第6話 次の目標を決めなきゃ
投稿ペース落としますね。
それでも週3か4であげる予定ですが
それではお楽しみください
装備一覧に入っていた雪道を取り出す。
武器屋で持った時と同じ感触だった。見た目の割には軽く切れ味がよさそうな刃、実際骨すらも簡単に切れるほどの切れ味だ。
とりあえず今は必要ないのでしまっておく。
この先どうするか。真剣に考える。
この世界のルールを完全に理解してしまったことで戦わないという選択肢が消えかけている。
本当は何事もなくゆっくり過ごしたい。だけどこの世界ですらそれをさせてくれない。
ドアをノックする音が聞こえた。
「俺だ。ティグリスだ。ちょっとばかりやばいことになった。少し出てきてくれ」
正直面倒ごとには関わりたくない。部屋で黙り込む。
「出てくる気がないならマスターキー使うがどうする?」
「わかったわかった!今開けるから待って!」
特に隠すことなどないが勝手に入られるのは嫌だ。すぐにドアの鍵を開ける。
「結構重要な話だ。どうする?ここでするか?それとも食堂に行くか?」
「別にここでいいけど」
「わかった。んじゃお邪魔するぞ」
案外部屋は奇麗だった。細かく言えば最初の時より奇麗になっている感じがする。
トレースは自分の家かのようにお茶を出し座布団に座らせる。自分も反対側の座布団に座る。
「それで?重要なことってなに?」
「実はNPCを殺したことによりトレースに賞金首がついたんだ。なんと1500万!普通のプレイヤーの10倍以上だ」
賞金首?1500万?最悪だ。もう狙われる立場なのかな。
「NPCを殺したことにより500万プラス、更に冒険者ということで1000万アップだそうだ」
NPCを倒したことより冒険者って理由の方が多いんだ。
「てかまず賞金首について色々教えてくれない?この世界は現実世界と少し違ったりするの?」
「ああ、そうか。悪い。まずはそこからか。賞金首は殺すとそいつについている金額分手に入る。ここは現実世界と同じだ。そしてここからが違うところだ。各職業ごとに+αがついてくる。例えば冒険者なら1000万って感じだな。因みに一番多いのが冒険者だ」
やっぱり最悪な職業を選んだようだ。
「そして賞金首はクエストや職業変更ができない。なぜならギルドに行った瞬間捕まるからだ。捕まったら最後、即座に殺される。理由は簡単だ。NPCと同じで強すぎるからだ。」
やっぱりあの時NPC殺すんじゃなかった。今更だがかなり後悔した。
「まぁこんな感じだ。賞金首も案外面白いぞ。1億越えになると異名がつけられる。今の最高が17億の異名が『神を従わせる悪魔』だったかな」
思わず笑ってしまった。流石に中二が過ぎるのではないか。そう思ったのだ。
「笑ってられるけど強さは本物だ。職業はこの前倒した奴と同じ闇魔導士の上位職の妖術師だ。実績はNPCを二人とプレイヤーを8000人、賞金首を30人だったかな」
「なにそのチート、強すぎない?」
それでもNPCは二回しか殺してない。それだけNPCは強いのだろう。自分が勝ったのもまぐれだと思えてきた。
「まぁ大体はわかった。賞金首になった以上戦う以外の選択肢がないわけだ。どこまで息苦しくさせるのやら」
「まぁそれがこの世界だからな。文句があるならこの世界の創造者に言ってくれ」
「そんな奴がいるなら今すぐにでも言ってくるよ!」
創造者なんて架空の人物だよ。
「何言ってんだよ。この街からずっと北に行くと『神の街』がある。そこに創造者がいるらしい。あ、これ言ったらまずかったんだっけ?」
うそでしょ?この世界には神も実現するのか。
「まぁここからだと歩いて1年かからないぐらいかな。まぁギルドに行けば街を行き来できるワープは存在するんだけどまずまずギルドにも行けないしな」
そうだった賞金首だとギルドに行けないのか。
「そんなワープが存在するんだ。てかこの街以外にも街があるんだ。全然知らなかった。むしろこの街が大きすぎてこれだけで終わりかと思ったぐらい」
大体北海道の半分ぐらいだろうか。この街だけでも相当広い。
「まぁこの『始まりの街』は案外広いほうかもな。まぁ『神の街』まではワープすることはできないが一番近いワープ地点からでも1か月はかかるらしい。まぁ行くのは不可能だろうけどな」
トレースは「よし」といい立ち上がる。
「次の目標は神の街かな。神に問いただしたいことがいくつかある」
「トレース、お前人の話聞いてたか?ここから約1年だぞ?」
首をかしげてトレースは答える。
「だから行くんでしょ。その間にも何かしらあるだろうし、ここで立ち止まっていても何も始まらないってこともわかったし、それじゃティグリス、行くよ」
「おいおい、待て、俺は行かねえぞ?」
「なんでさ、同行してくれてもいいじゃん。そっちの方が使い勝手いいし」
「人を道具のように言うな。俺を連れていきたきゃこの店を買い取れ。店の値段は2億だ。その金が用意できるならついていこう」
2億って......最低でもNPCをあと一人か。プレイヤーだったら1000人か。じゃあ賞金首でも狩りに行こうかな。
「ティグリス、この辺りで稼げそうな奴いる?」
「お前まさか本気でやる気か?」
「どうせならやりきる。もうNPCも殺したし、1500万の賞金首もかかったし」
そう。もう後戻りなどできない。
「近くに賞金首が3人。1人が7000万。あとの2人が2000万。7000万ってことは相当厄介だぞ」
「あ、ごめんプレイヤーは殺さない。NPCにしてくれない?」
ティグリスは驚く。
「何言ってんだ?プレイヤーはNPCより殺しやすいぞ?」
「それでもプレイヤーは殺さない。殺したくないんだもん」
「NPCは弱くない。分かってるだろ?」
「そんなのわかってる。けど人を殺すよりまし」
ティグリスは言葉が出なかった。少しの間静かになりティグリスが口を開く
「分かった。でも簡単なヤツにしろ。今から携帯に情報送るから待ってろ」
データを受信中です。
本当にNPCの位置情報が送られてきた。
「今送ったのは倒せるであろうNPCの位置情報だ」
「ありがとう」
「まだ死ぬんじゃねえぞ」
「わかってる」
宿を出て1番近いNPCを目指す。片手には雪道を装備した状態でいつでも殺せる準備はできていた。
ただ、トレースはまだ気づいていない。
ティグリスが嘘をついたことに......
そしてティグリスが腕について何も言わなかったことも......
見ていただきありがとうございます!
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まだ6話ですが徐々にネタ切れの予感.....
それでも完結はさせる気なのでこれからも宜しくお願いします。
次の投稿は来週の火曜日までには出来上がるかと。来週テスト期間なので投稿ペースは落ちるかも