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白い世界

 どうもシファニーです。私、高校を卒業したらしいです。


 第99部、第3章第7話『白い世界』です。どうぞ!

「ねえ。ねえ、リネル」


 どこからか、名前を呼ばれているような気がする。

 すぐ近く。聞き慣れた声は、俺を急かすように投げ掛けられている。

 俺は、薄れていた意識を少しずつかき集め、ようやく目を開けた。


 岩肌が眼前に広がっていた。


「リネル、起きた?」


 視線を巡らす。声のしたほうを見ると、ヒセがこちらを覗き込んできているようだった。


「あれ、俺……寝てたか?」

「ん。ねね、外、見て」

「外?」

 

 どうやらいつの間にか寝ていたらしい。眠ってしまったヒセを微笑ましく思っていた記憶はあるのだが、俺もヒセのことは言えなかったようだ。

 

 それはそうとして、ヒセは洞窟の入り口の方を指差していた。

 つられて見てみると、薄っすらと光が差し込んできていた。それがどうしたんだろう、とまで考えて、気付く。


「晴れてる? ……いや、晴れてる!」

「そ、晴れてる」


 晴れていた。

 あれだけ酷かった吹雪が、ものの見事に。


「……ヒセ、出るぞ。リィナを探そう」

「ん、探す」


 腕を掲げ、意気込んだヒセを連れて、俺は洞窟の外に飛び出した。


 洞窟を出てすぐ、俺は眩しい日差しを手で防ぎながら空を見上げた。


「真っ白」

「だな。……こんなに白かったなんて」

「綺麗、だね」


 白かった。驚くほどに、真っ白だった。


 昨日まで見ていた、吹雪に覆われた暗い白色ではない。明るく輝く、純白が広がっていた。


 どうやらここは山の中腹らしい。上にも下にも、白色の景色が広がっていた。見渡す限りの雪山で、あれだけ広いと思っていた魔の荒野も、シンラシンラもここからは見えなかった。

 足元の谷を下れば、更にその向こうに高くそびえる雪山が。いつの間にか、山岳の深いところまで入り込んでしまっていたらしい。

 最初はひとつの山が長く伸びているだけだと思っていたのだが、幾つも山脈となって連なっているようだ。山あり谷あり、見渡す限りの起伏が続いていた。


「っていうか、こうなるとリィナを見つけるのはますます大変そうだな……」


 山肌がひとつならどちらかの方面を徹底的に調べるだけでよかったのだが、これだといくつもの面を調べる必要が出てくる。

 この白色の景色の中ならリィナの金髪はさぞ目立つことだろうと思ったのだが、それどころではなくなった。


「こりゃ骨が折れるぞ。ヒセ、どうする?」

「とりあえず、移動」

「だな。どっかで食料みつけなきゃだし」


 1週間分ほどの食料を用意してきていた。ただ、それは極力消費を抑えた時の話だった。

 ヒセが酷く疲弊してしまったせいで消費量が多くなり、すでにその半分が無くなっていた。

 昨日の今日で、雪の寒さが奪う体力量の多さに気付かされた。もしかすると、1週間分だと思っていた食料は、3日分程度になっている可能性があった。


「狼、食べられる?」

「……共食いにはならないのか?」

「ん?」

「あー、ならないらしい」


 まあ獣人と言っても人間の要素の方が強いし、獣の親戚というわけではないのだろう。いや、もしかすると共食いに抵抗が無いだけなのか?

 これ以上考えてはいけないような気がする。


「まあ、ともかく移動開始だな。太陽が出ているおかげで方角は分かるし。……まず、ここから南の方に向かうとするか」

「ん。ヒセ、頑張る」


 こうして、俺たちのリィナ捜索が始まった。

 高校は卒業しても私の執筆道は続きます。今日はちょっとボリューム少な目だけど許してください!

 ……早速執筆道歪み始めたか?


 それでは!

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