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起動したてのアンドロイド  作者: 葉藻阪 松園
第一章:家族になったアンドロイド
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連治はヒーローの如く救出に向かう

夜釣りから朝一で家に帰って来るとすでに朝食の準備ができていた。


「連ちゃん釣りに行ってたの?」


「ああ」


「今日は休みをとって久美ちゃんとデートすることにするわ」


休み?突然大丈夫なのか?




「仕事大丈夫なのか?」


「プロジェクトが一段落して暇になったからね。

それに、昨日連ちゃん私を仲間はずれにして、久美ちゃんと二人っきりで出かけたし」


ああ、それで…。

そんな理由で休むなよ…。


「今日の久美ちゃんは私のものだよ」


姉はそう言ってと久美に頬ずりしながら忠告してきた。




その後、朝食を3人で食べ、まずはバーゲンよと言う姉に久美が手を引っ張られて行ったのだが、姉に当たらないように器用に車いすを動かしついているのに関心した。


食事中に新聞に載っていた映画の広告を久美が興味ありげに眺めていたのを思い出し、明日そのロボット映画を誘ってみることにする。




とりあえずオールナイトの釣りは疲れた…。

ということで、バイトの前に仮眠をとることにして、目覚ましをセットした後ベットへ飛び込んだ。




「人生山あり谷ありさ」


7番テーブルに料理を運んで帰って来ると、自称かわいい娘の味方な海斗先輩にポンと肩に手を置かれ、囁かれる。


この人は…。


他のバイト仲間は、みんな目を合わそうとしないし…。


絶対、振られたのも分かってるな…。


少し居心地悪い…。




そんなことを感じながら、概ねいつも通り時が過ぎて行く。




バイトが終わり遅くなって家に帰ってくると、すでに二人は夕食を食べ終わっていたようで、自分の分だけ残っているのに気づいた。


少し遅くなった夕食をさみしく一人で食べていると、姉が部屋から出てきた。




「久美ちゃんまだ帰ってきてないの?」


えっ?いないの?


「知らないよ」




姉はうーんと唸って、心配そうに言葉を続けた。


「大丈夫かしら。

すぐに帰ってくるって、言ってたんだけど。

そういえば、今日、変なこと言ってたわね。夜光虫は、好きかとか。

連ちゃん、心当たりある?」


夜光虫??


もしかして一人で見に行ったのか?


何のために??


あそこは一人ではかなり危険だぞ…。




そう考えて、たんすとひっかきまわした後、懐中電灯がなくなっていることを見つけた。


俺を振ったことに後悔をしているのかも…。


かなり周りを気にするタイプのようだし…。


もっと久美の気持を考えてフォローすべきだった。


後悔しながら、ちょっと出かけてくると姉に告げ、そのまま海へ向かう電車に乗るべく、駈け出した。





告白すべきではなかったのかもしれない…。


最終の電車に何とか間に合い電車に揺られていると、そんな考えが押し寄せてきて、自分勝手な自分にいら立ちを感じていた。








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