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◇アイノカタチ The Shape Of Love  作者: 設樂理沙
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アイノカタチ The Shape Of Love 4

4.

" My Friend 友よ! 4 "


 街木くんとは、週に1度だけ中国語で一緒になる。


 翌週の授業で一緒になった日もランチを誘われて

一緒に食事した。


 私は女子とだって一緒に食事したことがなく、かんどー(感動)した。

2回も誘われて胸熱だ。



 それなのに、その時別れ際にカラオケ行こうって誘われて・・私は

固まってしまった・・よ、案山子のように!



 「帰り、A棟の1Fの出口のところで待ってるよ」

 街木くんはそう言い残して次の教室へと向かって行った。



 彼の背中を目で見送っていると友達が2人、彼の側に寄って行き

3人で並んで新緑の中、校舎に向かって歩き出したのが見えた。


 私たちの大学は所謂近代的なマンモス校ではなく、歴史のある大学で

だからといって決してボロ校舎ではないけれど、一つ一つの建物が

こじんまりとしていて、授業によっては建物から建物へと移動するのである。



 何で私なんか・・と。

 私を誘ってくれたのだろう。


 人生に期待することなどただの一度もなかった自分。

 期待を持たせるような言動をする街木くんに、彼の存在に

私は戸惑い、少し怖く感じてしまう。



 人との交友経験が・・経験値が皆無、ほぼほぼゼロに等しい。

 そう思ってもおかしくないじゃない? だって友達らしきものが

できたのはあの小学生の2年間だけなのだから。


 それにしても、誘われたのがカラオケとは!

 あぁー、全く!



4-2.


 芽衣は教室に半数はいる女子の中で、断トツずば抜けて

美しかった。


 着ているものは決して高価なものではなく

学生らしく簡単に手に入るファストファッションブランドの装いでは

あったけれど、凛とした美しさが際立っていた。


 どうも本人にはそのような自分に対する自覚が無さげで

そんなところも彼女の魅力のひとつだ。


 だから学部学科の違う自分が芽衣と同じ授業をとり

更には最初の授業で彼女の隣に座れたのはものすごい幸運の

なにものでもなかった。


 俺自身、彼女の隣にたまたま座らなかったら、その存在すらも

知らずに学生生活を終えていたかもしれない。



 友達とつるんで別の授業に・・


 歴史の講義を取っていたら、と思うと・・


 友達と一緒にいることもやぶさかではないが

ひとりでいることも苦にはならず群れない時間を持った

自分を褒めてやりたいと思う。

 


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