-物語6-きさらぎチャット
この物語は主人公の非日常を淡々と描いた物語です。過度な期待はしないで下さい。
雑談開始からはや20分っていったとこだろ。
僕は喉が乾いたので自販機で水を買った、が、中身が無かった。
なに? 新手のイジメですか?
イジメにしては手が込んでるね、僕がどの自販機で何を買うか分かるなんてね。
なんなの? エスパーですか?
僕の百二十円を返して下さい。
中学生にしては大金なんだよ!?
なんて考えてたら如月が何かしている。
後ろからじゃ何をやってるか分からないなあ。
・・・カチャッ!
ん? 何か変な音したような。
あれ? なんで自販機が開いてるの?
うん、如月? 君の仕業だよね、何をしているのかな?
「てか、どうやって自販機開けたんだよ!」
「どうやってって、スペアキーだけど?」
「いや、そんな僕の質問がおかしいみたいな顔しないでもらえます? 当たり前じゃないからね! 普通中学生が自販機のスペアキーなんて持ってないよ?! てか、大人ですら普通は自販機のスペアキーなんて持ってないからね!?」
「まあ、そうでしょうね。 どれを飲む?」
うん、僕の質問は無視ですか。
「てか、勝手に飲んでいいのかよ?」
なんて言いながら水を選ぶ僕。
「いいわ、私が許してあげる」
「いいわけないだろ?! なんだ、お前が許したら飲んでもいいのか!?」
「えっ? そうだけど」
「そんなわけないだろ! なんなの? 絶対王制?」
「少し五月蝿いわ」
「誰のせいだ誰の!」
「・・・紅神さん?」
「お前だよ!! なんでそこで紅神が出て来るんだよ!?」
「渚君、最近怒りっぽいわね、牛乳のむ?」
「いや、怒ってんじゃないよ、ツッコミいれてんだよ! あと別にカルシウム不足だから怒りっぽいんじゃないぞ」
かるい豆知識、カルシウム不足と怒りっぽいのはなんの関係もありません。
確か、日本の不景気の年に日本人のカルシウム不足が重なったから勘違いされてるんだっけ。
まあ、テレビでやってたんだけどね。
もし違くても僕のせいにしないでね? テレビのせいにしてね?
そんなわけで水を飲もうとしたんだけど
「・・・入ってない」
「こっちも入ってないわ」
なんなの? 神様は僕のこと嫌いなの?
「当たり前でしょ」
「なんでお前に言われなきゃいけないんだよ! てか、お前のほうも入ってないんだからお前も嫌われてるんだよ?」
「SNBがうつったわ」
「なんだよSNBって?」
「S・新、N・渚、B・病」
「勝手に新しい病気をつくるな! それと、新って・・・新渚病の前があったのか?」
「強渚病があったわ。 それと、SNBって言って欲しいわ」
「言わねぇよ、今此処でSNBを封印する!」
「やったら殺るわよ」
「わかったから千枚通しをしまえ!」
なんで千枚通しなんて持ってるんだよ。
お前は通り魔かっ!
「・・・残念ね」
うん、お前が通り魔でもなんの疑問も無いよ。
もしこの町に通り魔が出たといったら僕は迷わずお前を疑うよ。
「でもなんで一つも中身が入ってないんだ?」
「まあいいじゃない、そんな事」
・・・ん? いいの?! 結構大事な事だよ!
「はぁ、お前って結構抜けてるところあるよな」
「それは嫌味かしら?」
「わかったからピックをしまえ!」
何なんだこいつ? お前は何処ぞの猫型ロボだよ。
こんなのが机の棚から出てきたらそこの家の少年は将来殺人鬼になるな。
「ねえ、まだ神社には着かないのかしら?」
「あと少しだと思うぞ」
まったく、神社までの道程がこんな長く感じるのは初めてだな。
それでもかれこれ五十分、あと二十分で着くだろ。
はぁ、時間が長く感じる一日だなぁ。
まあ、楽しいからいいとするか。
空は青いな。
なんてね。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。アイデアや意見があれば教えてくだると有難いです。