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Limit Limit  作者: ysnb
3/3

#2 sad and cry.

#2 sad and cry.


―葉波と常盤 二人とも魔法少女を捕まえ損ねるなんて珍しいな

魔法少女を捕まえる理由を調べるためにも魔法科学省に来た僕らだったが廊下で運悪くナインに出くわしてしまった。

「はい。今までになく強くて」

―そうか。早いところ捕まえるんだ


そう言うと、ナインは魔法科学省のエントランスへと向かった。


「そういえば、どうやって魔法少女を捕まえる理由を探すんだ?」

僕は、常盤に聞くと常盤はスマートフォンを取り出し電話をしだした。

しばらくして、目の前に見覚えのない少女がいた。

「彼女が協力者だよ」

常盤がそう言ってその少女の方を指す。

「―四打(よんだ)だよ。」

「で、常盤。四打...さんがどう協力するんだ?」

僕がそう聞くと常盤が嬉しそうに答える。

「四打は、プロのハッカーなんだ...もちろんホワイトな」

誇らしそうな四打。「こっちに来て」そう言って僕らは四打の部屋へ向かう。


―実は、この魔法科学省には2つのアクセス不可領域があるの。

そう言うと、四打はコマンドプロンプトのような画面で何かをしている。

「その2つはどんな情報がありそうなの?」

常盤が尋ねると四打は、そうね...といって答える。

―おそらく、機密事項なのは間違いない。 魔法少女を捕まえる理由もあるかもしれないし、この魔法科学省の存在意義とかもあるかもしれない。 魔法少女のリストとかも...


<<<SYSTEM PSW...[InPut]>>

>


―問題はここなのよ

そう言って四打が見せたのはパスワードの画面だった。

「ハッカーでも無理なの?」

常盤がそう聞く。ちなみに常盤はハッカー等に関する知識は微塵もない。

―えぇ パスワードの情報そのものが保存されていないのよ


黒画面に白文字だけが光る。


パスワード...


「もしかしたら、これダミーなんじゃないか」

僕は思ったことを言う。

―そうか! じゃぁ...

四打はそう言うと、何やらキーを打ち込み始めた。


<<SYSTEM PSW...[InPut]>>

>ESCAPE THIS.

<O.K

>/list

<.Magical_girl.txt

.history.html


>/access.8892

<You wanna download ? Y/n

>Y

...loading [DONE]

...YOUR ID [????]

<input your ID

>ADMIN

<PASWORD

>ADMIN


...DONE now ready to install date.


―できた!

そう言って喜ぶ四打。常盤は「よくわからないけど やった!」と喜んでいた。

「でも、パスワードとかよくわかったね」

―あれ、初期設定から変更してないみたい


こうしてあっさりと僕らは秘密とされている情報をゲットした。


ダウンロードしたデータは二つあり、「Magical_girl.txtとhistory.html」があった。」

それぞれのファイルには、僕らが知りたかったことが載っていた。


魔法少女を捕まえる理由ももちろん載っていた。


[Magical_Girl.txt]

201X/08/03 23:09

彼女ら。魔法少女は、悪魔だ。我々が必死の思いで作り上げてきたこの世界を破壊することができてしまうのだ。我々の人類を思いのままに操ることができなくなってしまう。

それは、つまり我々が上位の存在でなくなるということだ。 


それらを回避するべく、われわれ魔法科学省は魔法少女を捕獲し 一般人化もしくはこの世界からの強制認知解除を行わなくてはならない。 なお、認識する能力だけしか持たないものは魔法科学省に属させることで危険因子をなくさせる。


[list]

NAGIHA RIN age 18 危険度A+++ この世界を崩壊させる「サーバーをダウン」させることが可能な能力を持つ

うかつに近づかないこと。まだ、本人は能力について詳しくを知らないからだ。


最初のファイルには、魔法少女を捕まえる目的や魔法少女のリストがあった。 一番上から危険度。つまり、この作られた世界を壊せる力の強さの順に並んでいる。


凪葉凛はその中でも一番危険らしいな。


[history.html]


WELCOME TO MAHOU KAGAKU SYO


我々は、君たち新人を歓迎する。


我々の理念は、我々が我々の意思でこの世界を自由に取り扱い「地位、権利」を持つことだ。

それによって我々に手数料が入ることで自由に人間の心理を操作できる。つまりわれらは、ビジネスマンなのだ。そして、サイエンティストでもある。


1999-12-10


ヒストリーと書かれているから、歴史とか書かれているのかと思いきや書いてあるのは新人向けのコメントんようだ。


だが、この世界を作った目的なども分かった。


「常盤? どうやら俺らは、騙されていたらしいな」

「そうだな。どうする?」

僕を見つめる常盤に僕はそうだなと答える。

「この情報を信用するに至る証拠はそろったと俺は、思う」

凪葉凛についていかれた世界と彼女の話。そして、この情報。2つの情報はどちらも正しいと思える。矛盾がないように思う。

―私も葉波君に同意だよ。 このデータ以外にもこの魔法科学省の見取り図に非公開区域というのがあるんだ。そこには、確かに「サーバ」がある。 つまり、情報を信用してもいいかもしれない。


常盤も「わかった。じゃぁ 計画を立てよう」と答える。


じゃあ何から始めようか。そう僕らが話しているときに電話が鳴った。


―公衆電話

「もしもし」

―はぁ...はぁ... はな 葉波君?」

「うん。誰?」

―私?凪葉凛よ 助けてほしいの

「何から? 君たちのお仲間さんたちから」


その電話は凪葉凛からだった。 話を聞くと、魔法科学省の職員が凪葉を含めて魔法少女を捕まえ始めたという。


「場所は?」

―副都心駅


そう言って切れてしまった電話。無意味に見つめてしまうスマートフォン。


「葉波? どうした」

「凪葉が魔法科学省の職員に追いかけられるから助けてって」

―...ちょっと それやばいよ

四打が叫ぶ。 それは、先ほどのファイルにも書かれていた「凪葉」の脅威に関係する。


そう。彼女がこの世界を壊すことができる魔法少女なのだ。


「よし。ひとまず 助けに行こう。 四打さんは、この世界を壊す計画を立ててくれる?」

―了解


僕と常盤は急いで駐車場へ向かう。 急げば5分で着く距離だ

「にしても 誰だ?職員って」

常盤がエンジンキーを回しつつそういう。

「今日は...あれ。俺ら能力者は今日は休みだよね」

「つまり。その職員って」

車が動く。僕らは静止した。

―職員って局長たちなのでは?

僕らはそう思った。

「だから、さっきナインにすれ違ったのか」

ひとまず 凪葉を助けよう。


車は副都心駅に向かっている。


***

「やばい。なっちゃん大丈夫...」

そう聞いても答える声は小さい。


見える景色は赤色だ。魔法少女全員、軽傷のようだが動けないように攻撃されている。

ひとまず私は逃げる。 もう、彼女らを助ける余裕なんてない。


遠くに聞こえるサイレン。おそらく私を探しているのだろう。


偶然あった公衆電話で、葉波君に助けを求めることはできたが 助かるのが先か見つかるのが先かわからない。


副都心駅へ向かって走る私は、ただ逃げ切ることだけを考えていた。



副都心駅に着き、ホームへ上がる。4面8線のホームの3番線に上がりベンチで休む。


息が切れて苦しい。 サイレンの音も聞こえない。 ダイジョブだろう。


―あれ? 逃げるのはやめたのかにゃ?

冷たい声が聞こえる。 その声の方を見ると凛とした女性が立っている。


「あなたは?」


私がそう聞くとその人は、答える。


「ナイン」


無音の中で私たちは見つめあう。目をそらしてはいけない気がしたからだ。


「凪葉!」

そんな時 聞き覚えのある声が聞こえた。


―葉波くん!


だが、運が悪い。 隣のホームにいる葉波君は急いでこちら側に来ようとしている。その時叫ぶようにナインが、「葉波!」と叫ぶ。


足を止める葉波君。


「なんでお前がここにいる」

ナインがそう尋ねる。


葉波君は、こう答えた。


―知ってるくせに


+++

まさか、凪葉を捕まえようとしているのが局長のナインとは...

「なんでお前がここにいる」

いつもとちがって冷めた声。


僕は答える。


―知ってるくせに


この世界は、現実世界は 荒廃した世界から作り出された仮想世界だ。僕らの行動だってわかっていたって驚くに値しない。


「そうだな。では、君はどうするんだ 私が、この銃で凪葉を打ったら そこからだと間に合わないぞ」


―それは、どうかな


僕はそう言った。常盤がそこのホームに向かっているからだ。


「あっそうだ。 常盤は来ないぞ。 そこで伸びてるからな」


えっ


その瞬間「バン」となる。


倒れる凪葉。


「凪葉!」

叫ぶ僕を笑うナイン。 ナインの後ろからは、ナインと同じ局長たちが現れる。


だが、そこから逃げるように凪葉は ふらふらと歩く。肩からは血が出ている。


それは、今までにも何回か見たことのある景色だ。 魔法少女を捕まえるときに局長たちが...


あれ?


何回もみたことのある?


―葉波。君は、面白いな。 この状況でも、人の心配をするなんて

後ろを向くとそこには、別の局長がいた。


絶対絶望だ。


―またな 葉波。


後ろからの衝撃でブラックアウトした。


#END OF 2.


NEXT:#3 LAST CALLING and START NEW WORLD.

凪葉は、どうなったのだろうか。 常盤は? 絶望的なまでの展開。だが、僕はあきらめない。


「次回<Limit Limit>は、最終回。 バッドエンドかハッピーエンドかそれとも」

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