表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力ゼロって言われたけど、無限に溜まってたのでダンジョンから国を作ります  作者: 蒼野湊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/63

第51話 育ちすぎる街

 通界の朝は、少し騒がしかった。


「もう一回、確認してもらえますか?」


「はい。……合ってます」


「いや、でも昨日まで出来なかったはずで……」


 そんな声が、あちこちから聞こえる。


若すぎる熟練


 訓練場では、研修生が魔法陣を組んでいた。


 本来なら、

 三年かかると言われる複合陣。


「……成功」


 淡々とした宣言。


 周囲が、どよめく。


「え、もう?」


「昨日、初挑戦だよな?」


 本人が一番、戸惑っていた。


「なんか……

 分かるようになったというか」


 説明になっていない。


 だが、事実だった。


アクアの違和感


 アクアは、少し離れた場所で記録を取っていた。


 人材データ。

 成長曲線。

 修練時間。


 ――全部、おかしい。


「……理論上、

 ありえない」


 小さく呟く。


 努力が無駄になるほど早い。

 だが、努力していないわけでもない。


 “伸びるべき人間が、

 伸びる速度だけが狂っている”。


原因は、分かっている


 視線が、自然とリクスに向く。


 彼は、特別なことをしていない。


 指示を出しているわけでもない。

 魔力を振りまいているわけでもない。


 ただ、そこにいる。


「……環境効果」


 アクアは、気づく。


 リクスの成長促進スキルは、

 個人に使うものじゃない。


 近くにいるだけで、

 周囲を底上げしている。


危険な前提


「これ……」


 アクアは、紙を握りしめる。


「この街にいる前提で、

 人材計画を立て始めてる」


 それは、依存だ。


 国家レベルの依存。


フレイの感想


「若いのに、強いよね」


 隣で、フレイが笑う。


「普通なら、

 羨ましがるところだけど」


 アクアは、目を伏せる。


「……これ、

 羨望で終わらない」


「どういう意味?」


「国はね」


 一拍。


「人が早く育つ場所を、

 放っておかない」


リクスの自覚


「そんなに、変かな」


 リクスは、首を傾げる。


「変」


 アクアは、即答した。


「異常」


「……ごめん」


「謝らないで」


 アクアは、少し笑う。


「あなたは、

 悪いことしてない」


 だからこそ、厄介。


距離が、狂う


 帳簿に戻る。


 数字は、正確だ。


 人材育成コストが、

 異常なほど低い。


 それを可能にしているのは、

 目の前の青年。


「……国家予算で考えても」


 小さく呟く。


「安すぎる」


 ふと、思う。


 この人がいなくなったら?


 街は、急に普通になる。


 考えた瞬間、

 胸がざわついた。


アクアの独白


「……私」


 紙を閉じる。


「あなたがいない前提で、

 計算できなくなってる」


 それは、危険だ。


 理性が、そう告げる。


 だが。


 感情は、

 もう少し近くにいた。


小さなドーン


 この日、通界はまた強くなった。


 誰も、宣言していない。


 だが。


 “育ちすぎる街”は、

 確実に国家の視界に入った。


本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ