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森の仲間たち

森の仲間 きつね坊

作者: くものみね

ふんわり尻尾がゆれている。


ぼくの友だちの話、聞いてみる?



〟こんこん〝



森の仲間、きつね坊のお話。



きつね坊は少し、毛色が変わっているかもしれない。


坊は音楽を聴くのが大好きで、いつも耳には大きめのキノコ型イヤホンをはめている。ご機嫌そうにフンフン鼻唄を歌いながら、ユラユラ体を揺らしている。ハッピーなきつねさんなんだよ。


頭には木の葉を乗せて、たまに人間にも化ける。しかも化けるのは枯れたようなくたびれた中年男性。これまた上手。ほんとに人間様そっくりで、そんな姿で街のカフェなんかに行くもんだから、よく熊先生に叱られてる。叱られても坊が「珈琲が飲みたいんですもん」なんてけろっと答えるもんだから、熊先生はもっと怒る。坊は人間被れで珈琲が大好物。坊を見てると羨ましくもなったりするけど、マイペースなのも考えものだなって思ったりもする。


言い忘れた。坊が好んでいるものに、もう一つ。

それは空を眺めること。青空も、夜空も、朝焼けも夕焼けも、雨も、雪も。

坊は暇があればいつも空を見上げている。イヤホンを耳に、目を細めながら空を眺めて満足そうに、しあわせそうに笑う。あまりに素敵に笑うものだから、それを見てる森の仲間たちも笑う。いつもはうまく笑えないぼくだって、思わず笑ってる。

きつね坊は、不思議な子。不思議な、素敵な子。



坊と友だちになって何年だろう。どれくらい経つのかな。坊は変わらない。今も昔も、好きなことをして、好きなものを見て、笑った姿でみんなを笑顔にしてる。

ぼくたちの、大切な仲間。



〟こんこん〝



ぼくの友だち、きつね坊。きみにも……。会わせてあげたいな。




さて、次は誰の話をしようか。聞いてくれるかな?

あぁ、でも忘れてたや。ぼく、きつね坊にお茶に誘われてるんだった。



じゃ、また今度ね。土産話、楽しみにしててよ。













きつつき少年の、足音ひとつ。

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― 新着の感想 ―
[一言] これの話の続きはないのですか?
[一言] 俺も狐坊のように自由気ままに生きたいです。
[良い点] ほのぼのしてていいですね! [一言] 活動報告を見て読みました! これが私の10個目のお気に入り小説です(≧∇≦*) 全て連載中なので読むの大変ですがww
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