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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
世界崩壊
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抜群のコンビネーション



 突然襲って来た竜と、謎の男の子&女の子。私達を狙う理由は全くわからないが、私の天使の姿を見て尚も仕掛けてくるということは少なくともこっち側の人間ではない……ということか。



 悪魔の気配はしないが、カーリャさんのところでのことを考えると、魔力を消せる存在がいてもおかしくはない。



「がぁ!」



 瞬間、何かに打たれる衝撃が体を走る。思考により一瞬の気の緩みが生まれたのか、その隙をつかれ、竜の尻尾に叩かれてしまったようだ。しかもその身には電気が纏っており、叩かれただけとはいえ私の体にも電気が伝わってくる。



 尻尾で叩かれただけだというのに、その衝撃は凄まじく……近くの岩場に叩き付けられてしまう。しかも電気が体を流れ、痺れてしまったせいで受け身をとることもできず、打ち付けられる。



「いっ……つ!」



 受け身も防御すらもできず、体を痛みが走る。頭からは血が流れ、それが視界を赤く染めていく。しかしそれに気を取られる隙さえ与えてくれず、私の目の前で爆発が起こる。何事かと目を凝らすと、そこには見知った人影が。



「オルちゃん!?」



 土煙が晴れると、そこにはオルちゃんの姿があった。彼女は肩で息をしており、対峙するのは謎の女の子。どうやら、二人が戦っている場所まで吹き飛ばされてしまったようだ。



 息切れしているオルちゃんに対して、謎の女の子は涼しい顔で、息切れも汗一つもかいていなかった。



「リーさん!? 大丈夫ですの!?」



「私は大丈夫。オルちゃんこそ……」



 私達の会話など待ってくれず、謎の女の子は動き出す。



 踏み込んでその場から飛び出し、オルちゃんの懐に入り込む。そこから打ち込まれる拳を、オルちゃんは寸前のところで腕で防ぐ。しかし攻撃を防がれた驚愕よりも、謎の女の子は次の行動に。もう一方の手で、オルちゃんの空いた手首を掴んだかと思えば、がら空きのボディに蹴りを打ち込む。



「がっ……あぐ!」



 両手を封じられ、防ぐ手立てのない無防備な体に強烈な一撃。口から血を吐き吹き飛ぶオルちゃんだったが、宙に舞う中すぐに体勢を立て直し着地する。しかし、体勢を立て直す前に襲い掛かるのは謎の男の子。



 先程まで謎の女の子がオルちゃんの相手をしていたが、その相手は今度は謎の男の子に変わっている。突然の選手交代に戸惑う私とは別に、オルちゃんは驚くことなく身構える。繰り出される拳を水の壁で防ぎ、衝撃を吸収する。



「なっ!」



 衝撃を殺され、その場でジャンプする謎の男の子。その跳躍力は目を疑ってしまう程で、人一人を余裕に超えてしまっている。目の前のオルちゃんを飛び越え背後に回り、オルちゃんが反応する前に足払い。体勢を崩したオルちゃんの足首を掴み、投げ飛ばす。



「投げ……飛ばした!?」



 女の子とはいえ、人一人を軽々と投げ飛ばすなんて! しかも、決して大きくもない男の子が……涼しい顔で、まるでボールでも投げるかのように。



 オルちゃんか飛ばされたその先には、エドさんの姿が。先程までオルちゃんと対峙していた謎の女の子と対峙している姿があり、エドさんの剣技は軽々とかわされている。そこへ飛んでくるオルちゃんの姿を目に入れたエドさんの動きが一瞬止まる。



 このままでは二人が激突してしまうという懸念が、彼の動きを止めた。



 その隙を、相手が見逃してくれるはずもない。謎の女の子はエドさんの懐に入り込み、腹部に掌底を撃ち込む。その威力は、見ただけでもその凄まじさが伝わってくるようだ。



「かっ、は!」



 何とか倒れるのは阻止し、オルちゃんは地面に激突する前に水の防壁を張り、それにより激突の衝撃は吸収される。



 あの二人が、あんなに押されている……その事実に私は驚愕した。



「くっ……この二人、手強いですわ」



「あぁ……それに、コンビネーションが半端でなくうまい」



 個々の力は、お互いの力を合わせることでより大きな力になる。二人のコンビネーションが、ただでさえ大きな力を何倍にも大きくしている。それは、今のオルちゃん、エドさんには相性が悪い。



 私とオルちゃんならいざ知らず、エドさんとはまだ会って間もない。まして、戦いにおいて合わせる練習などもしていない。まだお互いのこともよく知らない中で、一朝一夕にコンビネーションを会得しろというのも難しい話だろう。



 ならば、私がエドさんと交代して…と思うが、飛んでいる竜の相手を押し付けるわけにはいかない。その竜はというと、先程から上空からこちらを見下ろしたまま、低く唸るだけだ。警戒しての様子見か、単なる余裕か……だが、奴が手を出してこない保証はどこにもない。



「! まずっ!」



 そうこう考えているうちに、竜が口の中にエネルギーを溜め始める。正直な話、体が痺れて動けなかったので竜の傍観はありがたかったのだが、もうそんなことは言ってられなくなってしまった!



 だけど、反応が遅れてしまった私が飛び立つより、竜が炎を吐き出す方が早く……



「ギァアアアア!」



 その時だ。レイが竜の目の前へと移動し、凄まじい輝きを放つ。その眩しい光に、竜は目をやられたのか身を悶えさせ……攻撃をためらう。攻撃ではない、ただの目くらまし。だけど今の私にはありがたい!



 その隙に、痺れる体を無理矢理に起こし、飛び立つ。また、レイに助けられた!



 とはいえ、このままじゃ平行線だ。竜の攻撃は致命傷にならない程度にはかわせるが、私の攻撃は竜に対したダメージを与えられない。となると……



「お願い、レイ。力を貸して!」



 残る方法は、更なる火力で竜を叩くということ。そのためには、精霊であるレイの力を借りる必要がある。精霊との契約は、膨大な力を得ることが出来る。



 カーリャさんが言うには、今の私は契約でなく仮契約状態。借りられる力の大きさは全然違うらしいし、何より気まぐれらしい。なので、レイが素直に力を貸してくれるかはわからない。



「それでも……お願い。仲間を……友達を、助けたいの!」



 目の前の竜を倒し、オルちゃんとエドさんを助けに行く。そのためには、レイの力を借りるしかない。だけど、レイが反応を見せるよりも先に……



「ガルルルァア!」



 視界を取り戻した竜は、雄叫びをあげる。それが、全身の毛を逆立たせていく。口の中に溜められたエネルギーが光り、またも炎が勢いよく吐き出される。



「くっ……!」



 迫りくる炎に、額から出る汗が止まらない。避けることは、難しい。ならば防ぐしか手立てはない。突破されるかもしれないが、直撃よりはマシのはすだ!



 両手を突き出し、天力を集中! 迫りくる炎を防ぐために張れる、最大限のバリアを! ここで私がやられれば、それはこの竜がオルちゃんとエドさんの戦いに乱入するという結果になる。それだけは、避けなければいけない!



「せぇえええい!」



 炎がぶつかる直前、前方にバリアを展開。張ったバリアは炎を受け止め、これ以上先へいかせないために押し止める。しかし、私単体の力では炎を押しとどめるどころか、その場に踏ん張るのがやっと。



 しかも、先ほどよりも炎の威力が強くなっている。さっきまでは手を抜いていたのか、それとも……



「くぅ……ぅあぁああああ!」



 灼熱の炎に為す術もなく、私の視界は炎に包まれた。

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