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最高の作文

作者: 刺猟
掲載日:2017/12/14

こんにちは刺猟です。

最近小説でラブコメするにはもっと修行が必要だと思い始めたので当分は短編めちゃくちゃ書こうと思います。

というわけで今回は作文がテーマのお話です。近々修学旅行があったもので、俺が体験したことを半分フィクションにして作ってあります。そしてなんといっても長いです。心してお読みください。

とりあえずは今回もお付き合いください。

それでは後書きで

皆さんは修学旅行とか、そういうイベント事の度に作文という煩わしい物を書かされたことはあるだろうか?確実にあるだろう。内容は決まらないし、そのくせ書かなくてはいけない量は多い。こんなことする必要あるのか?とかそういうくだらないことすら考えてしまうくらいだ。


なぜこの話題を出したかって?


そう、この間俺の高校は二泊三日の修学旅行だったのだ。



時は遡り修学旅行初日 空港にて


俺が通っている高校は工業高校で女子が少なくカップルでいろいろ見て回ったりというのは滅多に見られない。そもそも奇跡的に俺のクラスには女子がいないのでそんなことがあるはずもない。まず、そんな事あるのだろうかという疑問すらある。だから俺は呟いた。


「こんな男子だけの修学旅行…せめて女子一人くらい欲しかったよ…」


思春期の年頃の男からしたら修学旅行に女子がいるのといないのとではかなり気分が違う。

男子だけなのはそれはそれで楽しめるが、本当に一人くらい欲しいところだった。

だがこの後、運命だったのではないかと言うほどの出会いを俺たちはしてしまう。


飛行機の旅は終わり 某空港にて


「ではここからはバスでの移動となりますのであちらの旗を持ったガイドの方について行ってくださーい。」


添乗員にそう促されるまま俺たちのクラスはバスガイドの後ろに並ぶ。するとクラスメイトたちがざわめき始めた。


「え、可愛くない?」

「普通に可愛いよな…」


俺も含めてみんなの視線はその時、確実にそのバスガイドに集まっていた。



バス車内にて


「みなさんおはようございます。〇〇観光をご利用いただきありがとうございます。今日一日ご一緒させていただきます 飯田と申します。まだまだ未熟で至らぬ点も多いかと思いますが、どうかよろしくお願いします。」


肩にかかるくらいの少し長めの綺麗な髪に、そんなに厚くないメイクで大きめの目。整った顔立ちに聞きやすく、可愛げのある声でそんなお手本のような台詞をスラスラと読み上げ終えると車内では早々に拍手喝采が起こっていた。


「ガイドさん人気高すぎだろ〜 まあでも、確かにかなり可愛いよな。バスの席1番前にして正解だったな。高野」


バスの俺の隣の席はそこそこのヲタクである高野だ。

高野は一度ガイドの飯田さんを見るや否や


「まあ、いいんじゃない?」


意外だ。食い付くと思ったが高野にとってはそうでも無いらしい。


さあ、ついに我らの夢のバスが動き始めた。

飯田さんは当然ガイドなので街並みや建物の説明などをするわけだが、いきなりだがそこで事件が起こった。

事件と言っても殺伐としたものではなく、我々にとって衝撃的なことと言う意味の事件だ。


「そろそろ見えてくるお寺の方ですね。かなり大きいけんね…」


!?

それは突然だった。気が緩んだのか、狙ったのか、よく分からんが方言がでた。

…これは熊本弁か?ネットで可愛い方言ということでそこそこ話題になったあの熊本弁か?

その衝撃はクラス全員にも走っていた。

先ほどまでは興味なさそうだった高野でさえも。


「良さみが深い…!」


彼の口からはそう溢れていた。

ただ、その後聞いた話によると話し方以外は彼のタイプでは無かったそうだ。


さあ、そこからはもうお祭り騒ぎだった。

午前中には工場見学があったが、見学も早々にバスに戻っては飯田さんにツーショットを求めたり。数人で囲んで写真を撮ってもらったり。

午後にはお城を見て回ったが、集合写真で飯田さんの隣を争ったり。

かく言う俺も、夜には


「夜景をバックに一緒に写真どうですか!」


と、今まで言った事のないキザな台詞を言ってみたものだ。バスの中だったため


「口がうまいですね。でもお断りします。」


と笑顔でスルーされた。

しかしこの後


「約束してたもんね。」


と言われてめっちゃ撮ってもらえたのは一生の思い出だ。

そして、1日目も終盤に差し掛かったところで飯田さんへの質問攻めが始まった。

と言っても俺のクラスのムードメーカー的存在の笹野がほとんどだったが。


「どこ出身ですか!」

「え、内緒かな。」

「あ、そうですか。」


笹野の返答が適当すぎる。


「もうなに!ウザいんだけど〜」

「あ、じゃあ住所教えてください!」

「話聞いて無いし!住所は…じゃあ京都府かな」


方言から出身は熊本なのは確定だと思われるが、飯田さんも対抗して住所の方は少し適当に返した。


「じゃあ住所特定します!」

「えーこわ!え、でもどうやるの?」

「えっと……」

「できないんじゃん!」


こんな会話のキャッチボールが続き車内全体が笑顔で埋め尽くされた。

さらに、少しエスカレートして飯田さんに方言で告白してもらおうということになった。

誰に対して言ってもらうかということですぐに名乗りを上げたのがやはり笹野であった。


「えー、ホントにやるのー?」


案の定困惑している。


「笹野くん…好きばい」


歓声が起こった。車内全体で。

スマホで録画や録音する奴らもいた。俺も、そして高野もなかなかにやけ顔であった。あとで録音したであろう友達に音源もらうか…




そんな調子で1日目が終わろうとするころ、3日目の話題が出た。ちなみに2日目は自主研修になるのでバスの移動がないため飯田さんには会えない。


「3日目は友妃ちゃんくるんですか?」


飯田さんの下の名前は友妃と言うらしいのだが、サッカー部はなれなれしくもそれをちゃん付けで呼んでいやがる。俺もやればよかった。


「3日目はちょっとわかんないけど、もしかしたら同じかもしれないよ。」


飯田さんもこの雰囲気のせいで完全に緩んでタメになっている。


「よっしゃ」

「やったね」


こんな調子でみんな飯田さんにぞっこんだった。

さらに飯田さんも、このノリのいいクラスと話すのが楽しくなっていた。

そうして修学旅行の1日目は、まだ少しみんなの熱が治らないうちに終わってしまった。




〇〇観光事務所にて


一通り仕事を終えて、飯田は事務所に戻って来た。


「ふぅ〜、今日の子達は他の高校の子と比べて一層元気だったな〜……楽しかった。」

「あ、飯田先輩〜。お疲れ様です〜。なんだかいつにも増してニコニコしてますね〜。最近はめっちゃ疲れた顔で帰ってくること多かったのに〜。」


他の仕事に行っていた飯田の後輩の吉川が少し先に戻っていた。


「え、そうかな?いや、今日担当した修学旅行生がなかなか面白い子ばかりでね。確定じゃないのに3日目も会えるかもなんて言ってきちゃって…」


するとその話を聞いている吉川が少し、気まずそうな顔をしている。


「あの〜…もしかしたらその約束、守れないと思います…」

「え?どういうこと?」


なかなか意味深な事を言われたので飯田は困惑している。


「明後日のその高校の3日目のバスガイド、私がやる事になってるんですよ…さっき上司に言われてまして。」


吉川がとっても申し訳なさそうにそう打ち明けた。


「あ、そうなんだ… すっごい面白い子達だから楽しんで来てね!」


その時吉川が見た飯田の顔は確かに笑ってはいたが、確実に残念がっていた事がよくわかった。



夜 ホテルにて


「高野〜 飯田さんは3日目も来れるかもみたいなこと言ってたけど、多分無理だよな。」


ホテルの部屋は二人部屋でここも高野と一緒にしていた。


「ん〜まあそうだろうねー ああいう仕事って日替わりだと思うから。」


多分俺と高野以外の奴も気付いているだろう。

めちゃくちゃ仲良くなっていた笹野や、ちゃん付けで呼んでいたサッカー部達も…


そのまま何事もなく夜を越し、2日目の自主研修が始まった。


「なあ笹野ー」

「ん?瀬戸?どうした?」

「明日、本当に飯田さんまた担当になるのかな」

「え、分かんない」


やっぱ適当だ。聞いてちょっと損した感じだ。


「でもなってくれたらめっちゃ嬉しいよね」


本当になんとなくした質問だったが、俺はその返答が聞けて良かった気がした。


そして各々がグループで自主研修に出発した。

そしてほぼ全員が街並みを楽しみながらも、飯田さんのことを少しは考えていたと思う。


そのころ、飯田さんは休みをもらって家で少しゴロゴロしていた。




「はぁ〜…1人はいたらん(つまらない)な〜…明日、またあの子達にならないかな〜」


そう言って彼女は、小さなこたつの中で何度か寝返りをうった。


(別に笹野くんやサッカー部くん達がめちゃくちゃ好きになったわけじゃない。でも、あんなに楽しかったのは本当に久しぶりだった。

よりによって吉川ちゃんが担当だなんて…あの子ならお願いしたらすぐ上司に頼みに行きそうだけど、あの子の善意を利用するみたいででけん(できない)な。)


「はぁーーーー…」


そんな大きなため息が一人暮らしのマンションの一室に響いていた。

そんなときだった突然彼女の携帯電話がため息を遮るようになり出した。



3日目

ついに修学旅行最終日だ。

クラス全員は多分、期待など抱いていなかった。

1日目とは違う人が来るのだろうと全員がそう思っていた。そして全員がホテルから出ると驚きの声があがっていた。


「え、嘘だろ?」

「まさか本当に…」


「おはようございまーす!」


この声は聞き覚えがある。この聞きやすく、可愛げのある声……まさか⁉︎


「1日目も担当しました。飯田です!今日もよろしくお願いします!」


奇跡だ。そうとしか思えない。まさか本当に今日も俺らの担当だとは思わなかった。俺だけでなく、高野や笹野まで驚いている。サッカー部達なんて絶叫してやがる。


「友妃ちゃぁぁぁぁん!!!!」


うるさい が今日だけは気持ちはよく分かるので目をつむった。



昨日、飯田の元に1通の電話が届いた。それは観光会社の上司からであった。


「飯田くん、明日は昨日とおんなじ高校のおんなじクラスの担当ね。」


突然の事で彼女はかなり驚いていた。当然だろう。そこの担当は吉川になると昨日知ったのだから。


「え、なんでいきなりそうなったんですか?」

「吉川くんがね。必死に頼み込んできたんだよ。飯田くんと交代してくれってね。かなりの理由があるっぽいからよろしくね。」

「あ、はい!」


吉川がそこまで気を利かせてくれるとは思っておらず、飯田が電話を終えるとすぐさま吉川に連絡した。

もちろんお礼を言うために。



そうして最終日も初日同様そこからお祭り騒ぎが始まった。お寺を回る時もみんな飯田さんの周りに群がったり、バスの中ではめちゃくちゃ楽しく会話したり。みんなで集合写真を撮ったりと、みんなの一番の思い出になったと言っていいほど全員が楽しんでいた。

そして修学旅行が終わりにさしかかり飯田さんとの別れが近付いていた。


「えー、今日また皆さんと回ることができて本当に嬉しかったです。とっても楽しい時間を過ごさせていただきました。」


飯田さんは最後の挨拶を始めた。だが、目には少し涙が浮かんでいた。


「友妃ちゃん泣かないで!」

「うん、ごめんなさい…」


本当に、今考えると奇跡みたいな出会いだった。1日目でとても仲良くなり、そして今日また一緒にいろんなところをまわったり。


「私、1日目とても楽しくて…またみんなと回りたいと思ってて…そしたら今日、本当に願いが叶っちゃって…本当に良かった。」

「友妃ちゃーーん!楽しかったよー!」


サッカー部達が声をかける。


「友妃ちゃんまた会おー!」


笹野も飯田さんにそう言った。


「飯田さん、本当に楽しかったですよ!」


俺も飯田さんに感謝を伝えた。


「…うん、みんなありがとう。

本日は、本当にありがとうございました!」


飯田さんが最後に言葉を締めると車内では初日と同じような、いやそれ以上の拍手が沸き起こった。


そんなこんなで3日間の修学旅行は幕を閉じ、俺たちは新幹線で我が家へ向かった。





さあ、時は戻って俺もそろそろ作文を書き始めるとするかな。

各々が今回の修学旅行で思ったこと、経験したことは違って楽しいものだったり厳しいものだったりしただろう。

普通に書こうとしたらなかなか書けない人も多いだろう。だが、今回はみんながみんな書ける思い出がある。


「なあ、友妃ちゃんのこと書いた?」

「なんなら友妃ちゃんの事だけで一枚埋まりそうだったよ。」


「俺、京都の方に就職しようかな…」

「お、俺進学するからルームシェアしよ!」


そう、飯田さんの事だけはみんな作文のどこかしらには欠かさず書いていた。その出会いを1つの宝物かのように、大切に、忘れぬように、しっかりと、一人一人の最高の作文を完成させていった。

はい、というわけで最高の作文でした。

かなり長い短編でしたが、これくらいのボリュームで楽しめるような小説を書けるようになりたいものです。

ちなみにどこからが本当でどこからがフィクションなのかはご想像にお任せします。やっぱり実体験を元に作るとかなり楽しく作れていいですね。中身が面白いかは別ですが。

まあ、こんな感じでこれからもやってこうと思います。

それではまたいつか

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