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魔力ゼロって言われたけど、無限に溜まってたのでダンジョンから国を作ります  作者: 蒼野湊


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第53話 世界を固める素材

 三層目への階段は、二層目とは明らかに違っていた。


 岩ではない。

 鉱石でもない。


 磨かれたように硬い床。


「……音が違う」


 フレイが一歩踏み出す。


 靴底が触れた瞬間、

 乾いた金属音が響いた。


「三層目は……」


 アクアが静かに呟く。


「最初から“使われる前提”の場所ですね」


視界が開ける


 通路を抜けた瞬間。


 全員が、言葉を失った。


「……」


 壁。

 柱。

 天井。


 すべてが、鉱石。


 まるで――

 最初から建材として整えられた空間。


「これ……」


 研修生の一人が、喉を鳴らす。


「掘る場所、選ばなくていいやつだ」


鑑定が追いつかない


 リクスが鑑定を起動する。


 だが、表示が止まらない。


・高純度鉄(武器・装甲)


・魔力伝導鉱(魔法回路)


・軽量高強度合金(建築・機動装備)


・建築結晶石(城壁・防御構造)


・宝石級魔力結晶(通貨・装飾・魔法増幅)


「……待ってください」


 アクアが、思わず声を上げる。


「分類が、

 国家管理基準を超えています」


「超える?」


「一国が管理する前提の素材が、

 同時に存在している」


 研修生たちの背筋が、ぞわりと震えた。


試し掘り


「じゃあ」


 リクスが、軽く言う。


「試しに、少しだけ」


 フレイが剣を振る。


 刃が通る。


 硬いが、

 加工不能ではない。


 切り出された鉱石は、

 内側まで均質だった。


「……武器向けだな」


 フレイが即断する。


「刃持ちがいい」


「城壁にも使えます」


 アクアが続ける。


「衝撃分散構造が、

 自然に形成されています」


マジックボックスへ


「じゃあ、しまおう」


 リクスが言う。


 切り出した鉱石は、

 すべてマジックボックスへ。


 劣化しない。

 重量も問題にならない。


「……これ」


 研修生が、ぽつりと呟く。


「国がやるやつだ」


「うん」


 リクスは、あっさり頷いた。


「だから、

 俺たちが先にやる」


使い道が、勝手に見える


 リクスの頭の中で、

 地図が浮かぶ。


・老朽化した住宅 → 全面建て替え


・木製の家 → 耐火・耐衝撃構造へ


・城壁 → 多層防御結晶壁


・街道 → 装甲舗装


・港湾 → 重量船対応


「……街、倍にできるな」


「守りながらね」


 フレイが、にやりと笑う。


「攻城戦、

 嫌がる城になる」


戦争に耐える、という現実


 アクアが、冷静に言う。


「これだけの素材があれば」


「短期決戦なら、

 籠城が成立します」


「長期戦は?」


「二層目の食料と合わせれば」


 一拍。


「国家相手でも、持ちます」


 その言葉の重みを、

 全員が理解した。


宝石の扱い


「宝石は?」


 研修生が聞く。


 アクアが即答する。


「少量だけ市場に流します」


「目的は?」


「金ではありません」


 少しだけ、口角を上げる。


「信用です」


 宝石が出回るという事実。

 だが、暴落しない供給量。


「通界は、

 “余裕がある”と見せる」


リクスの感想


 リクスは、層全体を見渡した。


「……俺さ」


「前は、

 強くなりたかっただけなんだ」


 フレイが、黙って聞く。


「でも、今は」


 一拍。


「壊されない場所を、

 作りたくなった」


 その言葉に、

 誰も異を唱えなかった。


大ドーン(確定)


 この日。


 通界は、次を手に入れた。


・飢えない(食料)


・朽ちない(素材)


・守れる(防衛)


・広がれる(建築)


 もはや――

 偶然できた街ではない。


 戦争に耐える都市だった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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