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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
世界崩壊
134/314

ここ最近で一番の衝撃を受けました、まる



 オルちゃんと会ったらカーリャさん、なんて反応するだろう。まあ、その時はその時だ。さすがに初対面の相手に突っ掛からない……と思う。



「じゃあ、行きましょうか。カーリャさ……」



「あらん? リーシャちゃん、こんなところにいたのね」



 みんなのいる場所へと戻ろう……私の言葉は、言い切る前に別の言葉によって塗り潰される。女口調でありながら、いやに野太い声に。



 それは、私とカーリャさん以外の訪問者を表していた。



「あ、ミシェルさん」



 振り返ると、そこにいたのはやはりミシェルさんだった。何てタイミングで来るんだと思う。そして何故この場所がわかったのかとも。サラリアさんに聞いたのだろうか?



 ミシェルさんは、堂々とした立ち振舞いでこちらに歩いて来ている。その際、窓から差し込む光が彼(彼女?)を照らしていた。それはまるで一枚の絵画のようだ。嬉しくない。



 とりあえず、せっかく来てくれたのだ。カーリャさんを紹介しよう。



「あ、ええと……紹介しますね。こちら、天使のカーリャさ……」



「あら? カーリャじゃない。ひっさしぶりじゃないの」



「ん? お……お前、ミシェル、か?」



 ……え?



 カーリャさんを紹介しようとしていたのに、ミシェルさんの口からカーリャさんの名前が出て……その言葉に、思わずフリーズしてしまう。え、久しぶり?



 しかも、カーリャさんの方もミシェルさんの名を呼んだではないか? そのやり取りは、まるで二人が知り合いであるかのような……え? ワッツ? ホワイ?



「あ、え、あ……お、お二人……知り合い……?」



 声が震えるのを何とか抑え……られていないが、ともかく疑問を聞く。何が起きたわけでもないのに唇が渇き、口の中から水分がなくなっていくような感覚になる。



 ここ一番の、衝撃だ。



「あぁ。ミシェルにはよく世話になってな。リーシャも覚えてないか?」



「……へ?」



 世話になったって、えぇ!? どゆこと!? しかも今の台詞だとまるで、私もミシェルさんのことを知っているということになるけど!



「いや、知らないです……」



 そもそもこんなインパクトの塊のような人と出会ったら、忘れたくても記憶に根付いて忘れることは出来ないだろう。それほどに、何ていうか……ね? インパクトの人だから。



「驚くのも無理はないわ。あの頃とは、私少し雰囲気変わったし」



 と、ミシェルさん。いやいや、少しの変化くらいじゃその見た目を忘れることはないだろうさ。



「ほら、覚えてないか? 私とリーシャが二人暮らししていた頃……よく食料諸々を持ってきてくれた人がいただろう」



 カーリャさんからそう言われ、私は自分の記憶を奮い起こす。カーリャさんと暮らしていた頃、食料やなんかを分けに来てくれていた人……は。



「……そう、いえば……」



 心許ない記憶の糸を手繰り寄せ、思い出す。確かに、いた。



 そうだそうだ。確か、よく家を訪ねてくる人がいたっけ。見た感じ、男とも女とも見て取れる中性的な、美形の持ち主。



 爽やかで、細くて、髪サラサラで、イケメンで……特徴的には、エドさんに似てるかも。まあその頃の私はお世辞にも愛想がよかったとは言えないから、逃げたり隠れたりしてあまり会わなかったんだけど。



 私とカーリャさんの二人だけの生活。だけど、カーリャさんだけで生活を支えることは困難。その上、私の面倒を見たり、天使だから隠れて暮らしている身としては大っぴらに活動は出来ない。



 そんな中でも、生活を切り盛りしていけたのは……ひとえに、その人のおすそ分けのおかげだった。



 ……と、ここまでは思い出したけど。



「あの、それとどういう関係が……?」



 そう、あの頃の温かな思い出を思い出したからと言って、それがどう結びつくのか?



 するとカーリャさんは、私がわからないのをわからない、といった具合に……こう、告げる。



「わからないか? ミシェルがその、おすそわけの人だ」



「……」



 時が、止まった気がした。



「……はぁっ!?」



 あの爽やかイケメンが、ミシェルさん……? いやミシェルさんがあの爽やかイケメン……?



 いや、いやいやいや。ないないないない。



 この人は、何を言っているんだろう。



「いやいやいやいやいや」



 だって、違うじゃん。見た目とかそういう以前に、ほら、違うじゃん。まず素材が違うじゃん。



「ま、確かにあの頃と少し変わったもんな。背伸びた?」



「そういう問題じゃない! いや別物じゃん! 目、腐ったの!?」



「落ち着けリーシャ、ちゃんとミシェルだろう」



「ミシェルという名前はその通りだけど! いや、全然違うじゃん! 死んだの!? 一回死んで転生したの!?」



 何でカーリャさんはそんな平然としているのだろう。少しどころの変化じゃない。



 けどカーリャさんは本気で言っている。それに私達が今日ここに来たのはたまたま。壮大過ぎるドッキリでもあるまいし、そんなことをする理由もないだろう。



 ということは、ミシェルさんが本当に……?



 いや、信じられない。確かにおすそ分けの人も性別不明だったとはいえ、それはいい意味でだ。断じて今のような、カマ的な意味合いではない。



 整形とかいうレベルじゃない。遺伝子レベルから変わっているんじゃないかと思える。わかりやすく言うなら、子犬がトリケラトプスになったみたいな。



 うん、意味わかんない!



「あの頃はそんなに接点もなかったし、仕方ないわねん」



「そういう問題じゃないってんのよ! 鑑見なさいよ! もやしが筋肉ダルマになってたら、誰だって驚くわ!」



「ははは! 私にす遠慮していたあのおとなしかったリーシャが、こうも感情を表に出すとは。それほど仲良くなったのか!」



 いや、だから……もういいです。

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