パロネタは歯止めが効かなくなっちゃう諸刃の剣
パロディーオマージュが苦手な方はそっ閉じでお願いします
宿に戻った俺たちはとりあえず受付で3人で泊まることを告げる。
2ベッドルームをもう1つシェアしたいのだが・・・
「申し訳ありません、本日は満室のため用意致しかねます」
あちゃー、どうしよう?
「もしよろしければお部屋にエキストラベッドを入れることなら出来ますが・・・」
まあこの際仕方がない、それで手を打つことにしよう。
さてと・・・とりあえずベッドに腰掛けるとイングルジュが速攻で抱き着いてきた。もちろんささっと避ける。
「あぁん~主様ひどいですぅ~」
「いやいやいきなりタックル仕掛けてくるおまえが悪い」
こんなことをしてる場合じゃない。ダークエロフちゃんを手招きして前の椅子に腰を掛けさせる。
「今からキミの声を取り戻すからね。少し眩しいかもしれないけどいいかい?」
コクンと首を縦に振る。ではラファエルさん、お願いします。
(はいはい~ではぁ~『神の癒し手!』)
今度はそれほど光らない。しかし凝縮した光がダークエロフちゃんの首のあたりを包んでいる。ダークエロフちゃんもイングルジュも驚いて口をぽかーんと開けていた。美女2人が口を開けてる絵はシュールだな。
徐々に光が収束してダークエロフちゃんの体に吸収されてた。
(はい~終了ですよ~リハビリとかもいらないですからすぐにお話し出来ますよ~)
ラファエルさんマジ有能。ありがとー!無能バカ天使不要論だね。
(ミカちゃんは普段はあ~なんだけど、陣頭に立つととっても凛々しいのよ~だから・・・ね?あまり邪険にしないであげてほしいな~)
そうなんですか?うーん想像つかないけどラファエルさんがそう言うのなら・・・
(よろしくね~ではまたね~)
「さてと、ゆっくりでいいから声を出してみようか」
ダークエロフちゃんが恐る恐る口を開いた。
「ぁ・・・ぁぁ・・・ぁああ・・・出る・・・声が出るよぉ・・・わぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
いきなり泣き出すダークエロフちゃん、おろおろする俺、風呂に入りに行くイングルジュ。おまえフリーダムだな。
「ほら、落ち着いて。今のは天使の加護を使って声帯を戻したんだよ、大丈夫?」
「ひっく・・・ひっく・・・主・・・ありがとうございます・・・もう一生声が出ないとあきらめてました・・・」
「そうか、よかったな。俺の名前はユージ。これからよろしく頼むよ」
「私はダークエルフ族長の娘でサリアと言います。この恩義は一生忘れません。これから身も心も主に捧げます・・・」
と言いながら服を脱ごうとする。
「すとーっぷ!ちょ!待って、いきなり何脱いでんだよ!」
はて?なにかおかしいことでもしましたか?という顔で小首をかしげるサリア。
「私は主にすべてを捧げると誓いました。なので主の全てを受け入れるつもりで服を脱いだのですが・・・なにかおかしいでしょうか?」
こんなのやっぱりおかしいよ!
「ほら、こういうのはゆっくりとお互いのことを理解しながらっていうか・・・とにかく今は服を着て!」
「しかし主は性奴隷を求めておられるはずでしたが・・・?」
「いやいや、それはそうだけどさ・・・あーもうめんどくせえ!ゆっくり説明するから今はとにかくダメったらダメ!」
不満顔で服を着るサリア。ふう・・・なんとか助かったか。あとできちんと2人に説明しないとね。
少ししてイングルジュが風呂から出てきた。上半身裸で手ぬぐいを肩に掛けて・・・おまえはおっさんか!ちゃんと服着ろ!せめてバスタオルくらい巻け!
おっぱいをぶるんぶるん震わせながら腰に手をあてて牛乳を一気飲みするイングルジュ。おまえほんとは日本人のおっさんだろ!
ちなみにバスタオルを巻くのは羽に引っかかって痛いから嫌なのだそうだ。明日にでも羽を持つ種族用のバスローブを探しに行こう。
交代でサリアが風呂に入ると今度はイングルジュが絡んでくる。
「主様、肩が凝ってますわね、マッサージさせていただきますわ」
悪い予感しかしないから断るが強引にうつぶせに寝かされてしまった。まああきらめよう。む・・・こいつ結構うまいな。ツボの加減を弁えてる指使いだ。
「当たり前ですわ。サキュバス種は身体のツボは全て心得ておりますの。もちろん性感のツボも・・・ふふっ」
おいやめろ、押すなよ!絶対に押すなよ!某お笑いトリオのフリとかじゃなく絶対に押すなよ!
「もう・・・ご心配なさらずともそんなことしませんわ。しかし主様がお求めになればいつでも・・・」
口を尖らせてイングルジュが言うので信用して身を任せることにした。いや、本当に気持ちいい・・・よすぎて眠くなって・・・きた・・・
うつらうつらしてるとおかしな感触がする。ふにゅふにゅ。なんだ?ふにゅぷにゅん!
「おい!なにしてんだ!当たってるぞ!」
「主様、なにをおっしゃっておられるのですか?当ててるんですよ?」
「テンプレか!」
そうこうしてる内にサリアが出てきた。うん、ちゃんとバスローブを着てるね、偉い偉い。
そして牛乳を取り出し、腰に手をあてて一気飲みする。なにこれ?この世界で流行ってんの?
どっと疲れが出たので風呂に入ることにした。2人を待たせているのでささっと汗を流し早めに風呂を出た。
2人の牛乳を飲む姿を思い出して俺も牛乳を飲む。ぷはーっ!うまいっ!
落ち着いたので2人に計画を話す。商館を買い取って酒場を開くこと。その酒場はこの世界では誰もやっていない珍しいものであること。2人にはそこで働いてもらうこと。オープンは約1か月後になること。そして俺が密かに考えていたことも打ち明ける。
そこで稼いだお金で借金を清算するか、俺が安心だと認めた奴と恋愛をして結婚することになった場合は奴隷から解放すると。
それを聞いたイングルジュは激怒した。
「主様は妾を捨てられるおつもりですか!それなら主様を殺して妾も死にます!」
え?嫌なの?かたやサリアは・・・
「主は私がお嫌いなのですね・・・生きる希望を失いました・・・」
とどこからか出した刃物で喉を刺そうとする。
だああああああああああああああ!もうおまえらめんどくせえええええええええええ!
「わかったわかったって!俺が悪かった!おまえら2人は一生俺の奴隷!それでいいんだろ!?」
さっきまでの絶望しきった顔から正反対の表情になる。うん、もうこれわかんねえな。
このあとめちゃくちゃセックスした。
ウソです。
とりあえず疲れきったので爆睡しました。エキストラベッドの方で。
2人も今日はいろいろあったので疲れたっぽい。特に何事もなく寝付いたみたいだ。
翌朝、あらためて2人のことを聞いて驚く。イングルジュはサキュバス種の王女だという。すげえな。サリアは昨日聞いた通りダークエルフ族長の娘だしもうこれ権力いらなくね?
と思ったけどこの2人が奴隷だったことを考えれば人族にはあまり強い影響は為されてないようだ。
「妾はまだ自身の性欲を抑えきれなかった半端者故・・・」
とはイングルジュの独白。それでも魔力はサキュバス種の中でも桁外れだったらしい。そりゃ100人以上も干乾びるわ。
サリアの部族はダークエルフの中でも大きな部族で発言力も大きかったのだが他の部族に対して傲慢だったらしい。エルフとの戦いで見捨てられ、エルフを援護した帝国軍に壊滅させられたとのこと。
そして声が出ないことで絶望していた理由もわかった。ダークエルフは呪歌で精霊を惑わせ使役し魔法を使うらしい。歌えないダークエルフなど人間以下の戦闘力で蹂躙されるしかないのだと。ああ、そりゃ絶望しますわ。
「人を呪ってみましたが最早行く当ても無く・・・主に捨てられたら自ら命を絶ちます」
とはサリアの言。これって脅迫じゃん・・・
そして一番の問題は・・・
右からぷにょん、左からぷるんっ。
ねえ君たち、どうして俺を胸で挟む。まあ俺も男だしおっぱい好きだけどさあ。正直たまりません。
コンコン。扉がノックされる。
「ユージさんおはようございます!」
やばい、トーリだ。こんなとこ見られたらまた黒トーリになる!
「おまえらちょっと離『入りますねー!』れろ・・・って・・・へっ?」
部屋の前でわなわなと震えるトーリ、片や豊満な美女2人におっぱいを押し付けられてる俺。おい、イングルジュ、どさくさに紛れて耳舐めるな。
「ユージさん・・・これってどういうことかな?かな?」
OKわかった、とりあえず落ち着こう。トーリさん、鉈はやめてね?
「おかしいよね?どう考えてもおかしいよね?そのダークエルフはまだ理解出来るよ。奴隷刻印を更新するって言ってたからさ。まあ殺すけど。でもその魔族はなんなの?なんでここにいるの?おっぱいなの?あんなの脂肪の塊だよね?僕のおっぱいじゃダメなの?僕のこと好きなんだよね?どうして僕を苦しめるの?もうゴールしちゃってもいいよね?」
あのさ・・・ほんと落ち着こうね、トーリくん。2人も警戒しちゃうしさ。
イングルジュとサリアは先ほどまでのとろーんとした目から臨戦態勢に入っている。やめてよ刃傷沙汰なんて!
「主、おさがりください。この小娘を排除いたします」
「あら僕ちゃん~嫉妬?ママのおっぱいでも飲んでりゃいいのよ、おこちゃまはね」
おまえら挑発するな。でもイングルジュのやつ流石だな。初見でトーリを男と見破るとはね。淫魔の王女は伊達じゃなかった。
にたあ~と笑ってドス黒いオーラを纏ったままトーリが低い姿勢でイングルジュの懐に入り込む、速い!
驚いたイングルジュが回避行動に入り、トーリが突き出した拳をスウェーバックで躱そうとするが・・・あれは抜き手!
「む!あれは!」
「知ってるのか!?雷電!」
うん、これ言ってみたかったんだ、とりあえず異世界に来た目的の1つは達成された。
「あれは撲針愚と言って大陸東部発祥の格闘技です。迫害されたハーフエルフ族が編み出し、エルフに対抗したと言われてます」
民○書房かよ!あとボクシングで抜き手やったら反則だからね。そもそもグローブから手なんて出ないし。
ボケてる間にトーリは小刻みなジャブと華麗なフットワークでイングルジュを追い込んでいく。相当強いぞ、トーリ。あれ?あのおっさん3人に囲まれてた時、俺って必要なかったんじゃね?
「舐めてんじゃないわよ!ガキ!」
ついにキレたイングルジュが手に魔力を集める。ああ、あれあかんやつや。ここ一帯吹っ飛ぶわ。はぁ・・・めんどくさい。俺が・・・
って俺、今まで魔法使ったことないよ?収束呪文なんてそもそもあるの?やべっ、マジ死ぬ。『残念!雄二の冒険はここで終わってしまった!』になっちゃうの!?助けて~アカえもん~!
(主の左から魔力を吸収出来ます。吸収と念じてください)
さすが困ったときのアカえもんだ。
目を瞑って意識を集中する。バッ!と左手を前に突き出す!間抜けな擬音がした気がする!ぷにゅん。
「やん♪もう主ったら・・・こんな朝っぱらからいけませんよ。めっ!」
サリアの胸を揉んでいた。やったーらっきーすけべだー。現実逃避する俺。そしてギギギと首をこちらに向けるトーリ。
「その手がいけないんだね・・・ユージさん、大丈夫、痛くしないから・・・ね?ちょっと赤い雨が降っちゃうかもしれないけど・・・ふふ・・・
いいよね?ユージさんも幻術って誤魔化したけどあのむさ苦しい醜いおっさんの腕をもいで血祭りあげちゃったんだからさ・・・」
ああ、やっぱり俺終了のお知らせだったか・・・悠理さん、あの世にいったらおもしろい話がいっぱいあるよ・・・
「このガキ!主様になにを・・・!やらせはせん!やらせはせんぞっ!」
ああ、この野郎!野郎じゃないけど。俺がいずれ言いたかったセリフを取りやがったな!このクソ魔族!
イングルジュが急速に膨れ上がった魔力をトーリに向かって放つ。意識を俺に向けていたトーリは反応しきれず魔力の直撃を・・・
まあ受けないんだけどね。だって、俺の左手はサリアの胸から離れて魔力の塊に向けられてたんだからさ。黒い塊がたちまち俺の左手に収まっていく。それを握りつぶす俺。そして拳をトーリとイングルジュに落とす。
ゴンッ!ゴンッ!
鈍い音が2回部屋に響いた。
「「~~~~~~~~っ!!」」
ピロリン♪
絶対魔力吸収を会得しました
雷親父の拳骨を会得しました
うん、なんかまたおかしなスキルがついたみたいだ。
「ねえねえ、これってどんな状況なわけ?」
朝食を取りながら、この場の状況につっこみを入れられずにおれなかったスーザンが聞いてきた。
朝食を取る俺とスーザン。俺の背後に立っているサリア。そしてテーブルの横で涙目で正座をしているトーリとイングルジュ。カオスだね。
昨日のことから今朝のことまで掻い摘んで説明する。溜息をつくスーザン。昨日の一件から見てみるに案外スーザンが一番の常識人かも。
ところでずっと俺の後ろで立ってるサリアなんだけど、席を勧めたところこの国のしきたりで人目に付くところでは奴隷としての分を弁えないといけないと拒否された。
よくラノベで無理やり座らせて一緒に食事する描写があるんだけど、あれは俺もおかしいと感じていた。郷に入りては郷に従えである。勝手に自由国家だった日本の価値観を押し付けるのは間違ってると思う。
もちろん身内だけのときは一緒に座って、一緒に食事して、一緒に笑ったり泣いたりしたいけど、その世界の分別を弁えないとね。あくまで俺は異質な存在なんだし。
さてと、今日から1か月。キャバクラオープンまで忙しくなるぞ!まずは5人で相談しよう!
ああ、2人とももう正座はいいからね。
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神界side....
「意外と雄二くんってSなのね」
「あいつはずっと前からあんな感じだぞ」
「ウリもSだしあんたの影響じゃないの?」
「そんなことはないっ!・・・と信じたい」
「みなさ~ん~お茶が入りましたよ~」
「わーい!ホットケーキもあるよね?あるよね?」
「ミカエル!それ俺の分だろ!ふざけんなっ!」
「頼むからおまえら仕事してくれ・・・」
神界side out....
今日から仕事が忙しくなるので更新速度が落ちる予定です。