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ゲノム  作者: 劉・小狼
31/31

 終

 『まずい!……』


 私はすぐに茜のことを追いかけた。

 だが、また計画に支障が生じた。

 部屋の前に飛び出した私の前に事件のネタを捜していた

聡子が現れた。


 『まずい!……』


 私は茜を追いかける前に聡子をどうにかしないと

いけないと思い、聡子を自分の部屋の中に招き入れた。

 お茶に睡眠薬を入れ、眠らせた聡子を縛った

私は茜のことを急いで追いかけた。

 だが、また支障が生じた。

 帰ったはずのお前【壮一】が私の部屋に戻ってきた……


 「ど、どうするんだよ?……」

 すっかり支障続きで計画に大きく狂い始めたことに

蒼太は焦り始めた。

 「大丈夫! 何とかするから……」

 私は懸命に蒼太を宥め、計画を続けさせた。

 だが、蒼太は私の立てた計画とは違うことをし、暴走を始めた。

 「やめるんだ! 計画通りにするんだ!……」

 私は蒼太に計画通りにするように説得をしたが

蒼太の暴走は止まらなかった。

 だから、蒼太はあんなことになったんだよ!


 海那は三度、壮一のすぐ横に銃弾を放つと

ゆっくりと壮一に近付いてきた。


 カツカツ……


 海那の足音が近付くのに反して、壮一の意識は

遠退いていった。


 『もうダメだ!……』


 壮一は限界だった。

 気を失い、壮一はそのまま、横に倒れた。

 突然、自分の前に現れた壮一に海那は壮一に拳銃を向けた。

 だが、ぴくりとも動かない壮一を見ると壮一に向けていた

拳銃を降ろし、壮一のもとに近寄った。


 『遂にくたばったか?……』


 全く動かない壮一を海那は何度か、脚蹴りをすると

 「手こずらせやがって……」

 と呟き、持っていた拳銃の安全装置をかけ、

壮一のもとから立ち去ろうとした。

 壮一は遠ざかっていく海那の足音を薄れて行く

意識の中で微かに聞きながら、


 『今しか、仕留めるチャンスはない!……』


 ほとんど力が入らない手に残っている力を込め、躯を起こすと


 『これでお前も最後だ!……』


 立ち去って行く海那の背中にそう言うと拳銃の引き金を引いた。

 「なに! まだ生きているのか!……」

 壮一の微かな声を聴き、海那は後ろを振り返り、自分が持っていた

拳銃の引き金を引いた。

 乾いた銃声が建物の中に響き渡った。

 次の瞬間、海那の心臓の辺りから血が滲み、

海那はその場に倒れ込んだ。

 銃声と共に銃弾が放たれたのは壮一の拳銃だけだった。

 安全装置が掛かったままの海那の拳銃からは銃声は

おろか、銃弾は発射されなかった。

 「ざまあみろ!……」

 倒れている海那を見ながら、壮一はそう呟いたが

最初に海那から受けた致命傷により、壮一はそのまま、息を引き取った。

 自分から溢れ出る血を見ながら、

 「ちぃ。 最後の最後でしくじったぜ!……」

 海那は悔しそうに呟くと海那も壮一と同じように息を引き取った。

 壮一と海那が息を引き取った後、銃声を聞いた

近くに住んでいる人達が警察に通報し、刑事らが

壮一と海那が倒れている建物内に入ってきた。

 建物内で拳銃を持ったまま、倒れている壮一と海那を見て、刑事らは

 「これは兄妹の無理心中だな……」

 不審な点はいくつもあったものの、壮一らの死を自殺として処理をした。


 本当のことを何も知らないままに……


 こうして、一連の事件は終わった。


                         終わり


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