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星は翔る、太陽の道を

作者: 逢乃 雫

見上げた空の彼方


広がる青い草原に


浮かぶひつじ雲



いくつもの群れが


ふんわりひしめいて



沈みゆく夕陽は


羊たちをやさしく


まばゆい金色に染めて



ふと視線を下ろせば


切り絵のようなシルエット


街路樹の枝が


空へと手を伸ばすように



あの日の夕景の美しさ


夕影草とともに


今も心に映しながら




星が(かけ)るのは


太陽の道



今見上げている


この星空にもまた


光る黄金の羊



救いの光を身に纏い


願いを背にのせて



黄道十二星座の


始まりを告げる


おひつじ座の星々




それは


古人(いにしえびと)が空に探した


天の赤道と


太陽の道の重なるところ


二千年の時を超えて



瞳を閉じて


心に数える羊は


まどろむ夢へと導き



瞳に映る


夜空に輝く羊は


果てない夢へと導いて




羊が翔るのは


太陽の道



誰かのために


今宵も走り続ける


願いとともに



あの羊のように


時にふり向くことがあっても


たとえ進む道がまだ昏くても


情熱という太陽が


導く道を信じて




そして


誰かの幸せや笑顔に


繋がる夢を


描いていけたなら



人の数だけ、道があることを


星の数だけ、夢があることを


いつも心に忘れずに




その夢が、


この世界をあと少しでも


明るくするもので


ありますように



その夢が、


誰かの心をあと少しでも


あたためるもので


ありますように




南の空の遥か彼方


太陽の道に輝く


あの、


黄金の羊のように












おひつじ座は、秋の終わりから南の空高くに輝く星座で、ギリシャ神話では、生贄にされそうになった王子と王女を救うために神から遣わされた空飛ぶ黄金の羊とされます。約二千年前、天の赤道(赤道の真上)と太陽が一年かけて通る黄道の交点・春分点にあるとして、星占いでおなじみの黄道にある星座の一番目にされたといわれています(現在の春分点は隣のうお座にあります)。「羊の頭」を表す2等星のハマルが目印です。

夕焼けに輝く「ひつじ雲」を、もう一つの黄金の羊として描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 金色に染まるひつじ雲と夜空に光るおひつじ座、ふたつのひつじが対照的に描かれていてとても綺麗な作品だと思いました。 おひつじ座が星占いの一番目になった理由についてもあとがきで書かれていて、勉強…
[良い点] 私も昨日ポコポコした雲の形になってきているなぁと空を見上げて、逢乃さんのこの詩を読むと その時の気持ちが蘇りました。 さらに想いが深まるように。 黄金の羊のあたたかさ、祈りに包まれるような…
[良い点] ★太陽の道★ 天体を言うのは星好き☆ レイラインを言うのはオカルト好き▲ 黃道を言うのは占い好き● 逢乃 雫様はどちらかといえば星好きでしょうか●☆ 詩に見る逢乃 雫様は常に上を観て歩いて…
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