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起動したてのアンドロイド  作者: 葉藻阪 松園
第一章:家族になったアンドロイド
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連治は熱い夜を過ごす

夕食後突然姉が押し掛けてきて、ひとしきり何のアイスがおいしいかを話した後、突然話題を変えてきた。


「久美ちゃんさっきご飯食べてる時少し変だったよねー。

連ちゃん、今日何かあった?」


変?


姉にそう言われればそうかもしれないと思い、今日あったことを思い出して、姉に今日あったことを話していく。




買い物したことや三条四郎さんに会ったことや料理作るのをを見ていたこと…。


三条さんの名前が出た時に、三条君やっぱりロリコンなのかしらと呟いて、目が据わって怪しく光っていたが、三条さんに心の中でごめんなさいと言って話を続けた。




最後にやっぱり凛音とは違うなと再認識したよといった瞬間、姉がじっとこっちを見てきた。


「連ちゃんそれ本人に行ったの?」


ああと答えると、はーと大きなため息をつかれた。




「連ちゃん。

女の子の前で、他の女の子と比較しちゃいけません」


比較…。


そう言われて初めて確かに失敗したなと気付いたが、そんなつもりじゃないと言い訳すると、そんなつもりじゃなくてもそう思うものだと正論を言われた。




「連ちゃんは、彼女に昔の彼女の話とするの?」


そう言われ、返答に詰まると、さらに追い打ちをかけてきた。


「あっ、ごめんなさい。連ちゃん彼女いなかったよね」


さらに返答に困ると、全くフォローになっていない解決策を示してきた。


「大丈夫、連ちゃんにはお姉ちゃんがいるから」


全然大丈夫じゃない!!




とりあえず何をすればいいだろうか?

まずは謝るべきかな?


そう考えて椅子から立ち上がる。


「今更比較していないって言っても説得力がないわよ」


そう姉に言われ、確かにそうかなと思って再び座り直す。


「どうすればいいと思う?」




そう姉に尋ねると、本当にうまくいくのかと思われる方法を提示してきた。


「ギュッと抱きしめたてあげる?。

あと、久美ちゃん大好きっていいまくればいいよ。

絶対喜んでくれるわ。うん。完璧ね」


完璧?

穴だらけというより穴しかない解決方法だろ?




「他にない?」


そう言って別の方法を尋ねると、代わりに私がやってあげるわと意味不明なことを言って部屋を飛び出していった。





馬鹿姉が隣の部屋に入っていく音と同時に、久美ちゃん大好きと叫ぶ姉の声が聞こえ、とりあえず久美を助けてから考えようと部屋をでる。


久美の部屋をノックし許可が出たので入ると、頬ずりをしている姉が目に入った。




何かいい方法はないかと考え、夕食時の姉の言葉を思い出す。


「仕事がまだ残っているって言ってなかったか?」


「そういえばそうだわ」


と姉は嘆いた後、この続きはまたあとでねと久美によからぬことを言い放ち、心惜し気に部屋を出た行った。


何の続きだよ…。




姉が出ていき、急に静かになった部屋で何を話そうかと考えたが、なにも思いつかなかった。


「こっちの暮らしにもう慣れた?」


自分でも何質問してるんだと思ったが、それしか出てこなかったのだからしょうがない。


当然のごとく、久美がはいと答えるだけで話は続かなかった。


ただ、いつも目を合わそうとしない久美がなぜか強引に視線を合わせてくるのに戸惑った。


しかも、ぶつぶつ何かを呟いているし…。

よく聞き取れないけど…。




その後もどうでもいい話に終始する。


何のために来たんだよと自分で自分に突っ込みながら、やはり不自然に視線を合わせてくる久美に違和感を感じていた。


しかし、原因も対処方法も分からずだらだらしゃべっていると、女の子に見つめられるのに慣れていないこともあって、いつの間にか1時間近く時間が過ぎてしまっていた。




確かに姉の言うようにいつもと少し違うようではある。

だけど、悪い方向ではない気がする。


そう判断して、とりあえず今日は話を終えることにした。


「じゃあ、お休み」


そう言って部屋を出て行くときに、久美の顔にかすかに浮かんだ笑顔が初めて見せてくれた心からの笑顔ではないかと感じ、自分でも顔が赤くなっているのが分かるくらい動揺して久美の部屋を出て行った。


その後久美の笑顔が頭から一時も離れず、熱帯夜だったこともあり、一睡も出来ずにいつの間にか朝になっていた。



2011年 07月 31日―投稿

2011年 08月 04日―改定―迷惑かけます

2011年 08月 07日―改定―迷惑かけます

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