第9話 買い物に行かきゃ何もない。
ようやく次で10話です!
前回よりゆっくりしてます
朝7時、携帯のアラームの音で目が覚める。
寝る前にしっかりとセットしておいてよかった。ただなんかの夢を見ていた気がするけど、まぁ夢だし忘れてもいいかな。
色々準備した後食堂へ向かう。
「おはよ。ティグリス」
「おお、起きたか。悪いんだけどさ......」
ティグリスは困った表情をしていた。机には何も用意されていない。その時昨日の言葉を思い出す。
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「悪い。食材切れてたわ」
そう言って出てきたのは野菜炒めだった。
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「もしかして......」
「そのもしかしてだ。昨日起きて来いよとは言ったが食材切れてるのすっかり忘れいてたわ。野菜炒めすら作れねえよ」
嫌な予想が的中した。そして野菜炒めすら作れないとは。
「どうするのさ」
トレースは少し怒り気味でティグリスに問いかける。
「まぁ行動予定は9時だったし早めて今から出て朝食探せばいいだろ。今回は俺が悪かったし朝食は全額負担するよ」
「それじゃ、それで決まりね。そっちはいつでも出れる感じ?」
「買い物するだけなら携帯さえあれば問題ねえよ」
携帯の中にお金がある以上財布など意味がない。携帯さえあればこの世界では何とかなる。
「トレースの方はもういいのか?一応女の子なんだし色々あるんじゃねの?」
「一応って何さ。まぁ特にないかな。もう出れるよ。こんな朝早くからやってる店なんてあるの?」
今は朝の7時だ。店っていうのは大体9時ぐらいから始まる感じがするのだが。
「現実世界と比べるな。この時間だったらもう営業してるところはいくつもあるぞ」
「やっぱすごいね。じゃあ行こうか」
トレースとティグリスは店を出る。まず向かうは朝食だ。トレースは地図を見ながら歩く。
街は朝から賑わていた。まるで今が昼のように思えるほどだ。
「そこの曲がり角を曲がって三つ目の店でいい?」
「いいけど何屋だ?」
指を指したのは普通のパン屋。朝だしそんなにがっつり食べる気はない。
「ほー、パンか。まぁ朝にしてはいいだろうな。歩きながら食べれるし」
「歩きながらは食べたくないけどね。ちゃんと座って食べるよ」
「そこはしっかりしてるんだな」
「どういう意味......?」
なんか馬鹿にされた感じで腹が立つ。実際馬鹿にされたんだ。そのぐらいの常識はあるつもりだ。
パン屋にはすぐに到着した。この世界は店の看板に大きく何屋って書いてあるおかげで迷わずに済む。ただ前にティグリスが言ってた営業時間の看板はいまだに見つかっていない。
「いらっしゃ。今丁度焼き立てのパンが入るよ」
パン屋に入ると懐かしい匂いがした。まだこの世界に来て3日目なのに現実世界を忘れてきている。言い換えればこの世界に慣れてきていた。
「ほお、意外とおいしそうなパンがいくつかあるな」
ティグリスはトレーに食べたいパンを早くも乗せていた。今回は全部ティグリス持ちなので遠慮せず美味しそうなパンを選ぶ。
「会計よろしく」
「はーい。7点で合計1万2000だよ」
高!本当に基準がわからない。因みにパンの数はトレースが2個でティグリスが5個だ。
ティグリスは自分の携帯をタブレットの上に置く。
「ありがと。意外と高かったね」
「今回は俺が悪かったしな。1万2000だったら安いほうだぞ。もうこのあたりの値段には慣れたよ」
トレースとティグリスは話しながら店を出る。
「まいどあり、いつでもおいで」
「おう、また機会があったら来るよ」
パン屋の人に挨拶をして店を出る。向かいにベンチがあったのでそこで座ってパンを食べる。
「やっぱりこの世界はどれもおいしいね。ティグリスと同じ。いや、それ以上に美味しい」
「そりゃ専門店に比べたら俺なんてまだまだだ」
ダラダラと話しつつパンを食べる。どちらも食べ終わると二人は立ち上がり行動を開始する。
「トレースは何買うつもりだ?俺は食品や武器の調整だ」
「私は道具屋に行った後武器でもみるつもりだけど」
「じゃあ今の時間が12時だから17時にはここで集合でいいか?」
「あ、別行動なのね。了解」
トレースは少し悲しそうな顔をする。それに気づいたティグリスが茶化す。
「なんだ?一緒に行動したかったのか?」
「いや、荷物持ちとして使おうかなって思ってたから......」
「ざけんな。まぁ道具屋で人殺さないようにな」
「するわけないでしょ。もう手持ちには2億あるわけだし」
2億といったらこの世界で相当多いほうだ。二人は別行動でティグリスは食品に向かった。トレースは最初に道具屋に行く予定だ。近くに道具屋は徒歩10分ほどのところにある。
しばらく歩くと道具屋が見えてくる。道具屋に来た理由は何が売ってるのか知りたい。ただそれだけだった。
道具屋に入る。「いらっしゃいませ!色々売ってますよ!」と元気な少年の声が聞こえた。
「えーっと。道具屋って基本何を売ってるの?」
「うちの店でしたら日常品や便利アイテムですね」
「長旅で使える便利アイテムとかあったら教えてくれる?」
少々お待ちください。と少年はいい裏で携帯をみて商品を確認する。
「長旅でしたらこちらのモンスター避けスプレーや移動速度上昇、暗視の薬などがありますよ」
暗視の薬やモンスター避けは役に立ちそうだ。
「モンスター避けと暗視の薬下さい。どちらも5個ほど」
「ありがとうございます!10点で5万8000です」
少年はタブレットを出してくる。私は携帯をタブレットの上に置く
2億4000→1億9994万6000
随分と詳し出てくるんだな。携帯を取ると少年は驚いた顔でこちらを見ていた。
「お姉さんもしかして相当強かったりする?」
「そうだね。君が思ってる以上に強いのかもしれないよ」
「お願いだからこの店は壊さないでね」
少年は震えた声でお願いした。
「大丈夫だよ。そんなことしないから」
少年は「よかった~」とホッと息をついた。時間にはまだ余裕はあるが次の店に行こうかな。
「もう行くんですか?」
「うん。ほかの店も行く予定だからね」
「そうですか。ありがとうございました。またお越しくださいませ」
少年は丁寧に挨拶し見送る。次に行く場所は武器屋だ。もちろん見るのはナイフだけ。しかも買う場合は安いのを買うつもりだ。前回の戦闘でナイフは一本しか出せないことがわかったので3本以上買う意味がないが買っておいて損ではないだろう。
トレースは地図を見ながらパン屋に向かう途中にある武器屋を探しながら歩いていた。
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その頃ティグリスは......
「ほー案外いいもん仕入れているな。これくれ」
「はいよ。2000だ」
「随分と安いもんだな」
「そりゃこの辺りの店はほとんどそうだよ。まず人が全然来ないからね」
そう。ティグリスは街外れにある小さな村に買い物へ行っていた。
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見ていただきありがとうございます!
ゆっくり回も悪くないですね~
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次投稿は7月になってからかな。