#1 magical.
#1 magical.
僕が初めて魔法を認知できるようになったのは中学生の時だ。
街中のいたるところに光の筋が見えたり、魔法少女たちを認知するといったことができた。
だが、中学生の時にその能力を持ったのだ。 最初は、中2病だといわれて信じてもらえなかった。
「結局、魔法を認知できると信じてもらえたのは中3の冬だった...」
***
局長「ナイン・ガーデン・大井」に呼び出された。
ナインは、ボクにとっての上司で魔法少女捕獲を指示する人物だ。 友人の常盤も今回は一緒だ。
―待っていたよ。魔法少女を捕まえてほしい。
局長の部屋は、壁も暗く照明は、スタンド式の蛍光灯を使っているだけだ。かっこいいという雰囲気なのだが、普段はどうしているのだろうかといつも思ってしまう。
「今回は誰ですか?」
常盤がそう聞くとナインは、僕らに書類を渡す。
―その写真の少女だ。彼女は、今までは問題になるようなことはなかったが最近 様子が変わったようだ。
書類に添付されていた写真には同い年くらいの少女が映っていた。その見覚えのある顔に思い当たる人物がいる。
「もしかして、僕と同じ学校で同じクラスですか?」
僕がそう尋ねるとナインは、「そうだ」とだけ答えた。
―様子が変わったと話が、そのことについて補足だ。 彼女は、この世界において一番の問題児だ。彼女の行動によっては世界が崩壊する。
大事なことだというナインに常盤が質問をした。
「魔法少女ってなんで「コーリング」を壊そうとするんですか?」
その問いをしたとたんナインは、いつも以上に不機嫌になり机を叩いた。
―知らなくていいことだ。さっさと行け。
「あれは、何か知られたくないことがあるんだろうな」
廊下を歩く常盤がそう言う。
「彼女の行動によっては世界が崩壊するとか言ってたけどそんな一人の行動で崩壊なんてするのか?」
「さぁな」
駐車場に向かう僕らは、答えを知らない問題を解くかのように推測を述べるだけだ。
―――
「探すといっても、お前のクラスならば明日教室で捕まえればよくね?」
常盤がそう言った。 車は都心の副都心道を北上している。
「そうだな。放課後にでも仕掛けるか?」
「そうしよう。じゃぁ俺は、お前のガーディアンとして...」
高校生にもなってそんなことを言うなんてな と内心思いつつ僕らは明日 魔法少女を捕まえる計画を立てた。
<day.>
「葉波みなと君?」
放課後の教室で魔法少女...凪葉凛は冷たい声でそう言った。
「何かな...」
「私が魔法少女というのは知っているようだけど、本当のことは知らされていないようね」
本当のこと。それは、つまり魔法少女を捕まえる理由のことだろう。
「あぁ。誰も教えてくれない。それに、背いたら俺らに日常というものが消えてしまう」
過去に、魔法少女を捕まえないで守った奴がいた。 そいつが言うには、魔法少女は間違っていなかった。と言っていた。だが、そいつは次の日にはいなくなっていた。
どうなったのかは知らないが、少なくとも僕らの知らないことが起きたということだろう。
「じゃぁ、私を捕まえる?」
「うん」
そうかとため息をついた凪葉は、顔を上げて僕にこう言った。
―じゃぁ 私が教えるよ
「えっ?」
その瞬間意識がブラックアウトした。
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冷たいような風が頬にあたる感覚があった。
「...葉波君?」
ぼやけていた景色が戻り正面には凪葉がいる。 見回すと、そこは荒廃した都心部が見える駅のホームだった。
「ここはどこ?」
「ここは、君たちが知らない世界。そして本当の世界」
どこかを見るかのようにしている凪葉に僕は聞いた。
「ここには人はいないの?」
「いるわ」
凪葉は、言葉を詰まらせるようにしてやっと口を開いた。
「みんなは、あそこにいる」
指さした方向には、荒廃した街並みに似合わないほど立派な高層ビルがあった。
―あれって、魔法科学省の建物じゃないか...
+++
凪葉凛から聞いたことだ。
現実の世界、つまり普段僕らがいる世界のことだ。この世界は、僕らが見ている夢のようなものだという。
つまり、本当の世界は凪葉に連れられてきた「荒廃した世界」だという。 魔法科学省は、この本当の世界で僕らを管理して、魔法科学省の支配によって「現実の世界」という夢を見ているということになるらしい。
「ねぇ 凪葉?」
「ん?」
移動して駅のベンチに腰かけて話していた。
「なんで魔法少女たちは、夢のような現実世界を壊したいの?」
別に不自由なく生活できるよ 僕はそう付け足す。
「魔法少女たちには、普通の人がただのノイズのようにしか見えないの」
魔法を認知できる僕のような人物は、荒廃した本当の世界でも行動できるから正しく認識できる。でも、一般人に至ってはただのノイズにしか見えないのだという。
「じゃぁ、学校にいるときは...」
「顔を認識してなかった。かすれた声や話し方で見分けてた」
魔法少女たちが現実世界を壊したい理由。
それは、自分が人間らしい生活を過ごせていないから。
みんなで楽しむということができないから。
そして何よりも。
―寂しいから―
凪葉そう教えてくれた。
「つまり、僕らは君たちを捕まえて自分たちの世界が荒廃した世界にならないようにしていただけだったんだ」
「そう。私たちが君たちの日常を壊さないように 私たちを捕まえて壊してたの」
凪葉は、そう言った。 つかまった魔法少女たちは、精神崩壊をしていることが多く魔法という能力も失い荒廃した世界で寂しく過ごすことになるのだという。
僕らが捕まえた魔法少女たちは、現実世界での情報を消されてしまうのだという。これは僕らが知らなかった話だ。
つまり、消えた僕の仲間も同じように処理されたということだろう。
「そうか。じゃぁ僕をこの世界に連れ込んだのは、君たちが助けを求めたということ?」
少し間があく。 刹那のような短い時間だ。
「うん。助けてほしい」
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ブラックアウトしてまた元の世界に戻った。そこは、教室で 僕だけがいた。
「葉波?おぉい!」
常盤の声が聞こえた。
「なぁ 常盤 話がある。」
車に戻り魔法科学省へ向かった。
「なぁ 葉波。 魔法少女探さなくていいか?」
常盤が心配そうにそう聞いて来た。
「魔法少女を捕まえる理由と捕まえたあとどうなるか 知りたくないか?」
モータの音だけが聞こえる。
「知りたいが。どうやるんだ?」
「それをこれから調べるんだ」
凪葉凛が言ったことが本当か。そして、どうすればいいのか。それを知るべくも魔法科学省に僕らは向かった。
#END OF 1.
NEXT: #2 sad and cry.
知らなかった真実。捕まった魔法少女の末路。僕と常盤は、この世界を終わらせることを決めた。だが、凪葉凛が捕まりそうになって...
「次回<Limit Limit>は、魔法少女を助ける話。」
初心者というだけあって文法もめちゃくちゃですね...
徐々に向上していければいいなと思ったり。