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策略の影

 どうもシファニーです! 今日は新入生として初めて学校に行きました! 健康診断を受けてきましたが、しっかり健康体でした。よかったです。


 第130部、第3章第38話『策略の影』です。どうぞ!

 スノアが俯き、小さく言葉を呟き始めてから、どれだけの時間が経っただろうか。

 容赦なく振りかざされそうになったフェーの爪を、俺は必死になって押させていた。


 その強靭な爪は獰猛で、撫でられただけで怪我は免れない。

 ただの盾では一瞬で切り裂かれてしまいそうなそれを、神林弓で何とか受け止めている状態だ。


「流石は神器。使い方を間違ったって、そう簡単には壊れないな」


 そう言って浮かべた笑みが引きつっているのを自覚する。

 壊れないと分かっているとはいえ、目の前に死が迫ってきているのを木製の細い棒で受け止めている状態は生きた心地がしない。いつ壊れるかと心臓がバクバク鳴り響いている。


 けれど退くわけにはいかない。後ろに、スノアを背負っているから。


 何かぼそぼそと呟いている。きっと、自分の弱さを嘆いているんだろう。

 俺だってそんなことはたくさんある。嘆きたくてどうしようもなくなる時が。

 そんなときは、自分で決心を決めるのを待つべきだ。誰かに促された成長じゃない。自分で選び、決意して進んだ成長。それが人を大きく強くする。なら俺の仕事は、その時間を稼ぐこと。

 少しでも長く、こうして耐え続けること。


「ちょっと、リネルばっかり狙ってるんじゃないわよ! 《リヴェラル・ノヴァ》!」


 フェーの体が横から風に押される。しかしびくともせず、動じない。先程までは何度も気を向けていたというのに、今に限って反応もしない。


「今まであえて怒ったふりしてた、ってことか? 舐められたもんだな」

「まったくよ! 私たちを侮ってると痛い目見るわよ!」


 なんて言ってもフェーは聞く耳を持たない。容赦なく力の限りを尽くし、俺を押し潰そうとしてくる。まるで、見切りをつけたかのような落差に、俺も少し戸惑う。

 何なんだろうか、この違和感。急に態度が変わったみたいだ。


「私は駄目な子。何も出来ない弱虫で、逃げてばっかりの負け犬で……」

「えっ……?」


 後ろから声が聞こえた。

 それは、本当に消え入りそうな声。スノアの弱音のようだった。


 それが聞こえた時、フェーの力が弱まった気がした。

 だがすぐに、そんなものは気のせいだったと言わんばかりの力で押し返される。


「やっぱり私には無理だ。戦うことなんて出来やしない」


 また。


「何度やってもすぐにくじけて、何度だって諦めるんだ」


 まただ。

 

 スノアが何かを呟く度、フェーの思考が乱れたかのように力が抜ける。もしかして、スノアが原因なのか?


 ……フェーは、長い間ずっとスノアを守って来た。スノアにとってフェーが大切な存在であると同時に、フェーからしても、スノアは大切な存在と言うことなのだろうか。

 だからこそ見守りたくて、弱気なスノアを見て心を痛めている。そして今厳しく当たっているのは、スノアの成長を促すため……?

 でも暴走状態でそんなことを考える余裕なんてあるのだろうか。それともまさか、暴走なんてしてない?


 試してみるか。


「何度も何度も、失敗するんだ」

「でも! その度挑戦するんだろ! もう1度前を向けよ! スノア!」

「……えっ?」


 スノアが呼びかけに応えた。顔を上げ、こちらを見上げる。

 途端に、フェーの力が強くなった。


 やっぱりだ。

 間違いない。フェーはスノアに試練を与えることで成長を促そうとしているんだ。もしかして、この暴走も演技なのか?


「リネル!」


 スノアが心配そうに声を荒げた時、フェーがさらに力を籠める。全身の力を集中させてもなお押されるような力。やっぱり、加減をしていたな。


「っ……駄目! フェー、やめて!」


 スノアが立ち上がる。その手に、今まで以上に魔力の籠った槍を握って。


 それは、確かにヒセの魔剣に匹敵する力。いや、もしかしたらそれ以上かもしれない力。


 スノアは構えた。そして、突き刺すように槍を振るった。その一撃は――


「駄目ええぇぇぇ!」


 フェーの角を、うち砕いた。

 私、中学3年生から体質的に小麦が食べられない体だったんですけど、3年間の経過観察と対処療法の積み重ねにより改善。先日、3年振りにラーメンを食べてもなんともないという成果を上げることが出来ました!

 ラーメンやうどんと言った麺類は好物で、ずっと制限されていたのは辛くて仕方なかったのですが、久しぶりに食べたラーメンは本当においしかったです。

 そんな風に私はどんどん健康になってますので、これからも頑張れそうです!


 それでは!

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