表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺戮部隊と弟子  作者: 水無月14
71/82

猫の手

 「じつに興味深い逸材だ。ゆえに残念だよ」

 「あなたを止める。たとえこの命に代えても!」

 「威勢がいいな。だが俺は君よりも強いぞ」

 「そんなの関係ない」

 魔法使い同士の戦いにおいて絶対はない。それは普遍的な常識だ。

 しかし現実には絶対に等しい壁というものが確かに存在する。

 ミラにとっては二人の師を筆頭に殺戮部隊がそれに該当したが、辛くも乗り越えてきた。

 その自負を胸に最後の戦いに臨まんとミラは息巻く。

 

 「おいっ」

 「痛ッ!?」

 「師匠である俺を差し置いてなぜお前が前に出る?」

 「だからってチョップはないでしょ……」

 「ダヴィンチは強い。お前じゃ返り討ちに遭うのが関の山だから援護しろ」

 「またボクを邪魔者扱い……って、あれ?」

 「誰が邪魔だと言った。援護しろと言ったんだ」

 「カナメさん。それって……」

 「勘違いするな、お前は弱い。今は猫の手でも借りたいってだけだ」

 「ですよね~……」

 意気消沈したミラは大人しく師の後ろに下がった。

 糞という言葉が前に付くぐらい真面目な性分が災いしてかミラは四条要の言葉の真意をまるで理解していなかったが、本当に戦力外なら四条要がこの地にミラを連れて来ることはなかっただろう。

 かつての自分がそうであったように安易に認めてやれば増長する年頃。

 四条要があえて明言を避けたのは自らの苦い経験に基づいてのことだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ