第17話 トレースの過去......の前にめんどくさいことに
大変長らくお待たせいたしました
トレースの過去編......ではないみたいですね
それではお楽しみください
トレースとティグリスは山をゆっくり登りながら話していた。
「昔って言っても悪魔って呼ばれる理由と流伽との関係だけでいいんでしょ?」
「ああ、言いたくないところがあれば言わなくていい」
「じゃあ全部言いたくないんだけどね」
「じゃあ言わなくていいよ」
「いや。どうせ今話さなくてもいつかは話すことになるだろうし」
話を始めようとすると前から大きな声がした。こんな山に登る馬鹿がほかにもいるとは......ほとんどのプレイヤーはワープを使うはずだからここにいる人は大抵ワープの使えない賞金首だろう。
「おうおう、そこのお二人さん。邪魔だから道を開けてくんないかい?」
そういってきたのは髭を生やし馬に乗った男の人だった。
「はいはい。どうぞ」
トレースはそっと道を開ける。すると男の人は怒鳴り始める。
「おい。貴様。誰に向かってそんな態度をとっているのだ。無礼だぞ」
「ん?なんで怒ってるの?」
「ほー、このわしが誰か知らんと。なら新人プレイヤーか?だが新人なのにここまで来るのはおかしい。それでもって俺のことを知らないのか」
「えーっと......アウルスさんですか?」
「ほお、そこのやつはわしのことを知っておったか」
どうやらティグリスは認識があるらしい。まぁNPCだし大抵のことは知ってるか。
「ねぇティグリスだれなの?」
「この世界のランク12位にはいてるアウルス・オーディスだ」
「それはすごい。ねぇアウルス賞金首はいくら?」
12位って言葉にも驚かずトレースは馴れ馴れしくアウルスに話しかけた。
「ほお貴様名を何という」
「ねぇ。質問してるのはこっちなんだけど、質問を質問で返すのっておかしくない?」
アウルスは少しイラっといした表情を一瞬見せた。
「こりゃ悪いことをしたな。賞金首は9億1000万だ。貴様の名前と賞金首を教えてはくれないか?あとできれば左腕のこともな」
隠していた左腕の事がばれて少し驚いた。経験の差なのかな。
「何か質問が増えてるけどいいかな。私はトレース。賞金首は1億2000万左腕は初日にNPCに切られたんだ。それで付いた異名が片腕の冒険者。かっこいいでしょ?」
「ああ、実にかっこいい名前だ。女性の方にかっこいい異名はどうかと思うがな」
「それじゃ私たちは先を急ぐから......」
アウルスを避けて先に行こうとすると剣を突き付けて止められる。
「気に入った貴様わしの仲間にならねえか?」
「断る」
トレースは即座にアウルスの誘いを断った。
「なら奥のお前でもいいんだぞ?」
アウルスはティグリスに向けて聞いた。
「貴様NPCだろ。仲間になってくれればこちらも楽なんだがな」
「ティグリスは渡さないよ」
「ほーティグリスと言えば鬼狩りの虎だっけか?そんな最強のやつがここにいるとは。手合わせ願いたいな」
「それは勘弁してほしいわ。こちとらプレイヤーと戦う気はねえよ」
「鬼はプレイヤーじゃないとあれだってプレイヤーみたいなものだろ」
激しい言い争いが続くと予想したトレースは話に割り込む
「わかった!ティグリスが欲しけりゃ私を倒してみたら?欲しいものは力尽くでってね」
「ほお、順位がついてないやつにわしが負けるとでも?調子乗るなよ貴様」
「そんなのやってみないと分からないでしょ。どうする?ここでやる?」
「いや。この山を下りたところに闘技場がある。そこで一戦どうだね」
どうせこの後山を下りるつもりだったし丁度いいかな。
「それでいいよ。ティグリスもそれでいいでしょ?」
「トレース......負けんじゃねえぞ」
「負けると思ってるの?今まで何を見てきたのやら」
「それじゃ下るぞお二人さん。まぁ道中は雑談でもしようや」
本当は下りは過去の話するつもりだったけどまぁいいかな
「貴様の職業はなんなんや?」
「貴様っていうのやめてくれる?さっきトレースって言ったでしょ?」
「おお、悪かったな。トレースよ職業は?」
「冒険者だけどそちらは?」
「ほお!冒険者とそれで異名持ちとは異常を超えてるな」
確かに異常だなと同感しているティグリスに膝打ちを入れる。
「それで?アウルスの職業は?」
「見てわからんのか?ライダーだ。こいつが強くてな」
「ライダーか。ティグリス、アビリティは?」
「なんで俺に聞くんだよ。本人から聞けよ」
「なんかさっきから喋ってないし可哀そうだからさ」
「はぁ。ライダーのアビリティは乗り物に乗っている間相手の近接攻撃無効化だ。本当に厄介だぞ」
近接攻撃無効化って......どうやって勝ったらいいの?
「今の説明聞いて勝てる可能性は0%になったか?」
「うん。ほぼ0%かも」
「まぁ冒険者がわしと戦おうとした瞬間からティグリスはわしのもんだな」
「トレースマジで勝ってくれよ」
「わかってるよ。まぁ負けても強いプレイヤーにつくんだからいいでしょ」
「俺はトレースが神の街に行くっていうからついてきたんだからな?」
神の街という単語を出した瞬間アウルスが即座に反応した。
「神の街に行く気なのか?!冒険者が?!笑わせてくれるわ!」
アウルスは大声で笑う。馬鹿にされたトレースは少しイラっとする。
「別に神の街に行くぐらいよくない?」
「やめとけ。無力地でギブアップだ。あの場所を突破できる奴はいねえぞ」
「だから何さ。それでも行くんだよ。てか行ったことがあるような言い様だね」
「ああ、行って断念してきたところだ。あれは一歩でも入ると死ぬほどつらいぞ」
「まぁ行って死ぬから本望かな」
「変わったやつだな。だがそれもまた面白い」
ティグリスは変わったやつとアウルスが言うとまた共感したかのように頷く。
何だかんだ雑談しながら山を下った。その先には大きな街が見えてきた。
そこには大きな円状型の闘技場があった。
見ていただきありがとうございます。
急に現れたアウルスでトレースの過去が先延ばしにされましたね......
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次回投稿は8月24日17時に投稿します。




