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殺戮部隊と弟子  作者: 水無月14
32/82

アースガルド家の客人

 「しばらくここで世話になるとしよう。経験上こうゆう時は動かないに限る」

 「何を馬鹿げたことを……。あなたのような下賤な輩など――……」

 「セルヴァス。家の案内よろしくね」

 「お嬢様!?」

 「今からこの人は正式な客人なんだから粗相を起こさないように」

 「正気ですか……?」

 「義父様の許可はすでにおりてるわけだから問題ないと思うけど?」

 「……わかりました。どうなっても知りませんからね」

 「事情を知ってる執事はセルヴァスだけなんだから上手くやってね」

 「御意に……」

 不服ながらも胸に手を当て礼を尽くすセルヴァス。

 ――主人の命令は絶対。

 執事として第二の人生を歩むと決めた時よりそれは絶対だった。

 「そうゆうわけで悪いが召使いさん」

 「誰が召使いですか!」

 「キレるなよ。こっちは客人だぞ」

 「くっ……」

 「それはそうと風呂場に案内してくれ。それと髪が邪魔で仕方がないんだが」

 「当然切ってもらいます。服もこの家に見合うものを着てもらいますからね」

 「そこらは好きに見繕ってくれ。とりあえずは風呂だ風呂!」

 「せっかくだし私もご一緒しようかしらん」

 「ネイロ、お前は自分の家に帰れ。半年後に落ち合うってことでいいだろ」

 「あー……それなら今日から私もここに泊まろうかな」

 「いやいや自分の巣に帰れよ」

 「別にいいじゃない。修業なら全然付き合うし」

 「お前と一緒なんて冗談じゃねえ。いいからさっさとお引き取りを――……」

 「いいわよ。ネイロさん強いし」

 「は……?」

 「ネイロさんさえよければ是非」

 「てめぇ小娘、ふざけんなよ!」

 「ボクの名前は小娘じゃない。ミラ・アースガルド」

 「それは何度も聞いた」

 「なら、ちゃんと名前で呼んで」

 「チッ……」

 名目上はミラの修業の為の半年となったが、四条要にとっては自身の調整期間といった意味合いの方が強かった。

 気持ちの上ではそうでなくても肉体的には十年のブランク。今出せる力が全盛期と比べてどの程度劣化しているのか分からないことへの不安と焦り。当初は山籠もりでもして戦いの勘を取り戻すつもりでいたが、自身の不安要素であるミラを鍛えるという選択肢は四条要にとって捨て置けない話だった。


 ――だからこそ話に乗った。すべては自分自身のために。


 決して小娘にいいようにやられたわけじゃないから問題ない。

 湯船でくつろぐ四条要は自らにそう言い聞かせ気持ちをリフレッシュするように頬をパンパンと叩くと風呂場を後にした。


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