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尋問

 どうもシファニーです! そろそろGWですね! ガスの料金払わないと……!


 第151部、第1章第15話『尋問』です。どうぞ!

 私、レイカは今、人間の衛兵から尋問を受けています。


「それで? 目的はなんだ」

「そ、その、観光と言うか、冒険と言うか」

「嘘を言うな!」

「う、嘘じゃないです!」


 この人たち、さっきから質問してくるのに、否定しか返してきません。これじゃあ質問の意味がないじゃないですか。まるで、私がそうです、と言わない限り、解放してくれるないかのような……。

 あれ? もしかして、そのつもりなんですかね……?


「じゃあなぜ獣人を連れていた! 亜人が、戦争準備をしている証拠だろう!」

「ヒ、ヒセさんはリィナ殿下方のご友人で……それに、私たちエルフは戦争なんてしません! むしろ、他種族との関わりは極力避けてるほうで」

「ならなぜこんなところにいる!」

「それは、リィナ殿下方が、珍しく旅がお好きな方だからで!」

「そんな嘘が通るとでも!」

「嘘じゃないです! どうしたら信じてくれるんですか!」


 こ、このままじゃ八百長です……!


「これ以上お2人をお待たせするわけにはいきません!」

「いいや、待ってもらうぞ。お前たちが白状するまでな!」

「ぐぬぬ……!」


 なんて頑固な人なんですか! いっそのこと、嘘でも白状してしまいましょうか。いえ、それは嫌です。それに、言ってしまえばまた変な事をされるかもしれません。現に、ここにこうして拘束されているわけですし。

 右手と左手を繋ぐ鎖が恨めしいです。


「そもそも、どうしてこんなことをするんですか。私たちが攻撃を仕掛ける理由があるんですか? 心当たりでもあるんですか?」

「何を白々しい! この数か月、うちの衛兵たちを痛ぶってくれただろうに!」

「……え?」


 衛兵たちを、痛ぶる? なんのことでしょうか。


「魔の荒野に派遣した探索部隊は、獣人たちの襲撃を受けて撤退してきた。全1000人のうち300人が犠牲になり、残りの半分も傷を負って帰って来たんだ。これで言い訳が出来るとでも?」

「し、知りませんよそんなこと。獣人たちなら、私たちと関係ないじゃないですか!」

「エルフと獣人が手を組んだんだろ!」

「知りませんって! リィナ殿下に確認してみてください! 私、魔の荒野に行ったことすらありません!」


 でも多分、確認したところで分からないはずです。そんなことに関わる方ではありませんから。


「さっきから言ってるが……そのリィナ殿下ってのはなんだ。あの娘、高い地位にいるのか?」

「高い地位も何も、シンラ・カクが第一女王リーヴァ殿下のご息女であらせられます!」

「……王女ってことか?」

「そうです! って、どこに行くんですか? ようやく信じてくれる気になったんですか?」


 衛兵の人は席を立ち、壁にかかった鍵を持って部屋を出て行った。突然どうしたんでしょう。信じてくれる気に成ったのなら、まず私の手錠から外してくれてもいいのに。


 ですが、リィナ殿下やリネル殿下を優先したほうがいいと言うのは私も同意見です。私はここで大人しくしておいて……。


「っ!? な、何の音ですか!? 鐘の音……何かあったんでしょうか?」


 シンラ・カクでも、緊急時には鐘を鳴らしますから、同じ理屈なら、警報か何かでしょうか。ここも衛兵の駐屯所であるのなら、何か事件が起こったときになっても不思議はないですよね。


「そうなると、私たちのことは後回しになるでしょうか。まあ、そこまで時間はかからないですよね。出来ればこれを早く外していただいて、リィナ殿下と合流したいですか――」

「レイカ!」

「――っ!? リィナ殿下!?」


 突然扉が開く音が聞こえたかと思えば、リィナ殿下じゃないですか。とても焦った様子で、肩で息をしています。よく見ると手錠が外れていますね。やっぱり解放してもらえたみたいです。けど、ならどうしてこんなに焦っているんでしょう。


「いたわね! レイカ、行くわよ!」

「い、行くって、どこにですか!? リネル殿下たちは!」

「2人なら先に外に向かったわ! 私たちも行くわよ!」

「は、はい!」


 先程の警報と関係があるのでしょうか。リィナ殿下は、全速力で走って手を引いてくれます。私は運動が得意な方ではありませんが、全力を出すべきですよね。


 きっと、何かよくないことが起こっているんです。ここでリィナ殿下の足を引っ張るわけにはいきません!

 1人暮らしを始めてからもうそろそろ1ヶ月。自炊しなくてもいいと言うことが大きくて、結構慣れてきました。ただ、自分でやらないといけないことが多くって、まだまだ大変ではあります。田舎者が都会に1人で出るのはやっぱり少し難しかったのでしょうか。

 なんて思いつつ、今日も頑張っています。

 

 それでは!

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