アイノカタチ The Shape Of Love 8
8.
" My Friend 友よ! 8 "
~カラオケデートの後で~
だから、早く街木くんが彼女持ちなのかフリーなのか
調べないと、と思う。
調べるって芽衣、街木くんに交際申し込まれたわけでもないのに。
-
それに、街木くんにとっては私なんてそうただの友達なんだから、
他に私よりもずっと親密な女友達なり、恋人がいなかったとしても
私のことなんて歯牙にもかけてないかもよ?
そんな風に自分を戒めてみたり。
カラオケに初めて誘われてから数回、街木くんにいるかもしれない
他の女友達もしくは彼女のことを気にしつつも、瞬間そういうことを
忘れることもあるほど街木くんとのカラオケデートが楽しくて……。
-
でもやっぱりふと我に返ると、いつまでこんな関係でいられるんだろう?
とか他にも女友達がいるかもとか、そんなことが頭の中をグルグルするのだった。
馬鹿だなぁ~、芽衣。
何を気にしてるの?
何を恐れてるの?
元々私はボッチだったんだし、気にするのは止めたほうがいいよ。
いつまで?
決まってンじゃん。
街木くんの気が変わって誘って来なくなるまでだよ。
私から誘うなんて、絶対無い・・ンだし。
絶対無い・・何て受け身で悲しい言葉なのだろう。
8-2.
学習とは、恐ろしいものだ。
子供時代から学んだ自分のこと。
誘われているうちはいい関係でいられるけれど、相手が誘って
来なくなるとそれにはやっぱり理由があって、そのまま私の存在は
忘れられ、いらない存在になっていくのだ。
誘ってもけんもほろろに断られるのがオチだったと思う、今
振り返ってみても。(遠い目)
いやまぁ、そもそも誘っくれた友達なんて過去に1人かっていう
無いに等しい数字なんだけどもね。
それでも当時は期待してたんだよね。
今まで仲良くしてくれてた子からの誘いが無くなった日のことを
忘れることはないと思う。
これほど破壊力のある行為はなかった。
せめて、もう会いに来れなくなったけど今までありがとう・・とか
もう昼休みは会いに来れないけど、帰りは一緒に帰ろう・・とか
何か一言あればよかったのにと思う、自分がいる。
今でもものすごいトラウマになってる。
だって今も、私から誘うことは無い。
すぐにそういう思考になってしまうから。
ほんの少しだっとしても、心を許した相手から、一方的に振られるなんて
こんな切ないことはない。
街木くん?
何の気なしに私を誘ってるんだろうけど、君は私の地雷だよ。
私は地雷をちゃんと認識して、踏まないように冷静に対処しなきゃね。
ドカーン。
私は木っ端微塵になって、散ってしまうからさ。