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魔力ゼロって言われたけど、無限に溜まってたのでダンジョンから国を作ります  作者: 蒼野湊


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第45話 名前が付くと、狙われる

 最初の使者は、丁寧すぎた。


 通界の港に現れた男は、装いも態度も控えめで、

名乗った肩書きも、どこか遠回しだった。


「小国家連合・交易監査局の者です」


 監査局。

 それはつまり、「問題が起きてから来る部署」だ。


用件は、曖昧


「調査、ですか?」


 応対に出たのは、アクアだった。


「ええ。

 あくまで“状況把握”という形で」


「何を?」


「……最近、流通量が増えていると聞きまして」


 アクアは、頷いた。


「増えています」


「理由は?」


「需要があり、供給が追いついたからです」


 監査官は、一瞬言葉に詰まる。


「……統治者は?」


「いません」


「代表は?」


「いません」


「責任の所在は?」


「各判断者です」


 すべて、事実だった。


もう一つの来訪


 同じ日。


 冒険者ギルド中央からも、連絡が入った。


『通界圏、という呼称が出回っている』


『正式な登録は?』


 フレイが短く返す。


「していない」


『それは、困る』


「困るのは、どちらだ?」


 一瞬の沈黙。


『……安全管理の観点からだ』


「事故率は?」


『……低下している』


「以上だ」


 通信は、切れた。


学園からの書簡


 夜。


 リクスのもとに、封書が届く。


 差出人は、学園長。


予想以上の影響が出ています

学園としても、立場を問われ始めました


――あなたは、

どこまで行くつもりですか


 短い問いだった。


 だが、重い。


 リクスは、返事を書かなかった。


 答えが、まだ無いからだ。


内側の空気


「……来ましたね」


 アクアが、港を見下ろしながら言う。


「ええ」


 フレイが頷く。


「名前が付いた瞬間だ」


 名前が付くと、


測られる


比較される


管理される


 それが、世界の常だ。


「どうする?」


 アクアが、リクスを見る。


「何もしない」


 即答だった。


「向こうが、次を決める」


監査官の報告


 数日後。


 監査官は、本国で報告していた。


「違法性は、確認できません」


「統治者不在で?」


「はい」


「……危険では?」


「逆です」


 彼は、正直に言った。


「止めようがありません」


 会議室が、静まり返る。


結論は、先送り


「監視を続けろ」


「接触は?」


「慎重に」


「敵対は?」


 一拍。


「……今は、避けろ」


 それが、現実的な判断だった。


通界の夜


 港の灯りが、揺れる。


 人は増え、

 物は流れ、

 金は回る。


 それでも、

 誰も王にならない。


 誰も命令しない。


 だが。


 世界は、放っておかなくなった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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