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すぐに我に返った宮島は再び、真面目そうな顔をし、
「先に行きましょう!……」
その場から歩き出した。
「そうですね!……」
壮一らも宮島の後を追いかけ、その場から歩き出した。
研究員らの突き刺さるような視線を気付かないまま……
一通り、施設内を案内された壮一らは河野が待つ
部屋へと通された。
河野と向かい合った席に着いた壮一は
「早速ですが…… 綾野さんのここ数日のことを
教えてもらえますか?」
と河野に尋ねると河野は平然とした顔で
「ここ数日の綾野くんのことですか……いつもと変わらず、
出社して勤務していたと思いますが……」
と答える河野の言葉を蒼太はメモを取った。
さらに質問を続ける壮一だったが事件解決に繋がることは
何も聞くことが出来なかった。
「何か、思い出したことなどがあったら、連絡をください!」
壮一は河野にそう言うと蒼太と共に施設を後にした。
自分が取ったメモを見ながら、
「これからどうしますか?」
という蒼太にイラッとした壮一が自分が着ている
コートのポケットに手を突っ込むと、違和感を感じた。
『なんだ?……』
壮一がポケットの中を探ると
『綾野さんのことで話したいことがあるので3丁目の
ラ・ホートという喫茶店で待っていてください! 宮島美香』
と書かれた小さなメモ用紙が入っていた。
『なんだ? どういうことだ?』
壮一は怪しいと思いながらも蒼太を一人、先に帰すと
宮島が指定した3丁目のラ・ホートという喫茶店に向かった。
主要な道路から裏通りに通じる路地を入り、
人気のないところに宮島が指定したラ・ホートという
喫茶店はあった。
壮一は珈琲を頼み、奥の席に座り、宮島が来るのを待ったが
1時間経っても2時間経っても一向に宮島は現れなかった。
『からかわれたか?……』
壮一が諦めて、帰ろうとしたその時……
カランコロン……という音と共に喫茶店のドアが開き、
息を切らしながら、宮島が喫茶店の中に入ってきた。
喫茶店の中を見廻し、奥の席に座る壮一を見付けた宮島は
「ごめんなさい。 遅れてしまって……」
というと壮一が座る向かいの席に息を切らしたまま、座った。
そんな宮島の姿に少し見惚れていた壮一だったが服の
内ポケットから警察手帳を取り出すと
「話とは?……」
宮島はテーブルの上に置かれていた冷たい水を一気に飲み干すと
「実は私…… 亡くなった綾野さんと親しかったので……
普段から色々と訊いていたのです……」
と壮一を見詰めながら、そう言った。
突然のことに壮一は驚きながらも、
「色々な話とは?……」
と宮島に訊いたが宮島は途端に途端に口黙り、俯いた。
「どうした?……」
壮一が宮島にそう尋ねると
「実は綾乃は少しやばいことに関わっていたみたいで……
私はそんな相談を受けようとしていた矢先に綾野が
あんなことになってしまって……」
「やばい事とは?……」
壮一が宮島にそう訊くと
「ええぇ…… 綾野は春から別の場所に移動になって……
それからやばいことに関わっていたみたいで……
綾野も始めのうちは自分がそんなやばいことに
かかわっているとは知らなくて…… ただの遺伝子の
研究をしていると思っていたみたいで……」
宮島は壮一にそう答えた。




