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魔力ゼロって言われたけど、無限にあったので無自覚にダンジョンから国を作ります  作者: 夜凪レン


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第21話 地図に、載ってなかった

発見は、偶然だった。


「……これ、変です」


朝の報告で、リーネが地図を指した。


都市の外縁。

新しく整備した街道のさらに先。


「地形が、書き換わっている」


(嫌な言い方)


「地図が古い?」


セレナが覗き込む。


リーネは、首を振った。


「違う」

「最近、できた」


ノクスが、低く言う。


「……隠されてた可能性もある」


(もっと嫌)


「で」


僕は、聞いた。


「何がある?」


リーネは、少しだけ間を置いた。


「巨大空洞」

「入口、複数」

「内部反応――」


一拍。


「ダンジョン」


沈黙。


フレイが、口角を上げた。


「……中級じゃないな」


アクアが、即座に計算に入る。


「規模は?」


「街一つ分」


(やめて)


「深度は?」


「不明」


(最悪)


セレナが、逆に楽しそうに言った。


「つまりさ」


「デカいやつでしょ?」


(そうだけど)


「……行こう」


僕は、短く言った。


超大型ダンジョン・外縁


入口は、門だった。


自然物じゃない。

明らかに、人工。


石造り。

古い。

でも、壊れていない。


ルミナが、静かに言う。


「……ここ」

「“守られて”います」


「誰かが?」


「いいえ」


一拍。


「世界そのものに」


(規模、跳ねた)


「開ける?」


フレイが、剣に手をかける。


「いや」


僕は、首を振った。


「開けさせる」


一歩、前に出る。


押さない。

壊さない。


いつものように、

“通す”。


門が、音もなく開いた。


中は――

広すぎた。


空がある。


天井じゃない。

黒い、深い空。


足元は、石畳のような地形が

街のように広がっている。


「……ダンジョン?」


セレナが、呆然とする。


「これ、遺跡都市じゃない?」


アクアが、震える声で言う。


「魔力濃度……」

「桁が、違います」


ノクスが、周囲を見回す。


「……モンスター、いない」


(それも怖い)


「中央に、廃墟群?」


ルミナが、息を呑む。


「つまり」


フレイが、理解する。


「ここは――」


「だだっ広い、世界級ダンジョンだ」


僕が、結論を言った。


その瞬間。


地面が、震えた。


《侵入を確認》


声。


直接、頭に響く。


《管理権限を、照合》


《条件一致》


全員が、身構える。


《問う》


《貴方は、何を求める》


僕は、即答した。


「攻略」


一拍。


《了承》


《では――》


第一層、解放。


地図が、頭に流れ込む。


構造。

魔力循環。

危険度。


アクアが、青ざめる。


「……これ」

「一層だけで、国家予算級です」


セレナが、拳を握る。


「ねえ、リクス」


「はい」


「これ、全部やったら……」


「うん」


僕は、苦笑した。


「次元、変わるな」


フレイが、剣を抜く。


「じゃあ」


「最初は、俺が行く」


ルミナが、静かに光を灯す。


「守ります」


ノクスが、影に溶ける。


「裏は、任せて」


リーネが、地面に手をつく。


「地形、読む」


セレナが、空を見上げる。


「風、最高」


僕は、一歩踏み出した。


(……都市、育てすぎたかな)


(でも)


「行こう」


この日。


通界は、

“都市を育てる側”から

“世界を攻略する側”へ

完全に踏み込んだ。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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