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起動したてのアンドロイド  作者: 葉藻阪 松園
第一章:家族になったアンドロイド
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連治は大物を取り逃がす

告白に失敗した後二人で帰ってきたのだが、電車の中で明るく振舞おうといろいろ話を変えて話しかけてみたものの、ほとんど話がはずまず最後は気まずい沈黙が支配してしまっていた。


振られた場合も二人で電車で帰ってこなければいけないのを完全に忘れていた…。


半日前の自分に文句を言ってやりたい。


何か久美が興味を持つような話題を探したが、さすがに今の状態で長時間話し続けるのは無理だった。





家にようやく着いた時、今日は変なこと言ってごめんなと久美に謝る。


「二人でどこに行ってたのよ、私は仲間外れなのね」


と嘆く姉に唯の散歩だよと誤魔化し、お休みと最後に声をかけて久美の部屋の前で別れた。




風呂に入った後布団の中で目を閉じてもなかなか眠れなかった。


とりあえず心を落ち着かせるために夜釣りに行くことにする。


もう一度服に着替え、釣道具の準備を開始した。


釣道具を担ぎ、電車はもう終わっているので少し錆びた自転車にまたがり、よしと気合を入れ直してペダルをこぎ出した。





深夜にもかかわらずちらほらと夜釣りをしている人を横目に見て、さすがに人が少ないために堤防の先端に陣取ることができた。


今日は失敗したなー。これからどうしようかな。


これからの久美との関係ことを考えていたが、大物が釣れるらしい夜釣りをとりあえず楽しむことにする。


何匹か大物を釣ったもののクーラーボックスを持ってくるのを忘れたことに気づく。


さすがに生臭い魚を素手で持って帰るのは気が引けたため、逃がすことにした。





しばらく釣りと潮風を楽しんでいるといつの間にか心に余裕ができてきた。


久美のことを冷静に考えれるようになってきたのが自分でもわかる。


おそらく気に病んでいるだろうな。久美。

フォローしていかないとな。


とりあえず、あのぎくしゃくした空気を少しでも変える方法が何かないかな。

と考えていく。




考えてもあまりいい考えは思い浮かばなかったが、バイトの休憩中に自称愛の指揮者の海斗先輩がチャーハンの得意な学先輩に彼女に浮気がばれたときの仲直りする秘訣とやらを語っていたのを思い出す。


自称愛のシンフォニストによると、浮気がばれたら言い訳すると相手もその時のことを思い出して余計気まずくなるから、どれだけ愛してるかを伝えて、相手を楽しませることに集中するんだとのことだった。




別に浮気がばれたわけではないが、というかそもそも、付き合うのも断られたわけだが…。


確かにこっちが意識しるぎると久美に負担がかかりそうだな。


と考え、とりあえず今まで通りできるだけ楽しいことを考えて過ごしてみて、ゆっくりと関係を戻していこうという当たり障りなない結論に達する。





そこで考えるのをやめ、もう一度、いつも通りの夜釣りを楽しむことにした。





いつの間にか夜が明けかけていたので、朝ご飯の時間に間に合うように帰ることにして釣り道具を片づける。


朝日を見ていると映画の主人公みたいに大声で叫びたくなったが、隣の釣り人に迷惑かなと思いとどまり、最後に一度深呼吸してその場を去ることにした。







2011年 08月 06日



【お知らせ】

プロローグの1話と2話は取り換えた方が読みやすいのではと思い、順番を取り替えました。

ミスではありません。

ご迷惑おかけします。

内容に変化はないので、ご安心ください。


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