ブラック・ドッグ
俺は「よしだかねよし」。漢字で「吉田兼好」と綴る自分の名前が結構煩わしい。
京都の大学で3回生を迎えたが、鍋底の土地で過ごす夏は常軌を逸して暑い。
図書館の空調は工事中、自宅の扇風機は壊れ、俺はふらりと外へ出た。
古都のはずれの喧騒の中をぼんやりとうろつく俺。
その背後をとことこついてくる小さな黒犬。
突然、少女の声が俺の目を覚ました。
「振り向いちゃダメ!」
その時から、幼い少女を連れた俺の、薄暮の古都の逃避行が始まった。
京都の大学で3回生を迎えたが、鍋底の土地で過ごす夏は常軌を逸して暑い。
図書館の空調は工事中、自宅の扇風機は壊れ、俺はふらりと外へ出た。
古都のはずれの喧騒の中をぼんやりとうろつく俺。
その背後をとことこついてくる小さな黒犬。
突然、少女の声が俺の目を覚ました。
「振り向いちゃダメ!」
その時から、幼い少女を連れた俺の、薄暮の古都の逃避行が始まった。
夏の古都は煉獄
2016/07/29 06:12
黒い小犬と白い夏服の少女
2016/07/29 06:16
夏休みの校庭に日は暮れて
2016/07/29 06:22
夕暮れの古都は迷宮
2016/07/29 06:24
忍び寄る者に振り向いてはならない
2016/07/29 06:25
袋小路を越える
2016/07/29 06:26
墓場の逃走
2016/07/29 06:27
古いアパートの冒険
2016/07/29 06:27
最後の追跡
2016/07/29 06:28
後日談と都市伝説
2016/07/29 06:29