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女神様のいない世界なんて終わっている  作者: 平成の魔王キラー
1/1

(5)俺、冒険者になるってよ

どうしてこうなったのだろう…

俺は背中にいる酔いつぶれて寝ているミルを背負い、宿屋へ向かう。俺はめっぽうお酒に強いらしく、彼女を襲うなんて考えないくらい正気を保っている。

デジャヴ?これってデジャヴ?ていうか、俺不審者にしか見えんくね?少女背負って宿屋に行く。これって完全にアウトですねはい。

俺はお世辞にも綺麗とはいえない宿屋に入ると、声を大きくして言った。

「すいませーん。突然ですがとめてくださいませんか?」

すると、出てきたのはとても若そうな店主?だった彼女は俺たちを見るなり歓喜の声をあげた。

「久しぶりのお客さんだ!どうぞどうぞ!客室なら空いてますから!一番いい部屋に泊まるといいよ!ありゃ一人酔いつぶれたみたいだねぇ」

二人一つの部屋だと誤解されるのもなんだから、二つの部屋があるか聞いてみる

「すいません…わがまま言って何ですが、2人別々の部屋で一つの部屋料金にできません?」

「いいよー部屋なら空いてるし」

ありがとうございますと言って俺は鍵を受け取ると、あることに気づいた。

この店主の手があまりにもゴツいのと、何より頭に角が生えてることに。

「お客さん気づいちゃった?あたし鬼なんだよ。それだから、あまり人が寄らんのー」

悲しげにそう言うと、店主はにこっと笑い

「あたしの名はケーナ。なにかあったら呼んでな?そんなに堅苦しくならんくていいよ」

「気をつかわせるようで悪いな…ケーナさん」

「いいってことよ!じゃああの部屋とあそこの部屋な」

鬼だか知らないけど美人だなぁ…と思いながら部屋に入り後ろで爆睡してるミルを寝かせる。外見はよくないが、中は驚くほど綺麗だった。

俺は自分の部屋に向かい、今日あったことを思いかえす。

全部夢だったらなぁ、と考えながら俺は深い眠りに誘われた


~翌日~

「おはようございます。起きてますか?」

ドアの向こう側では俺を呼ぶ声

…夢じゃなかった

「あとちょっと待って…眠い…」

「起きないとケーナさんが作ったご飯が冷めますよ?」

「ヘイヘイ今行きますって」

俺はそのままむかうと、疲れた口調で言った。

「ていうかなんでケーナさんのこと知ってんの?」

「朝早く起きて聞きましたよ。私はどこで寝てるんだってなりましたから」

「悪かったよ。…お前酒飲むのやめた方がいいと思うぞ?」

すると、ミルは照れながら

「わかりました。すいません…」

「二人ともー?飯が冷める早くこーい!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ご馳走様。美味しかったよ」

すると、ケーナは自慢げに

「そりゃあ客の満足させるのがこの宿屋のモットーだからな!」

はにかんだ笑顔素敵です。

そんなことを考えながら、俺はミルに聞く

「今日は何をするんだ?」

「とりあえず冒険者になるため、教会へ行きましょう。そこでいろいろな職業があるので何をベースにして冒険者になるかですね」

「兄ちゃんまだ冒険者じゃなかったのか?職業を決めるときはワクワクするぞ」

「ケーナさんは冒険者だったのか?」

「ああ、昔な。その割には若く見えるだろ?」

そう言ってニコリと笑う。

「じゃあそろそろ行きますか。代金はこれで、また今日もとめてもらうかもしれません」

「おう待ってるよ。無事帰ってこいよ!」

そう言われると、俺はすぐさま

「なんとか頑張ってくるよ。」

といい残し宿を出た。

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