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星降る夜

作者: 夕霧

イベント初参加です。


  ある森の奥に、小さな小屋がありました。そこでは少女と犬が暮らしていました。

  少女の名前はユアといいました。

  ユアは薬師で、薬草のある森に住みたいと想い森で暮らしていました。



  

  ある夏の日、ユアはいつものように森に薬草集めに行きました。

  すると滅多に人が来ないはずの森にユアと同じくらいの歳の少年がいました。

  ユアは驚いて、近くにあった小枝を踏んでしまいました。

  小枝はパキッと音を立てて割れて、その音に驚いた少年は音のした方を見ました。

  その先にはユアがいて、少年に見つかったユアは逃げようとして転びました。

 「大丈夫?」

  少年は転んだユアを心配して声を掛けてくれました。

 「大丈夫、平気だから」

  そんな少年に、ユアはツンとした態度をとってしまいました。

 「そう、なら良かった」

  そういって笑いかけてくれる少年を見て、ユアは自分が恥ずかしくなりました。

  ユアは謝りたいのですが、どう言ったら良いかわかりませんでした。

  なので、正直に謝ることにしました。

 「心配してくれたのにあんな態度とってごめんなさい」

  少年は、

 「気にしないで良いよ」

  と微笑んでくれました。

  ユアは嬉しかったのです、自分に笑顔を向けてくれて。

  だから少年に「友達になって」と言いました。

  すると少年は、

 「いいよ。僕の名前はアルト。よろしくね?」

  アルトは自己紹介をしてくれた。

 「ありがとう。私はユアだよ」

  ユアも自己紹介をする。

  でも、友達になってから名前を知るというのも可笑しな話だな、

  と思いつつ初めての友達に色んなことを聞いてみる。

 「アルトはどうしてここに来たの?」

 「実はある薬草を採りに来たんだ」

 「どんな薬草?」

  アルトは持ってきていたスケッチブックを取り出してユアに見せました。

そこには白っぽい葉の薬草が描かれていました。

 「これなら聞いたことあるよ」

  ユアは記憶の中を探りながら言いました。

 「ほんと?どこにあるか知ってる?!」

 「慌てないでよ。あ、思い出した。北の方角にあるはず。」

 「じゃあすぐに行かなくちゃ!!」

 「どうして?」

 「この薬草は10年に一度、流星群が来る日、今日にしか現れないからさ!!」

 「そうなんだ!じゃあ急がないとね、もう夕方だよ」

  ユアはアルトとともに、北の方角へ走っていきました。



  

  あれから一時間ぐらい経ったけれど見つからない。空も段々暗くなってきた。

 「そういえば……」

 「どうしたの?ユア」

 「あの薬草の歌を思い出したんだよ」

 「えっほんと?!教えて!」

 「確か……」


  北に眠りし白き薬 白き薬は大樹の根に根付く

  白き薬は皆の為に 光灯す

  魔女は白き薬を独り占め 白き薬は隠される

  

 「だったような……」

 「じゃあ大きな樹を見つけよう!!」

 「あたしさっき見かけたよ」

  ユア達は大きな樹のもとへ向かいました。

  

  

 「ここかな……」

 「たぶんね」

  夜になってやっとユア達は大きな木を見つけました。

 「おっきいなぁー」

 「そうだね。大きいね」

  ユア達は樹にもっと近づくことにしました。

 「どこかな、光ってるからわかりやすいはずなんだけれど。」

 「でも隠れてるって……」

  ふとユアは夜空を見上げました。

  そこにはとても幻想的な光景がありました。

  輝く星たちが流れていく、ユアとアルトは言葉を失ってそんな夜空を見つめ続けました。

 「綺麗……あっ!」

 「どうしたの?」

  ふと、自分の近くで柔らかい光が輝いているのをユアは見つけました。

  よく見てみると樹にあいた穴の中には光る薬草が。

 「ありがとう、ユア!!」

 「どういたしまして」

  その後ユアとアルトは別れ、また会うことを約束しました。

  10年後の今日に。もちろんそれよりも前にも会うつもりです。

  ですが、またあの幻想的な光景を2人で見たいのです。

  そういえばあの薬草は何に使うんだろう。

  聞いておけばよかったな。

  


                  E N D

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