-物語7-かがりクラッシュ
この物語は主人公の非日常を淡々と描いた物語です。過度な期待はしないで下さい。
「突然だけどバームクーヘンが食べたいわ」
「本当に突然だな!」
あれ、まだ始まったばっかりだよな?
なんで一行目にバームクーヘンの話が出てくるんだ。
「バームクーヘンは私の全てよ」
「小さいなお前の全ては!」
「バームクーヘンを馬鹿にしては駄目よ」
「馬鹿にしてないからバールをしまえ!」
どっからだしたんだよバールなんて。百歩譲って千枚通しはいいとして、バールは何処からだした?!
「バームクーヘンは最高よ」
「は、はぁ」
「あの丸くて中心に穴があいてるとこ」
「・・・はぁ」
「色んな種類があるところ」
「はぁ・・・ん?」
バームクーヘンってそんなに種類あるのか?
「その中でも一番はゴールデンチョコかしら、ポンデリングも捨てがたいわ」
「お前それはドーナツだよ!!!」
「美味しければいいのよ」
「お前さっきバームクーヘンは自分の全てって言ってたよな?!」
「そんな昔の話覚えてないわ」
「今さっきの話だよ! お前の記憶力は鳥同等か!」
「・・・」
・・・カチャ
「わかったから無言でカッターだすな! 声だしたらいいって訳じゃないけど」
本当にこいつは何処から武器をだしてるんだ?
てか、なんでそんなもん持ってるんだよ。
「で? 食べたいならミスド行くか?」
「開いてないじゃない」
「じゃあ諦めろ」
「我慢は体に良くないわ」
「でも開いてないんだろ」
「・・・」
カチャ
「僕にどうしろっていうんだよ!!」
「・・・まあいいわバームクーヘンはまた今度にしましょう」
「ドーナツな」
これはボケてるんだよな? バームクーヘンとドーナツを間違えるわけないもんな。
タッ、タッ、タッタッタッタタタタタ
ん? この足音は・・・ヤバイな。
「如月・・・」
「わかってるわ」
「いち、にい、のっ、さん!」
今の合図で僕と如月は素早く左右にジャンプした。
その瞬間、さっきまで僕達のいた場所に衝撃波が通った。
衝撃波って言うか、ものすごいスピードで何かが通った。
まあ、僕達はその正体を知ってるんだけどな。
「お二人とも今のを避けるとは成長しやがりましたね」
「お前のお陰でな、篝」
「では人勝負・・・」
「しねぇよ!」
「わかってますよ、冗談ですよ冗談」
・・・ニコッ!
うん、いい笑顔だ。
こいつの名前は篝、星宮篝。
僕達と同じ隠璽目中学二年一組。
身長は僕より少し高く、髪形は首の少し下まで伸びていて、スポーツ少女と言ったかんじだ。
もちろん髪色は黒、紅神みたいにあんなハデな紅色ではなく。
てか、あの色が地毛なんてすごいね。
色んな意味で。
篝、体型は筋肉質であるがスレンダーで、まあまあ可愛いほうであると思う。
性格は少し、というか結構攻撃的であるが裏表がなく、感情が顔にでるタイプの明るい性格だ。
クラスでは誰とも対等に接していて。
まあ、一言でいうと凄く良いやつ!
勉強はあまり出来ないが、スポーツは何でも得意だという。
まあ、よく物語に出てくるスポーツ少女だ。
「篝さん、よく奪われなかったわね」
そうだ! これで奪われてない人が一人増えた。
しかもまた訳ありの人物が。
「ああ、あれは驚きましたよ! 何たって朝のマラソンで外を走っていたら人が一人もいなくて、焦りましたよ。 世界を我が物にしたのかと思いましたよ。 はっきり言って軽いイジメですよね」
こいつ僕と同じ事考えてたのかよ。
「わかってると思うけれど、今回も前みたいな状況よ」
「やっぱりですか? 走ってる時私も思っていましたよ」
過去形かよ
いや、こいつ馬鹿なのか。
「二人ともどこに向かってんですか?」
「神社だよ神社」
「やはりそうでしたか。 私も行こうと思っていたんですよ、御上神社!」
「そうか、なら一人で行ってこい滋賀県まで! 僕達が行くのは御神神社だよ!!」
御上神社とは滋賀県にある神社で、僕達が向かってるのは御神神社だ。
「そっちでしたか。 なら早く言って下さいよ」
「ここら辺で神社って言ったらそこしかないだろうが!」
「そうか? 私にとってのこの辺は日本列島の半分くらいですけど?」
お前は化け物か。
「貴方の物差しで測らないで貰えるかしら。 ちなみに私にとってのこの辺は銀河系くらいよ」
「そいつは壮大だな?! なんだ? おまえは宇宙人なのか?!」
お前は神か何かなのか。
「馬鹿にしてるのかしら」
「馬鹿にしてないよ、馬鹿だと思ってるけど」
「そう・・・殺るわよ」
「わかったから鋏をしまえ!」
「今のどうやってだしたんですか?!」
そう、如月の武器の出し方は凄くて、まったくどのように出したのか分からない。篝が驚くのも分かる。
「篝・・・諦めろ」
「・・・わかりました」
「そろそろ見えてきたわよ」
「あっ! 本当ですね」
「ああ、やっとか」
まったく、凄く時間がかかったな。
まあいいか、一日はまだ始まったばっかりだし。
はぁ、登るの大変そうだな。
いい運動になりそうだよ。
まったく。
最後まで読んでくださった方ありがとうございました。
クラッシュとは激突という意味です。