山姥の恩返し
むかしむかし あるところに、それはそれは働き者の男がおったそうな。
「あーれーまっ! 山姥ギャルが罠さ引っ掛かってんべ!」
男は虎挟みに掛かった山姥ギャルを助けました。
「つーかー、マジ感謝って感じだし!」
男は走り去る山姥ギャルを笑顔で見送りました―――
―――ある日。それはそれは寒い冬の夜の事じゃった。
「……もし ……もし」
「んん? こんな日に誰だっぺ?」
男が外へ出ると、そこには大層美しい女子がおったそうな。
「酷い雪で身動きが取れなくなりました。どうか一晩泊めて頂けませんでしょうか?」
男は困ったときはお互い様の精神で女子を招き入れました。
「鶴子と申します。この度は何度お礼を申し上げたら良いか……」
「気にする事ないべ。それじゃ、オラはあっつさ寝るだ。囲炉裏の前は暖かけぇから、おめさんはココさ寝るだよ」
男は久方振りに見る女子に悶々としながら眠れない夜を過ごしました―――
―――次の日、外は大層な吹雪でした。
「これじゃ外さ出れんべな……落ち着くまでいくらでも止まってってええよ?」
「ありがとうございます。お礼に裁縫を致します」
と、鶴子は布を持って奥の部屋へと進みました。
「決して覗き見をしませんように……」と注意を添えて―――
―――しかし男は好奇心と性欲から部屋の襖を僅かに開け、覗いてしまいました。
そこには鶴子のはだけた着物の隙間からたわわに実る二つの果実が見えたそうな。
「我慢出来ねぇべ!!」
男は襖をガラリと開け放ち、鶴子の居る部屋へと突き進みました!
「きゃっ!」
しかし、そこで男が見たのは酷い厚塗りメイクの山姥ギャルでした……。
「……おめさん、あの時の山姥ギャルだったのか」
「チョッ! オッサン何見てんしwww 見世物じゃねーっつーの!」
山姥ギャルは慌てて男の家を飛び出しました。
男は机に残されたつけまつげに目を落とし、物思いに耽ます。
「あげだべっぴんさんなのに、勿体ねぇ。オラ流石に山姥は抱けねえ……」
―――めでたし めでたし
子どもの頃に
『美人で貧乳』と『ブスで巨乳』どっちが良い?
との謎質問に『美人で貧乳』と答えた記憶があります。
今は『ちょい美人でぽっちゃり』が好きな酷い大人になりました(笑)