7日目(お人好し)
大「ぶるぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…。」
き「なぁ、なんで大福あんなあからさまに落ち込んどん?というかあれため息?」
ね「まぁねぇ。登校中とここに来る下校中にちょっとねぇ。でもあれはため息じゃなくてゲロ吐く人のモノマネだよ。」
き「殺意が芽生えるから今すぐゲロマネやめさせろ。
でもまぁ落ち込んでるのには変わりないみたいやし、今はその話にあんま触れん方がよさそうやな。」
ね「そんなこと全然ないよ!むしろイジってイジっていじりまくらないとおもしろチャンス逃しちゃうよ!さぁ今すぐ福ちゃんをいじろうよ!傷口が閉じきる前にどんどん掘って広げて傷の治りを遅くしちゃおうよ!」
き『たまに心底お前という人間を恐ろしく思うよ…。』
ね「で、実は朝学校行く途中とここに来る途中に迷子に出会ってね。福ちゃんお人好しだから迷子の子に声かけたんだ。そしたら…、」
ー回想ー
迷子の女の子「えぇぇぇぇぇん、ママァァァ!!」
ね「ねぇねぇ福ちゃん、あれ迷子かな?」
大「ん?ホントだな。」
ね「朝っぱらから迷子。理由は知らないけどロクな親じゃないよね。ニュースにならないことをお祈りしよう。」
大「ロクでもないのはお前じゃ!」
ね「いてッ!」
大「あのまま放っては置けない。とりあえずあの子のとこにいくぞ。」
ね「福ちゃんの意見には賛成だけどさぁ〜、今すぐじゃなくても少し様子見てからでもいいんじゃないかなぁ。親が近くにいるかもしれないし。」
大「バカヤロウ!今目の前で困ってる人がいるんだぞ!今助けないでどうする!事態が悪化したらどうするんだ!」
ね「お前が行ったら事態が悪化するってんだよコノヤロー。殺すぞ。」
大「・・・・・。」
大「な、何を根拠に事態が悪化するなどとほざくのだ!お前のくだらん制止を振り切ってでも私は行く!待ってろ迷子少女ォォォォォ!!!」
ね「あ、待てブサイク!」
大「そこの可愛らしいお嬢ちゃん。どうして泣いているのかな?もしよかったらお姉さんに教えてくれないかな?」
迷子「ひ、ひっく、マ、ママがね・・・・・!??」
大「ニッカァァァ!!!(渾身の笑顔)サンシャインスマイル」
迷子「イギャャャャャャャャャャャャャャ!!!」
ね「だから言わんこっちゃない。」
大「ね、ねだり!どどどっ、どっ、どうしよう!声をかけただけなのに私の顔を見るなり怯えてさらに泣き出してしまった…。」
ね「とりあえず福ちゃんはちょっと離れてて。あとは私がなんとかするからさ。キラーン」
大「す、すまないねだり。あとは頼んだぞ。」
ね「まかせて。さぁ、迷子少女よ。
キミはいくらで泣き止むんだい?」
大『お金で解決!!!』
ね「あ、あれキミのママじゃない?」
迷子「あ、ママだ!!!ママァァァ!!!」
ね「バイバァーイ!もう迷子になるなよぉ〜。」
大「クソ!!なぜだ!!私が何をしたっていうのだ!金か!!金で子供が泣き止む世の中なのか?教えてくれねだり!!!世の中やっぱり金なのかぁぁぁ!!!」
ね「まぁまぁ、福ちゃんを見て迷子少女が悲鳴を上げたおかげでそれに母親が気付いたんだから結果オーライだよ。
あと気付いてないから言うけどね、迷子少女は金で泣き止んだんじゃなくて、福ちゃんの顔が恐くて泣いたんだよ。」
大「な、なんてこった…。」
ね「パンナコッタい。」
ー回想終了ー
ね「…ってな出来事が朝一番にあってね。福ちゃんの顔面はモザイク処理しないと子供には見せられないですってお話。」
き「金で迷子の気をひくお前の手口も見せられたもんじゃないやろ。」
ね「詐欺師みたいな言い方やめてよぉ。お金で騙すことはあっても、騙してお金をもらうことはしないもん!」
き「いや、おなじやん。」
続く…