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ゲノム  作者: 劉・小狼
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 28

 壮一は振り返り、海那が指差した道を見ると

 「よし、わかった…… 俺は犯人を追うからお前は

近くの交番に行き、ひったくりにあったことを報告するのだ!

 ……良いなぁ!」

 海那に近くの交番に行くように言うと海那は

少し不安そうな顔をで壮一のことを見詰めながら、

 「本当に大丈夫?……」

 壮一に言った。

 「何を言っている! これでも俺は刑事だぞ!

お前は近くの交番に行くのだ!……」

 壮一は海那にそう言うと海那が指差した道の方へと

駆け出した。

 そんな壮一を見送りながら、海那は舌打ちをし、

何処かへと歩き去った。


 まだ明るい昼間だというのに誰もいないように壮一が

進む道は静まり返っていた。

 『おかしいなぁ?……』

 壮一は嫌な予感がし、向井に電話をかけようとしたその時……


 近くの建物内に人影が入っていくのが見えた。

 『アイツか!……』

 壮一は向井への電話をやめ、携帯電話を自分の服の

内ポケットに仕舞うと人影を追って、人影が消えた

建物へと向かった。


 その建物は今にも崩れ落ちそうな倉庫らしきものだった。


 『ここか?……』

 壮一は恐怖を感じながらも恐る恐る、その建物の中へと

脚を踏み込んでいった。


 その建物内は薄暗く、所々、破けた所から微かに日の光りが

差し込んでいる。

 おまけに少し歩くとほこりが舞い上がった。


 『本当にここなのか?……』

 壮一は段々と不安になってきた。


 その時だった……


 壮一の正面から物音が聞こえてきた。

 壮一は携帯している拳銃を取り出し、物音がした方に構え、

 「誰だ! そこにいるのは?……」

 と叫んだ。

 だが、何の反応も無い。

 壮一が拳銃の引き金を引こうとしたその時……


 壮一の正面の物陰から現れたのは一匹の野良猫だった。


 「なんだ…… 猫かぁ……」

 壮一が独り言を呟くと野良猫はジッと壮一のことを見詰め、

ひと声、啼くと壮一の前から立ち去った。

 「脅かすなよ!……」

 壮一がホッとしていると壮一は突然、後ろに人の気配を感じた。

 ゾッとしながら、壮一は持っている拳銃を握り締め、

再び、構えながら恐る恐る、後ろを振り返るとそこに

立っていたのは壮一の妹の海那だった。

 「なんだ! 海那かぁ……」

 自分の後ろにいたのが妹の海那でホッとした

壮一が構えていた拳銃を降ろし、

 「しかし、なんでお前がここにいるんだ?……

近くの交番には行かなかったのか?」

 海那に言ったが海那は俯いたまま、何も答えなかった。

 何か、嫌な予感がした壮一は

 「ここは何か、嫌な感じがする…… 一旦、戻ろう!」

 と言い、海那と共に建物内から出ようとした。

 「……」

 海那は俯いたまま、何か、ブツブツと呟くと

突然、建物内に乾いた銃声が鳴り響いた。


 それと同時に壮一の腹部に鈍い痛みが走った。


 『なに?……』


 眉間にシワを寄せ、壮一が海那のことを見ると

海那の手には銃弾が放たれたばかりの拳銃が握られていた。


 『なんでお前が?……』


 壮一は訳がわからないまま、腹部から血を滲ませながら、

崩れるようにその場に倒れ込んだ。


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