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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
世界崩壊
156/314

謎の殺気



 歩き、歩き、歩き続けて。時間が、日が経っていく。例の人造人間(アンドロイド)と戦って、何日か経った後……ついに、目的の場所を目に納めることになる。



「……ここだ」



 そう言って、足を止めるのはエドさんだ。それに伴い、私達も足を止めた。吹き荒れる風が、フードを、髪を揺らしていく。



 場所的に、ここから見下ろす場所にあるのは……今まで訪れた村や街にはなかったものがあった。まるで、外からの侵入を防ぐような、中からの脱走を防ぐかのような、何十メートルもある金網。



 それに、今までの場所よりも、一回り大きい。ここが悪魔に支配されているのだとしたら、その前はずいぶん栄えた街だったのだろう。



「ここに……」



 エドさんの村の人達が、捕らえられているかもしれないのか。何だか、緊張してきたな。あの金網は、中に誰かがいることを示していると言ってもいいだろう。



「みんな……気を、引き締めていこう」



「えぇ!」



「あぁ!」



「おー!」



 気を引き締め直し……私達は、歩みを進める。目の前に広がる大きな街に、捕らえられているかもしれない人達を助けるために。



 ……そしてこの場所で、私にとって新たな試練が訪れることを、まだ私は知るよしもなかった。



「……っと」



 たどり着いた街の、金網の前まで移動し、中を見る。その限りでは、人の影すら見えない。ここが、エドさんの村の女性達が連れこられた場所……



「ここに、いるんですの?」



「わからない。けど……魔の気配が、これまでとは違って強いのは感じるよ」



 それはつまり、ここには悪魔や魔物が多い、もしくは質の高い種類がいるということだ。ということは、ここはそれなりに重要な場所なのかもしれない。



 その中でも、一段と濃いものがある。最もこれは、ここからは離れた場所にあるんだけど……



 気になるのが、単なる気配でなくそれに『殺気』が含まれていることだ。いや、含まれているというよりこれは殺意そのもの。



 私の直感とは別に、精霊のレイからも、警戒のような反応が見られる。やはり、何かが……私達を狙っている?



「……オルちゃんは、変な感じしない? エドさんも……何だか、もやもやする感じというか……」



 人間には敏感に感じ取れない魔の気配でなく,殺気ならば、修羅場をくぐり抜けてきたオルちゃんや、実力者のエドさんは感じ取ることが出来るかもしれない。



 直接殺意と言うのは躊躇し、曖昧な表現になるけど。でも……



「……? いえ、別に」



「あぁ、僕も何も感じないな」



 二人は、何も感じないと告げる。



 となると……考えられるのは、この殺気は私にのみ向けて放たれている、ということ。それでいて二人に気付かれない、鋭い……まるで刃物のような。気のせいということは、絶対にない。



 とにもかくにも、まずは人を探さないと。さすがに、見てすぐわかるような場所にはいないようだ。それは端から見れば、ここも今まで回ってきた場所と変わらない、無人の場所だといえる。



 でも、やることは今までと変わらない。無人であろうとなかろうと、誰かがいる可能性のある所に着いたらまずは、誰かがいないかの確認。今回も、その例に漏れない。



 侵入がバレないように、神力を使って浮遊。金網を越えて中に入る。これだと防壁の意味がないとも思ったが、そもそも捕まってる人は『神封錠』を付けられて神力を封じられてるから、神力を使える人間でも脱出できないのか。



 それに、どうやらよく見ると金網には刺がある。確か、有刺鉄線ってやつか。無理に登ることはできない。外からの侵入は……想定してないのか、それとも侵入されても問題ないと自負しているのか。



 私達は問題なく中に入り、息を潜める。



「それじゃ、三手にわかれよう。スカイくんは、オルちゃんお願い」



「アイアイサー、ですわ!」



 散策チーム……といえるほどではなく、ただ一人ずつに別れただけ。内一人にスカイくんを加え、三手に。この采配には一応理由がある。



 私は、天力や魔力といった力を感知できる。エドさんは、『星剣』を扱い、その剣には敵意や殺意といった負の感情を察知する能力があるのだという。



 事実、ここに来るまでの間、悪魔に襲われた時も魔の気配を察知していち早く撃退していた。



 よって、これまでの修羅場をくぐり抜けてきたとはいえ、特別に力を察知する能力のないオルちゃんと、悪魔の正体を見抜く力を持つスカイくんをあてがった。



 無論、なぜスカイくんにそんな能力があるのかはわからないし、謎のままでは不安でもあるけど……それでも、今は使えるものは使うしか、ない。

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