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別にクビになったわけじゃなく……
蒼太が起こした事件を闇に葬ろうと警視庁の幹部らが
口封じのために壮一を警視庁の捜査1課に戻したのだった。
蒼太が事件を起こしたのは事実だったが今回の事件のことは
自分の母親にも関係があったこともあり、考えた末に壮一は
刑事自体を辞めようとしたが、
「やめておけ! お前が辞めても上は何も変わらないぞ!……
それより働け!」
向井は壮一が辞めるのを止めようとした。
だが、壮一の意思は固かった。
しかし、その時だった。
テレビのニュース番組から衝撃的なニュースが流れてきた。
総理大臣の藤堂が昔、自分が犯した過ちなどを
全て、マスコミに暴露し、今回の事件を起こした蒼太が
『自分の息子だ!……』
と告白し、突然、総理大臣を辞めたのだった。
警視庁内を含め、世間は大騒ぎになった。
『えっ?……』
壮一も驚き、すぐに藤堂のもとに向かったがすでに
藤堂の周りには詳しいことを藤堂から聞き出そうとマスコミが
殺到していて、到底、壮一が藤堂に会えることが
出来そうもなかった。
『困ったなぁ……』
壮一が困った顔をしていると突然、壮一の携帯電話が鳴った。
『藤堂さんか?……』
壮一が慌てて、着信者も見ないまま、電話に出ると
「壮一! テレビのニュースを見てくれた?……」
壮一の携帯電話から聴こえて来たのは聡子の声だった。
「お前なぁ……」
壮一は電話から聴こえて来た声が藤堂でなく、少しがっかりし
「お前、あんなことをして、大丈夫なのか?」
壮一は聡子のことを少し心配すると
「うん! 大丈夫!…… だって、あれは藤堂総理から
直々に頼まれたことだもん!」
聡子はそう答えた。
「そうか…… なぁ!聡子…… 藤堂総理の
連絡先を知らないか?」
壮一は聡子に藤堂の連絡先を訊いた。
「ごめん! 私も藤堂総理の秘書の方から連絡をもらったから……
藤堂総理の直接の連絡先は知らないわ……」
壮一は少し困った顔をしながら、
「そうか…… なら、秘書の者の連絡先で良いから教えてくれ!」
聡子に藤堂の秘書の連絡先を訊いた。
壮一はすぐさま、聡子から教えてもらった藤堂の秘書の
連絡先に電話を掛けた。
「ごめんなさい…… お教えできません!」
藤堂の秘書は壮一に藤堂の連絡先を教えてくれなかった。
壮一が途方に暮れていると突然、壮一の携帯電話の着信音が鳴った。
壮一が慌てて、電話に出るとその電話は藤堂からだった。
「今回のことは君達に大変な迷惑をかけてしまった!」
藤堂は壮一に謝った。
「いや、そんなことは良いのですが……
本当に宜しかったのですか?」
壮一は突然の藤堂の行動を心配した。
少し押し黙っていた藤堂だったが
「良いのだ!…… 誰かが責任を取らないといけないから……」
「でも、何も貴方が責任を取らなくても……」
壮一が藤堂にそう言うと
「良いのだ! 私がそうしたいのだから……
アイツ【蒼太】の為にも……」
「……」
壮一が返す言葉に困っていると
「すまないが忙しいからこれで切るなぁ……」
藤堂は壮一にそう言うと慌しく、電話を切った。
一応、藤堂が総理を辞めたことで蒼太が起こした事件は
うやむやになり、収束した。
壮一は納得がいかなったが……




