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ゲノム  作者: 劉・小狼
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 9

 『アイツら、何を言っているのだ?……

俺が向井を撃ったとか?……』

 壮一が逃げながら、そんなことを思っていると

突然、壮一の前に物凄いスピードの車が止まった。

 助手席のドアが開き、

 「先輩! 早く、乗ってください!……」

 男の子の声が聴こえてきた。

 車と共に壮一の前に現れたのは、壮一と同じように

謹慎処分になっている壮一の相棒の新米刑事の

三山蒼太だった。

 壮一は戸惑っていたが、すぐに追いついてきた

刑事らに気付くと蒼太の車に飛び乗った。

 蒼太は壮一が車に乗ると、車を急発進させた。

 さっぱり、事情が飲み込めない壮一は

 「一体、どういうことだ?…… 俺が向井を

撃ち殺そうとしたとは……」

 運転している蒼太に訊いた。

 蒼太は真剣に運転をしながら、

 「僕も詳しいことはわからないのですが……

私物を取りに(警察)署に行くと、向井管理官が

先輩に撃たれたと大騒ぎになっていたのです!……」

 壮一に言った。

 「なんだ? それ?……」

 壮一は蒼太が何を言っているのか、さっぱりわからなかった。

 「バカを言え! 俺は向井が撃たれた頃は向井との

電話を切り、河野の研究施設に向かっている頃だ!……

俺が向井を撃てるはずがないだろう!……

それは何かの間違いだ!……」

 壮一が怒ったように言うと

 「僕もそう思い、先輩のもとに駆け付けたのです!」

 蒼太は更に車のスピードを上げた。

 「これから何処に行きますか?……」

 蒼太は運転を続けながら、壮一に行き先を訊いた。

 壮一も何処に行ったら良いのか、まるでわからなかったが

自分が助けた茜のことが気になり、

 「すまないが…… 俺の妹の所に向かってくれ!」

 蒼太に言った。

 「妹さんの所ですか?……」

 「ああぁ…… 妹の所に怪しい男らに追われていた

少女【茜】をかくまっているのだ……

 彼女のことが気になる……」

 壮一がそう言うと

 「わ、わかりました!……」

 蒼太は頷くと車を壮一の妹【海那】が住む

マンションへと向かわせた。

 妹・海那の部屋の前に辿り着いた壮一は玄関の

チャイムを押したが中から何も反応はなかった。

 「おかしいなぁ……」

 壮一は更に何度もチャイムを押したが

やはり、反応はなかった。

 嫌な予感がした壮一は玄関のドアを恐る恐る、開けた。

 蒼太と共に壮一が妹の海那の部屋に入ると

血の付いた包丁が床に転がっていて、部屋の中には

誰もいなかった。

 『なんだ? これは?……』

 そんな部屋の光景を壮一はただ、呆然と見詰めていた。

 荒らされている部屋を蒼太は見廻しながら、

 「先輩! これはまずくないですか?……」

 壮一に言うと蒼太の声にハッと我に返った壮一は

 「そ、そうだな……」

 蒼太と共に海那の部屋を後にしようとした。


 だが、その時……


 部屋の奥からガタゴト……と物音が聴こえてきた。

 『な、なんだ?……』

 壮一が恐る恐る、奥の部屋のドアを開けると

口を塞がれ、縛られている聡子がいた。

 「お前、こんな所で何をしているんだ?……」

 驚いた顔で壮一が縛られている聡子を解放してやると

 「何って…… 海那ちゃんにちょっと話を聞こうと

部屋にやってきたら、いきなり、怪しげな黒い服の

男らに襲われて、この部屋に押し込まれたのよ!」

 聡子は壮一にそう言った。

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