからないけど。でも、私の言葉を受けたオルちゃんは、軽く微笑んでくれた。



「彼女、凄まじい強さだったようだね」



「えぇ……」



 ここでエドさんが、さりげなく話題を戻す。そう、エドさんの言うように、あのバランダの強さは異常だった。いや、異常なのは強さよりもむしろあの執念。



 彼女の過去を思えば、理解できないわけでもないけど。



 それでも、敵であればかわいそうなどとは言ってられない。仮契約とはいえ、精霊であるレイの力を借りてまだ足りなかった。その強さと執念は、悪魔四神に匹敵するだろう。



「それでも、彼女はその……悪魔四神、とやらではないんだろう?」



 そこへ、私の考えていることを読んだかのような言葉。それに対して私は「多分……」と小さくうなずくと、今判明している悪魔四神について告げる。



「さっきも現れたメルガディス……それに、人魔戦争の時にニ体。計三体の悪魔四神と、会ってます。四神って言うからには、四体いるんだろうから、残り一体は不明ですけど」



 バランダが最後の悪魔四神の可能性も、ないとは言えない。だけど、何故だろう。彼女は、違う。いまいち釈然としないというか、何故かわからないけど違うと思ったんだ。



「名前的には、四天王とかそんな感じなのかな」



「そうだね。実際、強いよ」



 三体のうち、一体と私は直接対峙したことはある。それも、お父さんの仇である悪魔と。その際、その能力もあってか苦戦させられた。力が安定してなかったっていうのもあるだろうけど。



 奴らには、それぞれ能力がある。それが一番厄介なもので、しかもなかなかにチートくさいものばかりだ。



「確か、その悪魔四神にはそれぞれ能力があるとの話らしいが?」



「うん。それは……」



「無から何でも生み出せる『八百万(やおよろず)の創造者』、有機物無機物関係なく何でも打ち消す『八百万の消滅者』、時間が経てば経つほど力を増していく『時の増力者』ですわね!」



「……うん?」



 悪魔四神の厄介なその能力。内容を話そうとしたところを、先にオルちゃんが言ったのだが……何かおかしな言葉を聞いたような気がする。



 能力の内容については、間違ってないのだが……



「オルちゃん、今なんて?」



「え? 『八百万の……』」



「何て言ったのか聞こえなかったわけじゃないよ!?」



 私の耳がおかしいのかと思ったが、そうではないらしい。止められた本人は不思議そうな顔をしているが、そんな顔をしたいのはこっちだ。何せ、そんな呼び方?は初めて聞いたのだがら。



「何その、『空腹の魔女』みたいな学園での私達の二つ名みたいなの」



「かっこいいでしょ!?」



 めちゃくちゃ笑顔で、めちゃくちゃ親指を立てている。あぁ、そういえばオルちゃんそういうの好きだったんだよな、うん。



 かっこいいという理由で、奴らの能力に勝手に名前がつけられていた。

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