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魔力ゼロって言われたけど、無限に溜まってたのでダンジョンから国を作ります  作者: 蒼野湊


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第16話 交易を始めたら、金の流れが変わった

結論から言うと――

ダンジョンで稼ぐのは、準備運動だった。


「……川、使いませんか?」


朝の会議で、アクアが地図を指した。


街の東。

緩やかに流れる中規模河川。


「下流に、港町があります」

「今は陸路で二日」

「水運なら、半日」


(差が大きい)


「街道は整えました」


リーネが続ける。


「次は、流れです」


(いい言い方)


「風も、通ってますよ」


セレナが、軽く笑う。


「船、速くできます」


(それ、反則じゃない?)


フレイが、地図を見下ろす。


「川を押さえると」

「奪いに来る奴が出る」


(現実的)


ノクスが、即答した。


「出る前に、正規化しましょう」


(さすが)


「じゃあ」


僕は、まとめた。


「港を作ろう」


川港建設は、三日で終わった。


正確には、

三日かかる予定が、一日で終わった。


リーネが地面を整え、

フレイが防衛線を引き、

セレナが風を制御し、

僕が“通した”。


桟橋。

倉庫。

検問所。

簡易宿。


最低限。

でも、十分。


完成初日。


最初に来たのは――

行商人だった。


「……本当に、使えるのか?」


半信半疑の顔。


「通行料は?」


「銀貨一枚です」


アクアが答える。


「一人ではなく、一船」


(安い)


商人は、目を丸くした。


「……それで、警備付き?」


「はい」


「荷下ろしも?」


「はい」


(破格)


商人は、即決した。


「使う」


結果。


一日目:三隻

二日目:七隻

三日目:十五隻


(増え方がおかしい)


理由は、単純だった。


早い


安い


安全


そして――

面倒がない。


港に、市が立つ。


塩。

香辛料。

布。

酒。


通界では、

見たことのない物が並び始めた。


「……楽しい」


セレナが、露店を見て回りながら言う。


銀髪を揺らし、

風をまとい、

人混みでも軽やか。


(視線、集まってるな)


アクアは、すでに計算している。


「港税」

「市税」

「倉庫使用料」


指を折る。


「……一週間で、金貨百枚」


(ダンジョン並)


「……安すぎません?」


行商人が聞く。


「上げますか?」


アクアは、にこやかに答えた。


「量が増えたら」


(怖い)


問題は、四日目に起きた。


「通行権は、我々のものだ」


現れたのは、

下流の港町の役人。


(来た)


「勝手に港を作るな」

「税が減る」


(正直)


ノクスが、すっと前に出る。


「ご安心を」


「貴方たちの港も、潤います」


(?)


説明は、簡単だった。


通界で中継


物量が増える


下流港の取扱量も増える


(パイを広げる)


「……試算は?」


アクアが、即出す。


「二割増しです」


(即答)


役人は、黙った。


「……協定、結びましょう」


(勝ち)


その夜。


港の灯りが、水面に揺れる。


人の声。

酒の匂い。


フレイが、腕を組む。


「奪いに来ない理由を、作ったな」


(そう)


ルミナが、静かに言う。


「争いは、選択肢から消せます」


僕は、川を見つめた。


(……ダンジョン)


(一気に、比重下がったな)


ノクスが、低い声で言う。


「通界は、もう“稼ぐ街”じゃない」


「流れを作る都市だ」


アクアが、帳簿を閉じる。


「次は、市場を常設にします」


(止まらない)


この日。


通界の金は、

戦利品から、経済へ

はっきりと姿を変えた。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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