5度目の会合
どうもシファニーです! なんか最近更新時間遅いですね!?
第132部、第3章第40話『5度目の会合』です。どうぞ!
「よくぞ参った」
厳かに響いた声で、俺は意識を覚醒させた。
どうやら、俺はまた死んだらしい。
見渡せば相変わらず真っ白な空間だ。ノエルのパイプオルガンのような声も健在だった。
「前から思ってたんだが、よくぞ参ったって出迎えはやめないか? 俺、来たくて来てるわけじゃないんだが」
「妾とて迎えたくて迎えているわけではない」
「よく言うよ。俺を何度も転生させてるのはお前だろ? その度俺と会ってるのも」
「人選を間違ったと反省していたところだ」
「酷いな、おい」
相変わらずの毒舌だ。けれど、何だか無性に懐かしい。かれこれ10年近く振り。旧友と再会したような感覚だ。
「それで? 次の任務はなんだ? ノエルも早く本題に移りたいだろ?」
「ふむ、物分かりがいいのは好ましいな。……では本題だ。貴様には魔王討伐を成してもらう」
「ん? そんなのは元からあった目標だろ?」
「違う。これから、すぐにでも、だ」
「……すぐにでも?」
その言葉に、思わず体が強張る。
「まさかもう復活したのか?」
「まだだ。だが、じきに復活する」
「じきにって……今いる神器の適合者だけで足りるのか?」
「魔王の力は未知数だ」
「分からないってことか……」
そうなるとしっかりと対策を練る必要があるな。俺自身も1から修業をし直さないといけないだろうし……。
リィナと過ごした10年を無駄というつもりはない。実際、2人の神器適合者を見つけることが出来た上、助けることも出来た。リィナのことも、少しでも強くしてあげることが出来た。
エルフの村を守ることも、出来たには出来た。
けれど結局、神林弓の適合者を見つけることは出来なかった。
使命は、果たせなかった。正直初めてのことだ。どうしたらいいのかも分からない。いや、今更どうすることも出来ないのだろう。
俺の5度目の人生は、終わったのだから。
「……まあ、分かった。じゃあ俺は次の人生でその神器に選ばれた者たちを集め、魔王と戦えばいいんだな?」
「いや、そうではない」
「え? 違うのか? じゃあ何をするんだよ」
前々から決まっていたことだ。少しでも多くの神器に選ばれし者を見つけ、共に戦う準備をする。ついにその準備が実る時が来たのかと思っていたのだが。
「……そろそろだろう」
「何の話だ?」
「貴様の勘違いを正しておこうと思ってな」
「勘違いって、なんのことだよ。あれか? 魔王討伐は俺の仕事じゃないのか?」
「それは貴様の仕事だ」
「じゃあなんなんだよ」
少しイラつき始めていた。
死んだばかりで気が立っているのかもしれない。
揺れ始めようとした膝を何とか押さえつけ、ノエルの答えを待つ。
そして、相変わらず姿を見せず、そう言えば名前を教えてくれると約束していたのに教えてもらえていないまま、オルガンのような声で答えを告げた。
「貴様は、まだ――」
眠いですー。最近ずっと眠いですー。生活習慣が、狂いだす~。
それでは!