白ちゃん
何が幸せかはそれぞれの価値観が違うので誰にも決められないのね。
気がつくとなんだかとても温かい場所だった。
辺りを見回そうとしても身体は上手く動かない。
一体どういう状況なのだろうか、視界もぼやけて景色がわからない。かろうじて明るい暗いが分かる程度だ。とにかく暖かくて、眠たくて、まどろんでいられるなんだか幸せ?な状況を暫し堪能することとしよう。
目覚めると状況に変化が、あるわけでもなく、とにかく空腹感に苛まされた。腹が減ったが、身体は上手く動かない。明かりは感じるが目も見えない。どうすればいいのか、空腹感を表現しようにも声が出ない。うん?口は動くようだ。喋れないが口を開けて空腹を表してみる。声は出ないが必死に訴えてみると口の中に何かが流し込まれた。食料であろうか。味は、まあ、不味くはない。よくわからない味だがとにかく空腹さえ満たされるのならばなんでもよかった。口を開けると何故だか知らないが食料を流し込んでもらえるようだ。何このシステム。身体が動かないし口を開ければ食べ物がもらえる。しかも冷暖房完備?なんとも言えない怠惰な飼育されているような不自由な自由な環境。文句も言えないのでこの状況を受け入れるしかあるまい。と、腹が満たされると再び睡魔が襲ってきた。することもないしとりあえずは眠ることにしよう。
きっとそこは幸せな世界。