空に溶ける言霊を
君はきっと覚えてない
あの日交わした約束を
『ずっと信じてる』
そんな言葉は単純で
何よりも簡単なのに
嬉しい言葉だった
簡単だからこそ
言葉が裏返しになるのも簡単だと
気がつくことができなかった
『頼れよ』
人を信じることが苦手なくせに
人に頼られることを必要としてた
力強い言葉で
強引な優しさで
その優しさを手放すことは
何よりも怖くて
その優しさを拒めばいいのに
それはどうしても出来なかった
『ずっと友達だよ』
そんな確証あるわけない
それでもその手を取ってしまった
ずっと友達でいたかったから
どんな形でも傍にいたかったから
その言葉はその場限りだと
疑うこともしなかった
現実を見なかった
それが突き刺さるとも知らずに
『お前を守らせて』
甘えてしまったんだ
縋ってしまったんだ
その言葉に
あの声に
甘えてしまったら
縋ってしまったら
きっと離れていくとも知らずに
君は言った
自分の言葉はその場限りだと
責任は持てないと
怖くて聞くことはできなかった
約束を覚えてるか、なんて
忘れてて欲しいと思ってしまったから
覚えていることが残酷だ
だいすきだった
嘘
だいすきだ
君のその優しさも声も言葉も
覚えてなくたっていい
ずっと心にしまっている
いつか君に笑って話せる日まで
いつかのように戻りたいと願うだけなら許されるでしょ?