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◇アイノカタチ The Shape Of Love  作者: 設樂理沙
9/200

アイノカタチ The Shape Of Love 9 


9.

" My Friend 友よ! 9 "


 それぞれ、1回生の時に中国語の初級を受講していたのだけれど、

2回生になるとカリキュラムの都合で私たちは同じ授業を取れなかった。


・・・


 カラオケデートで距離が縮まったかのように見えたふたりだったが

意外や意外・・街木がヘタレ具合を発揮してそのまま学年が終了して

しまった。


 街木は、2回生でもまたひとつくらい同じ授業が取れるだろうと呑気に

構えていたのだが、不運にも取れず、それでも偶には芽衣とお茶したり

話したりする時間くらいは取れるだろうと高を括っていたものの、なかなか

叶わず、接点が無いということの大変さを思い知った一年だった。


 ・・・


 私たちは更に近づけたと思っていたけれど・・それ以上の

ことはなく、一年が終わり2回生へと移行していった。


 時々、街木くんいないかな?って探してみるけど近くに感じていた

街木くんを校内で見つけることは稀で、折角見つけても友達と一緒に

いる彼に声を掛けるなんてことは出来なくて、あ~あ、小学生の頃と

同じだね芽衣、って自分に語り掛けてた。


 こんな日のことを予想して落ち込むんじゃないって

自分に言い聞かせてたけどそれは無理だった。


 寂しさはどうしたって募っていった。


9-2.


 それでそんな風に街木くんとのことを諦めかけていたんだけれど・・

 更に一年が過ぎ・・ 新学年を迎える前の休み、春休みに入る直前に

街木くんに声を掛けられた。


 「久しぶり、なっ、3回生になったら中国語の中級の授業が

あるらしいんだ」


 「そうなの?」


 「一緒に受けようぜ。ほらっ、俺ひとりだと淋しいからン~」


 「ふふっ、いいよ」


 街木くん、私のこと忘れてなかった。

 忘れられてなかったことがこんなにうれしいなんて。


 街木くんは友達と連れ立ってたので、用事だけ私に伝えるとさっさと

友達のほうへ向かって行ったんだけどね。


 約束通り、私と街木くんは3回生になると、今度は一緒に

中国語講座の中級の授業を取ることになった。

 私は中国語を更に深く勉強できることと、また街木くんという友達と

交流が深められることが何よりうれしかった。 


・・・



 街木が中国語の中級の授業を取ったのは何も好きだとか興味がある

とかではなくてひたすら、今度こそ芽衣と更なる親睦を深めようと

思ったからだった。

 

 取っても取らなくてもいい必修ではない中級まで進む学生は

少ないようで1クラスしかない。



 そしてまた一緒に学食やマックなどでランチするようになり

カラオケにも行くようになり、そんな付き合いを復活させた頃

少ししてふたりは長い夏休みに入った。


 

9-3.


 折角親しくなれたのにと、街木くんと離れ離れになる夏休みに

休みになったうれしさだけではない微妙な心情になった。


 少し寂しさみたいなものを感じていた私に、夏休み街木くんから

4回LINEが来て、4回の食事とカラオケで歌いまくって楽しい時を

過ごした。


 私は街木くんからの1回目の誘いを受けた時、どんなに自分が

彼からの連絡を待ちわびていたのかを、改めて思い知らされた。


  そうこうしているうちに夏休みも終わり、休み明けの初めての

授業で私たちはその日、大学の食堂で一緒にLunchを摂っていた。



  ・・・


 芽衣と久しぶりに学食で飯を食ってると向こうから気の強い女が

こちらに視線を向けたまま、もう食事は済んだのか手ぶらでやってきた。


 とまれ!


 何も言うな!

 黙って歩いて行けっ!


 俺は心の中で念じた。


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