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ゲノム  作者: 劉・小狼
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 「俺にも何が何だか、さっぱり、わからないのだ……」

 壮一は今までのことを全て、菅野に話し、茜から預かった

黒い手帳を見せた。

 「話は大体、わかったわ…… でも、そんな話をしても

誰も信じないわよ…… 私も信じていないし……」

 菅野は冷たく、壮一に言い放った。

 「そうだよなぁ……」

 壮一が落ち込みながら、黒い手帳を服の内ポケットに

しまうと

 「でも、一連の事件はその手帳に書かれていることから

始まっているみたいね…… わかったわ!その子は私が保護し、

私なりに事件の捜査をしてみるわ……」

 菅野は壮一に夏海を保護することを承諾したことを告げた。

 「助かるよ!……」

 壮一は菅野に礼を言うと席を立ち、店から立ち去ろうとした。

 「ちょっと待ってよ! これからどうするの?」

 立ち去ろうとする壮一に菅野は声を掛けた。

 「俺も俺なりにもう一度、事件を調べ直してみる!

その子のことを頼むなぁ!……」

 壮一は再度、夏海のことを菅野に頼むと店を後にした。

 店を後にした壮一だったが何処から事件を調べ直していいのか、

さっぱり、わからなかった。

 だが、その時……

 壮一の頭の中にふと、峰岸教授のことが浮かんだ。

 『もう一度、話を聞いてみるか!……』

 壮一は峰岸教授のもとに向かうべく、歩き出した。

 壮一が峰岸教授が入院している病院の病室の中に入ると

その病室には誰もいなかった。

 『どういうことだ?……』

 誰もいない病室内に立ち尽くしていた壮一だったがたまたま、

後ろを通りかかった看護婦さんに

 「ここに入院しているはずの人は?……」

 と聞くと一瞬、病室内を見た看護婦さんは

 「ああぁ…… ここの人なら、昨日、娘さんと一緒に

無理やり、退院しましたよ!」

 と言い、壮一の前から立ち去った。

 『退院した?……』

 壮一には訳がわからなかった。

 壮一は病院から突然、峰岸教授がいなくなったのを

疑問に思っていた頃……


 峰岸教授と茜は入院していた病院から遠く離れた駅にいた。


 「パパ。 何処に行くの?……」

 不思議そうな顔で隣にいる峰岸教授の顔を茜は

見詰めながら聞くと

 「ママの所だよ!……」

 峰岸教授は茜の手をギュッと握り締めた。

 「パパも?……」

 茜は峰岸教授に聞き返した。

 「茜だけだよ……」

 峰岸教授がそう言うと峰岸教授の前に電車がやって来た。

 はしゃいで電車に乗り込んだ茜を追いかけるように

峰岸教授も電車に乗り込もうとしたその時、峰岸教授は

自分の後ろに殺気を感じ、歩みを止めた。

 「峰岸先生。 やっと、見つけましたよ!……」

 そんな低い声に峰岸教授が後ろを振り返ると

そこには黒い服の男・2人を従えた蒼太が立っていた。

 「お、お前は……」

 峰岸教授は蒼太の顔を見た瞬間、ひどく驚いた。

 蒼太は怖い顔で峰岸教授のことを見ながら

 「先生。 我らと一緒に来てもらいましょうか?……」

 と言い、峰岸教授に近付こうとしたその時……


 一向に自分の後を追いかけて、電車に乗って来ない

峰岸教授のことを心配した茜が

 「パパ、どうしたの?…… もう電車が出るよ?」

 電車の中から顔を出した。

 突然、自分の前に姿を現した茜に蒼太が驚いているのを見て、

峰岸教授は

 「パパはこの人達とお話があるから茜一人で

ママの所に行きなさい!」

 茜に言ったが蒼太はすぐに自分の目の前に現れた茜が

自分らが捜し求めているモノだと感じ、傍にいた黒い服の男らに

 「アイツを捕まえろ!」

 指示を出した。

 黒い服の男らは茜を捕まえようと襲い掛かろうとしたその時、

電車のドアが閉まり、電車は発車した。

 茜を取り逃がした蒼太は悔しがったが

 「先生だけでも来てもらいましょうか?……」

 と言うと峰岸教授を連れ去った。

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