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主人公のいない世界で  作者: 名無し猫
背景二人?と日常の雑談
3/32

-物語3-やよいディプライヴ

この物語は主人公の非日常を淡々と描いた物語です。過度な期待はしないでください。

その後三十分程度歩いたが何も見つからなかった。

しかし人がまったくいない。

人がいないどころか、バスもタクシーも、それどころか車が走ってない。


コンビニも閉まっているし、まったく。


僕の家も如月の家も訳あって親がいない。

だから確かめようにもわからない。


だから紅神の家に行こうと思い、如月と雑談しながら紅神の家にむかっているところだ。

紅神には妹も親もいるからな。


で、この現象について如月と話した結果。

僕と如月の予想はこの辺の人々が『奪われた』ということだ。


なんでこんな非常時に雑談なんかしているかって?

そんなのは簡単だ。


僕も如月もこれと似た事を前に経験したからな。


まあ、そんな事があったから如月と友達になれたんだけどな。


たが、今度のは前より酷いかもしれない。


前は一人が対象となっていたけど、予想が正しいなら今度のは、最低この辺の人々が奪われたのかもしれない。

酷ければこの町の人々が奪われたのかもしれない。


いや、もしかしたら国の人々、もっといくと全世界の人々が奪われたのかもしれない。


そう酷い事になってないように願う。

てかなっていたら困る。


「ねえ渚君、もし明日が命日だとしたら何がしたい?」


言ったと思うが、今は雑談中である。

明日が命日か……そうだなあ…


「美味しい物を沢山食べて、出来なかった事をして、楽しくすごしたいな」


「……それだけ?」


「それだけだけど、なんでだ?」


「その……渚君の事だから……」


なんだ? いつもみたいに僕を(さげす)まないのか。

珍しい事もあるもんだな。


「なんで親に会いたいと思わないの、か?」


「ええ、なんで思わないの?」


「別に会いたいと思わないわけじゃないけど、毎月お金も払ってくれるし、生活に不自由じゃないし。特別会いたいとも思わない」


「……そう、ごめんなさいね、余計なこと聞いてしまって」


謝られてしまった…如月は全然悪くないのに


「まあ、一番の理由は場所がわからないからなんだよなあ」


笑って誤魔化す僕。

誤魔化すというか、本当に場所がわからないのだけれど。

如月には言って無いが、親が生きているかもわからない。

金は自分で稼いでいる、わりと給料がよくて助かる。

だが、僕はまだ中学生だ。 だから僕がしているバイトは知られてはいけない。


「お前はどうなんだ?明日が命日だとしたら何がしたい」


「そうね……渚君と同じかしら」


そう言って少し笑う如月。

珍しいな、まだぎこちないとはいえ如月が笑うなんて。


いや、笑ってるように見えたのか、如月が笑うなんてありえない。


なんせ、如月は前に『表情』を『奪われた』のだから。

一年前のあの、僕と如月を出会わせた、最悪であって、最高であり。 絶望であって、希望をもたらしたあの出来事。


「ねえ、紅神さんは奪われてないのかしら」


「それは大丈夫だ、紅神には今朝会ったからな」


なんせ主人公だ、ありえない。


「そういえばそうだったわね、猫に馬鹿にされたのだものね渚君」


「馬鹿にはされてねぇよ! ……多分…」


そんな事を雑談しながら三十分、紅神の家に到着した。


インターホンを押す


ピンポーン


はぁ、大変な一日になりそうだ。


まあ、僕にはなんの関係もないのだけれど……なんて言えなくたってきたなあ。


それどころか僕と如月には関係がおおありだ。


ああ巫琴、お前は今どこにいるんだ


お前も奪われたのか


そうなっていない事を強く願うよ








最後までみてくれた方ありがとうございました。

意見やアイデアがあれば教えてくださると有難いです。


ディプライヴとは奪われたという意味です。

やよい、は三月という意味です。



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