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『遺伝子の研究?……』
壮一は宮島が何を言っているのか、まるでわからず、
首を傾げていたが
「その研究って、どんな事をやっていたか、わかるかな?」
宮島に訊いた。
「さあ…… 私も綾野に詳しい事は……」
宮島も首を傾げた。
『困ったな?……』
事件を解く鍵はその場所にあると直感した壮一は
「綾野が遺伝子の研究をしていた場所って、わかるかな?……」
壮一は宮島に訊いた。
「ちょっと、待ってください……」
宮島は持ってきたカバンの中を探し、小さな手帳のような
モノを取り出すとページを数枚、捲ると
「えーっと…… 都心から少し離れた嵯峨【さが】の
という場所だと思います!」
壮一に綾野が遺伝子の研究を行っていた場所を教えた。
宮島の話により、事件を解く鍵を得た壮一は翌日、
コンビを組んでいる蒼太と共にその場所に向かうことにし、
「あ、ありがとう!……」
宮島にお礼を言うと喫茶店の前で宮島と別れた。
翌朝の朝早く、壮一が疲れた躯【からだ】で
自宅のベットで眠っていると突然、壮一の携帯電話が
鳴り響く……
「は、はい…… もしもし……」
壮一が眠たそうに電話に出ると
「せ、先輩! た、大変です!……」
電話から蒼太の慌てた声が聴こえて来た。
「ど、どうした?……」
まだ意識がはっきりせず、眠たい壮一は寝ぼけたまま、
そういうと
「昨日、河野氏に話を聴きに行った俺達のことを
施設内を案内してくれた宮島美香という女の人が
亡くなったそうです!……」
蒼太は宮島が亡くなったことを壮一に告げた。
『う、うそだろう!?……』
壮一は眠気が吹っ飛び、ベットから飛び起きた。
「こ、殺しか?……」
壮一がすぐに蒼太に聞き返すと
「まだわかりません…… でも、俺達に話を聞きたいから
すぐに(捜査)本部に来いということです!……」
蒼太は壮一にそう告げたが壮一には何が何だか、
まるでわからなかった。
「わ、わかった…… すぐに行く!」
電話を切り、服を着替えると壮一は慌てて、家を飛び出した。
壮一が捜査本部に辿り着くとすでに蒼太が今回の事件の指揮を
執ることになった警視庁・捜査一課の課長・向井から事情を
聞かれていた。
壮一は向井とは同期で昔は警視庁の捜査一課にいたが
自分より先に課長になった向井とは捜査方針などで
意見が合わなくなり、ある事件の責任取らされ、
今の警察署に飛ばされたのだ。
『アイツか……』
壮一が向井の顔を見て、苦手そうな顔をしていると
壮一のことを見付けた向井は
「鳥瀬! こっちに来て、説明をしろ!……」
いつもの命令口調で壮一のことを自分のもとに呼び付けた。
「はーい……」
壮一は面倒くさそうに一番前にいる向井のもとに
重い足取りで向かった。
向井の前に立った壮一はとりあえず、河野の研究施設でのことを
向井に話したが宮島と喫茶店で話したことは向井に話さなかった。




