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魔力ゼロって言われたけど、無限に溜まってたのでダンジョンから国を作ります  作者: 蒼野湊


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第60話 王にならない宣言

 その提案は、

 非公式という形で持ち込まれた。


 書類も、儀礼もない。


 ただ、

 「選択肢」として。


王都からの打診


 応接区画。

 通界側は、いつもと変わらない簡素な席。


 王都の使者が、言葉を選びながら切り出す。


 「通界を」

 「国家として、正式に承認する案が出ています」


 誰も、驚かなかった。


 ここまで来れば、

 当然の流れだ。


 「条件は?」


 リクスが、淡々と聞く。


 「形式的なものです」

 「国号」

 「条約」

 「代表者……」


 そこで、

 一拍置かれる。


 「王位、もしくはそれに準ずる地位」


沈黙


 通界側の席に、

 静かな間が落ちた。


 フレイも、

 アクアも、

 口を挟まない。


 リディアだけが、

 わずかに目を伏せていた。


 この提案が、

 どれほど“普通”で、

 どれほど“危険”かを知っている。


即答


 「ならない」


 リクスの返事は、

 短かった。


 使者が、思わず聞き返す。


 「……ご冗談では?」


 「本気だよ」


 声色は、変わらない。


理由の説明


 「国になると」


 リクスは、指を一本立てる。


 「命令が必要になる」


 二本目。


 「徴税が必要になる」


 三本目。


 「徴兵が必要になる」


 使者が、言葉を失う。


 「それが、国家です」


 「知ってる」


 リクスは、頷いた。


 「だから、ならない」


核心


 「それを始めた瞬間」


 リクスは、ゆっくり続ける。


 「通界は」

 「通界じゃなくなる」


 誰も、否定できなかった。


 今までのすべてが、

 その一言に集約されている。


王都側の困惑


 「ですが……」


 使者が、必死に食い下がる。


 「国家として承認されれば」

 「安全も」

 「保証も」

 「立場も得られる」


 「要らない」


 即答だった。


 「今も、選べてる」


リディアの補足


 「……王都視点で言えば」


 リディアが、静かに口を開く。


 「通界は」

 「管理できないから、怖いのです」


 使者が、視線を向ける。


 「ですが」

 「管理できないまま」

 「依存している事実は、変わりません」


 それは、

 王都自身への宣告だった。


最後の確認


 使者は、深く息を吐いた。


 「つまり」


 「通界は」

 「王にならず」

 「国にもならず」

 「それでも、この立場を保つと?」


 「うん」


 リクスは、笑った。


 「その方が」

 「みんな、自由でしょ」


小さなドーン(最大)


 この日。


 通界は、

 王になる権利を、自ら捨てた。


 だが同時に。


 世界は、理解した。


 王にならないからこそ、

 誰も逆らえないのだと。


 命令しない。

 縛らない。

 支配しない。


 それでも。


 選ばれ続ける場所が、

 最も強い。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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