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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
世界崩壊
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竜との攻防



 突如現れた大きな竜。竜なんて嘘みたいな光景だが、たった今殺されそうになったことが現実を物語っている。竜も、その背に乗る人物も……嘘ではない。現実だ。



「だ、誰か乗ってる……?」



「え、どこですの!」



 無駄なのに背伸びしているオルちゃん。竜は飛翔している上、縦横無尽に動き回っているから中々確認ができない。オルちゃんもエドさんも、確認はできていないようだ。



 だけど、乗っているのは間違いない。その竜に乗ってるということは竜を操っている人物ということ……そして、攻撃してきたということは敵ということ!



「悪魔なの?」



「そ、それよりも! りり、竜なんて! あんなのどう相手すれば! あんなの絵物語の中、フィクションの空想の話じゃないんですの!?」



「それを言うなら天使や悪魔も空想の世界の話だよ!」



「それもそうですわ!」



「あわあ、来るよ!」



 現れた巨大な生物に困惑する暇もなく、再びこちらに突撃してくる竜。その瞳は鋭く私達を睨みつけ、口の中には赤く光るものが。また、さっきみたいに炎を吐くつもりだ! 吐かれる前に止めようにも、空を飛ばれては止める手立てはない!



「飛ばれては、剣が届かないか!」



「なら、私が注意を引き付けます!」



 飛んでいる相手に対して、どう立ち回ればいいのか。考えるよりもまず、自分にできることをするべきだ!



 背中から天使の翼を広げ、空へと飛び立つ。獲物が二手にわかれ、一瞬どちらを狙うべきかの判断が遅れた竜。その隙に竜の皮膚へ攻撃を撃ち込む。手を銃の形にして、指先から光の弾丸を放つものだ。



「リーさん! 危険ですわ!」



「大丈夫! 任せて!」



 息つく間もなく、弾丸を撃ち込んでいく。だがそれは、竜にダメージがいっているようには見えなかった。蚊に刺された程度のものなのか、竜の皮膚は相当に固いもののようだ。



「……あれ、さっきの人影は……?」



 攻撃を撃つのに夢中で見逃していたが、ふと気がつくと竜の背に乗っていた人物の姿がない。どこに行ったのかと視線を巡らせると、下の方から声が。そちらへ視線を向けると、オルちゃんとエドさんに襲い掛かる人影があった。



 まさか今の一瞬のうちに、竜から飛び降りていたっていうのか。しかも、この高さを!



「な、何ですのいったい!」



「いつの間に……!」



 私は竜との距離を保ち、一瞬の油断も許されない状態。下では、オルちゃんとエドさんは背中合わせでそれぞれの正面に立つ人物を見る。



 二人が相手している謎の人影は、一見ただの男の子と女の子。色素の薄い白に近い髪を短く切り揃えており、晒した肌は褐色染まっている。見た目そっくりであり、双子ではないかと思わせる。



 見た目そっくりなのに男の子女の子と判断できたのは、その服装がズボンとスカートにわかれているということ、スカートを履いている子の胸元が微かに膨らんでいることからだ。服装も上下共に白に統一されており、しっかり確認しなければ双子どころか同一人物と言われても何ら不思議はないほど。



「二人とも……くっ!」



 二人のことが気になるが、こっちもこっちで集中しなければ。目の前の竜が吠えるだけで、咆哮による風圧で吹き飛ばされそうになる。それだけでなく、全身にびりびりと電気が走るような錯覚にさえ陥る。



 目の前の巨大な生物は、私を得物と判断したらしい。食らおうと思っているのか、鋭い瞳を向けてくる。でかく、リーチも広い。相当に気を張って向かわないと、こっちがすぐにやられてしまう。



「グルルル……バァアアアッ!」



 距離をとり様子をうかがう私に痺れを切らしたのか、竜は再び炎を放つ。天力を使いドーム状のバリアを張りそれを防ぐも、威力が強すぎるのか気を抜くと破られてしまいそうだ。しかも、炎は防いでも気温の変化までは防げない。猛烈な熱さが私を襲う。



 炎を防ぐだけで手一杯の私には、竜の次の行動を見て判断する余裕がない。次の瞬間、バリアが何かにはじき飛ばされる。どうやら、竜の尻尾でたたき付けられてしまったらしい。ダメージこそないが、勢いの乗ったそれにたたき付けられ吹き飛ばされてしまう。



「あの巨体のわりに……速い!」



 勢いが死ぬまで待つのではなく、無理矢理にでも勢いを殺して吹き飛ばされる動きを止める。その間にも竜は次のモーションに入っている。まるで知性があるかのような無駄のない動きだ。その上、あの炎攻撃には制限がないのか……厄介すぎる!



 ふと、竜の体がバチバチと光っていることに気付く。それはまるで電気を纏っているかのよう……というか、実際に体に電気を纏っている! え、竜って自家発電できる生き物なの!?



私の驚きを無視して、竜は電気を纏った体のまま突っ込んでくる。心なしか、先程よりもスピードが出ているように思える。あんなのに突っ込まれたら、たまったもんじゃない!



 突撃してくる竜の体は金色に輝き、バチバチと電気が迸る体には触れただけで大事になってしまうと感じさせられる。無論正面からぶつかり合うつもりはないし、あの炎さえ防ぐのに精一杯だったといううのに、あの突撃を正面から防げるとも思えない。



 だから私は、回避行動に移る。翼を広げ、相手の動きに集中。そこから翼に力を集中させ、その場から離れる。その私の動きに反応するように、竜もこちらを目掛けて動きを変える。



 逃げる私を、竜が追いかける形になっている。私もそれなりにスピードを出しているのだが、追いかけてくる竜のスピードも半端なものではない。あの巨体の一体どこからあんな速度が出せるのか、疑問を通り越して呆れるくらいだ。



「こ……の!」



 逃げる最中にも振り向き、時折攻撃を撃ちこむ。しかしそれは竜の硬い皮膚を破るには至らず、呆気なく弾け飛ぶ。



 こちらの攻撃は通じない鱗の硬さ、気を緩めればあっという間に追いつかれてしまうほどの速度、そして一撃が必殺になり得る攻撃力。それは、これまで相手にしてきた悪魔達とはまた違った恐ろしさがある。

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