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覚悟の行動

 どうもシファニーです! 今日は大学のガイダンスを受けてきましたよ! よく分からなかったけど履修登録頑張ります!


 第131部、第3章第39話『覚悟の行動』です。どうぞ!

 フェーの角が、砕け散った。


「えっ!?」


 割った張本人が一番驚く様子を見せる中、フェーは後方によろめき俺から離れた。

 リィナは警戒しながら回り込んでこちら側に合流。フェーの様子を見守る間が流れる。


「倒せた、のか?」


 分からない。角を折ることが勝利条件とは限らない。

 けれど、確かなダメージが入っているように見える。それくらい大きくふら付いている。頭を振り、酔いを醒ますような動作。

 そのことから覚醒したんじゃないかと期待した。


 その油断が、命とりだった。


 フェーが突然視線を鋭くさせた。それと同時にフェーの周囲に氷の円錐が宙に漂い始めた。そして、それが瞬時に放たれる。


「っ、リィナ!」


 円錐は全部で4つ。うち2つが俺へ、もう2つがリィナへ向かった。

 飛来速度的に俺なら避けられる。が、魔法の発動は間に合わず、そしてリィナが避けることも出来ないだろう。

 とっさに弓を手に握り、頭部に向かって来る1つの氷の軌道上に置く。だが、もう1つは容赦なくリィナの胸部へと迫っていた。


(どうする! 防御魔法は間に合わない。ほぼ同時に放たれているせいで順番に防いぐのじゃ駄目だ! だからって今から弓を捻れば防ぎきれるか分からない!)


 直撃を受けてリィナが致命傷を免れられるとは思えない。


(……やるしかないか!)


 踏み込んだ足を、そのままさらに前に出す。リィナの体を覆うよう、真正面まで躍り出る。

 目線は最後まで氷に向ける。確実に受けるためなのもそうだし、リィナの顔を、見たくはなかった。


 きっと、泣きじゃくるから。


 魔法は発動できなくても魔力を練ることくらいなら出来る。瞬時に胸部に魔力を集中させ、貫通させることだけは確実に防ぐ。

 最初に右手に握った弓に強い衝撃が響く。右腕が仰け反った後、今度は胸部に強い衝撃が走った。一気に熱が立ち込め、直後に冷たい感触が局所的に体を震わす。

 血と氷との寒暖差が、俺の死期を引き寄せる。


 喉に鉄の味が広がった。思わず吐き出す。ドロッとした感触が口から零れる。

 全身から力が抜けて行く中、歯を食いしばって弓を握り締め、残ったすべての力を込めて声を上げる。


「ヒセッ!」


 横転する世界の中で、フェーが次なる一撃を放とうとする。しかしそれよりも早く、俺の視界の端でヒセが目を開く。

 覚醒と同時に、剣に魔力を込めた。


 地面に手を突き腰を落とす。背にしていた壁を蹴り一気に加速。剣を勢いよく振り上げ、最大の一撃を放つ。

 フェーがその魔力に気付いて反応しようとした頃には、剣はフェーの体に触れていた。


「《ファントム・レイ》ッ!」


 黒色の閃光が、フェーに触れた個所から瞬く。

 その光が息をするように引き込まれ、吐き出すように、その何百倍もの光量が天に聳える。


 半球状のドームの天井まで吹き上がった黒色の光が消えた時、フェーが静かに地面に伏す。大きな音が響き、全身に生えていた氷が地面との接触で粉々になって飛び散る。


 その音に隠れるように、俺の体も地面に倒れる。

 その場の3人の視線が、釘付けになった。

 受けたい授業を定員オーバーの場合は抽選で決めるなんて聞いてません。しかも別に早い者勝ちではないじゃないですか。本当にただただ抽選です。これで受けたい授業が受けられなかったら最悪です。

 まあ、何を受けたいのかまだよく分かっていないんですけど。


 それでは!

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